プラチナダイビングのススメ


 安全のために、至れり尽くせりのダイビングサービスを受けて行うダイビングのことを、私は「プラチナダイビング」と呼ぶことを提唱しています。

 「プラチナダイビング」とは、十分な訓練を受けて、ただしく潜水技量を身につけた人が、ファンダイビングのときに、自分がダイビングそのものに集中するために、自分のサポートをしてくれるダイバーを自分や自分たちで雇って手伝ってもらうことです。

 ダイバーになってみると、「日本のダイバーは自分で十分な自己管理ができない、いつもショップやインストラクター、あるいはガイドにばかり頼っているダメダイバーだ。」などという陰口を聞くときがあるかもしれません。
 しかしこの背景には、現在のダイビングビジネスの行き過ぎた利益追求の結果、低レベルの講習しかできないインストラクターの増加という、人為的に造り出されて放置されている社会的な理由も考えられるのです。これは、ファンダイビングのときのガイドが、適切なバックアップ計画を含んだ正しい潜水計画を立てる能力がない、また実際のファンダイビングの場で、法に定められた注意義務を果たせないという厳しい現実に、一般ダイバーが知らずに直面させられているという現状があります。このような、現状のダイビングビジネスからトロリと染み出している消費者の致死的なリスクを少しでも減らす方法の一つがプラチナダイビングと呼ぶものなのです。特にこれは、正しい講習を受けていることを前提としても、シニア層のダイバーや、体力に十分な余裕のないダイバーたちに向いている方法です。

 一般のダイバーが、講習で習ったことの意味と目的を理解した上で、最高の目的であるダイビングそのものをより安全に楽しむために、その他の作業を手伝ってもらえるダイビングを行うことは一つの選択肢だと思います。その手伝ってもらう部分は、器材のセッティング、水中でバディとしてのサポートを受けること、あるいは自分のバディグループに対するボディガードとしての同伴、そしてエキジットの支援と器材の取り外しの手伝いなど、それに加えて減圧症にならないためのインターバル時間の管理から水分補給の管理などです。これらはすべてダイバーの安全のために必要なことです。これをある種の「外注」することがプラチナダイビングと呼ぶダイビングスタイルなのです。

 プラチナダイビングについての詳しい内容は、「忘れてはいけない ダイビングセーフティブック」に分かりやすく書かれていますので、ぜひそれをご覧ください。


平成20年6月18日

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