海外における水難事故多発の実態


今年、海外へ行く日本人が増えていると言うことです。

その海外では、誰もが安全への意識を高く持って水に関するレジャーを楽しむことが大切です。

普通の旅行会社や現地のオプショナルツアー(アクティビティ)の業者は、なかなかリスクの情報を明らかにしてくれません。

そこで 以下に、日本人が海外で遭遇している水難事故の実態を開示します。

皆さんはこれを見て、注意の意識を忘れずに、楽しい海外旅行を楽しんで下さい。
せっかくの海外旅行で悲しい目に遭わないようにして下さい。

○知っておいた方がいい話
 ところで、海外での事故がより深刻な結果を招く理由として、現地の法体系が日本とは異なる、また現地の警察(多くの場合事故現場が発展途上国であってそこの警察や、先進国でもローカル地域にある警察)が、事故が起きても日本のような捜査を行わない、場合によっては観光客の被害者や遺族のことより、現地の住民(仲間)や会社に事故の”被害”が及ばないような配慮がされるケースが見られます。
その場合は、事故被害者や遺族が大きな精神的苦痛や経済的損害を負う、泣き寝入りを強いられる場合もあります。

(※会社=日本人経営でスタッフもおおむね日本人であっても現地人を雇用している場合などは特に。なぜなら発展途上国の場合失業率が高く、一人を雇用するとその一人の稼ぎで家族全員が生活しているケースが少なくなく、よそ者の観光客の”たかが遊び”の事故で、その会社の事業に支障が出ることは望まないのです。その一人が失業すると、残された家族に社会的困難が生じる場合があるのです。また、海域ごとに、いわゆる伝統的な”なわばり”をもった地元有力者がいる場合があり、そこでの捜査や調査に協力したがらないケースもあると聞いています。また現地の人々の口が堅くなるなどの傾向が見られるようです。)

実際に2011年に日本人が多数行く有名な観光地で起きた死亡事故では、日本でなら間違いなく業務上過失致死罪が適用されるだろうケースで、現地警察が事件性なし(つまり単純な事故であり事件ではない)と判断して、業者(日本人スタッフがいる)におとがめなし、とされたケースがありました。
この観光地はかなり有名な場所なのですが、かつてより複数のダイビングの事故だけでなく、水上のアクティビティやビーチでも死亡事故が起きている観光地です。
その国際的な観光地は日本人以外の事故も累積しているようです。
しかしこのような危険に関する情報は、消費者自らがしっかりと調べない限り、現地業者や観光局、旅行代理店から積極的に知らされることはありません。
消費者(観光客)は、安全で誰でも簡単にできる、といううたい文句を無条件に信じることがないよう、希望するアクティビティではどんな事故が起きやすく、またどういうことが手抜きされやすいかの目をもってから良い業者を選んで楽しむことが必要です。

○遊泳に関する事故で
 海や川、湖、そしてホテルのプールなどで泳ぐ際の事故は、普通に溺れるというほかに、「飛び込んだ際に事故に遭う」という原因が少なからず見られます。これは自分の注意で防げることです。安全を無視するように過度にはしゃいだり、調子に乗りすぎることにはならないように、最低限の自制をお願いします。

 

■平成21年(2009年)から23年(2011年)の海外の水難事故(海外の邦人の事故)

☆この3年間に水難事故が起きた場所:ハワイ、ティオマン島(マレーシア)、ケアンズ(豪)、マナ島(フィジー)、グアム、モルディブ、セブ(フィリピン)、バリ(インドネシア)、サイパン、バンコク、カナチャンブリ(タイ)、ドーハ(カタール)、サンフランシスコ(米)、ロスアンジェルス(米)、雲南省、パタヤ(タイ)、コーンパペン(ラオス)、エクスマウス(豪)、レダン(マレーシア)、クラビ(タイ)、ボラカイ(フィリピン)、ヌメア(ニューカレドニア)、マガジャネス・アンタルティカ(チリ)、ビンタン(インドネシア)、ポートダグラス(豪)、フィジー、バタンガス州(フィリピン)、プーケット(タイ)、タオ島(タイ)、フィンランド、ロンボク島(インドネシア)、バンビエン(ラオス)、パンダノン(フィリピン)、アマゾン(ペルー)、ナイアガラ公園(カナダ)、海南省(中国)、タンザニア、テンパサール(インドネシア)、コナキタバル(マレーシア)


