改正割販法について考える


 来年、割賦販売法改正案が施行された場合には、旅行会社がクレジットカードでダイビングツアーやオプショナルツアーを契約した消費者に、この危険について、裁判でも十分な情報提供と分かりやすい説明があったことを証明できないようなアリバイ作り的な説明だけだった場合には、後に消費者が分割払いした代金でも、その返還をクレジット会社に請求できるようになる可能性があります。
 となると、消費者であるダイバーは、旅行ぎりぎりになって重大な事実を知ったときに、解約加算金などのリスクを避けるために、意図的にクレジットカードの分割払で契約しておけば、そのリスクを回避できるのではないかということも考えられます。
 長時間の監禁やデート商法などで、過大な器材や講習の割賦販売契約を結ばされた場合でも、「過量販売」については、契約後1年以内であれば解約できるようになったり、商品ごとに契約するクレジット(個品割賦)による売買契約が、うその説明や過量販売などで無効になった場合には、その契約の解除のほか、消費者がすでにクレジット業者に支払ったお金を返還請求できるようになる可能性があります。

 また特商法と割販法の改正案では、重要事項を告げなかったり、うその告知をしたりといった悪質な違反を犯した事業者に対する罰則を、これまでの懲役2年以下から3年以下に引き上げるということにもなりそうです。
 ダイビングは極めて危険という認識は、「商品ダイビング事故の法的責任」の裁判事例紹介でも示していますし、またダイビング業界も内部文書で明示していることから、この改正が実現すれば、「ダイビングは安全」というような、ダイビングが本質的に安全かのようなうそを語ったり、事故の実態を過小評価して消費者に誤解を与えて利益を得ようとする業者に対して、少しは消費者も対抗できるようになるかもしれませんね。
 もっとも、正しく良心的なビジネスを行っているダイビングショップやインストラクターには、この改正は何の悪影響もないでしょうから、これは良心的なダイビングショップやインストラクターのビジネス環境を強化するものになりそうです。いやそうあってほしいと思います。

 このような悪質なビジネスの事例は、「忘れてはいけない ダイビングセーフティブック」に分かりやすく書かれていますので、ぜひご覧ください。


平成20年6月17日

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