海外スクーバダイビング中の事故

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間計
2009年 生存             1人       2人   3人
死亡・行方不明     2人     1人             3人
2010年 生存           1人 1人 1人         3人
死亡・行方不明                         0人
2011年 生存 1人             1人       1人 3人
死亡・行方不明     1人   1人   2人     1人     5人

参考:2011年の事故発生地域一覧

3年間の地域別
事故状況
ハワイ セブ バタンガス州(フィリピン) プーケット
(タイ)
タオ島
(タイ)
フィンランド
生存 2人 1人        
死亡・行方不明   1人 1人 1人 1人 1人



海外スノーケリング中の事故

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間計
2009年 生存                         0人
死亡・行方不明     2人 1人 1人               4人
2010年 生存                         0人
死亡・行方不明     1人       4人 1人 2人     3人 11人
2011年 生存                 1人       1人
死亡・行方不明               1人       1人 2人

参考:2011年の事故発生地域一覧

3年間の地域別
事故状況
ハワイ グアム フィジー
生存 1人    
死亡・行方不明   1人 1人

 

海外その他水難事故

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間計
2009年 生存     1人 1人     1人   2人   1人   6人
死亡・行方不明 1人 2人 1人     1人 2人 1人 2人     1人 11人
2010年 生存               1人   1人     2人
死亡・行方不明   2人 1人 2人         1人   1人   7人
2011年 生存               6人     1人   7人
死亡・行方不明 1人 1人     1人   1人 7人   1人 1人   13人

参考:2011年の事故発生地域一覧

3年間の地域別
事故状況
ハワイ ロンボク島
(インドネシア)
バリ島
(インドネシア)
プーケット島
(タイ)
バンビエン
(ラオス)
パンダノン島
(フィリピン)
アマゾン川
(ペルー)
ナイアガラ公園
(カナダ)
モルディブ 海南省
(中国)
タンザニア デンパサール
(インドネシア)
コナキタバル
(マレーシア)
生存             1人   1人 1人 3人   1人
死亡・行方不明 2人 1人 1人 1人 1人 1人   1人 3人     1人 1人

事故原因概要(2011年):海・川・湖沼・プールでの遊泳中。サーフィン中、筏転覆、滝への転落、ジェットスキー中、ヨット転覆、シーカヤック中。他の年には、さまざまな水域スポーツ(アクティビティ)中に事故が発生しています。注意して下さい

※このページは外務省資料から集計・作成
 ▼もし以上に計算ミスなどがありましたらご教示下さい。

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以上の事故の情報は、世界各地の在外公館が把握できた日本人の分です。

ダイビングの事故が2011年、激増と言って良いほど増えていますが、これは震災により海外でダイビングを行ったダイバーが増えたことが影響した可能性が考えられます。これはダイビングにつきものの事故が、ダイバーと一緒に海外に”連れて行かれた”とも考えられなくもない のではないでしょうか。

海外に行かれてマリンスポーツや湖沼・河川での水遊び、豪華なホテルのプールでの水泳(事故が起きています)をしたいと考えている皆さんは、このような、自分を守る意識を高めるために大切な情報はちゃんと提供してくれる業者を選びましょう。
安全に関わる情報を隠さず開示してくれる優良業者を選ぶことが大切です。事故に遭ってからでは遅いのです。
それと、過度に浮かれすぎたりはしゃがすに、自制、これを忘れずに。

事故は、やってくるものではなく、招くものなのです。
 


平成25年1月6日(1月7日、1月10日一部追加修正)

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