オーストラリアでの事故レポート


オーストラリアのパースにお住まいの渡辺 博氏からご許可をいただき、今年年頭の死亡事故のレポートの転載をいたします。
なお、渡辺氏の自宅のホームページはここです。


先週(平成11年1月初頭)の連続事故は、起こるべくして起こったと言える。日本人女性がふたり、西オーストラリア州の海岸で、立て続けに、スキューバ・ダイビングで事故を起こした。ひとりは、ジンベエ・ザメが来るので有名なエクスマウスで、もうひとりはパースの近くの天国のように美しい島、ロットネストで。両所とも、西オーストラリア有数のダイビング・スポットだ。前者の女性は、荒れている海でナイト・ダイビングをやって死亡した。スキューバ・ダイビングには、豊富な経験があった。後者の女性は、海底にひっかかり、意識不明の状態になっているのを偶然に他のダイバーによって見つけられた。そのダイバーの証言によると、彼女は、全く生命のないマネキン人形のように見えたそうだ。ただちに生命蘇生術を施されたが、生き返ったのは、ほとんど奇蹟だったと言われている。

今、私の家にホームステイしている日本人女性も、数十メートルの海底にいた時に、酸素ボンベに酸素がないのに気づき、あわてて浮上したことがある。

こちらのマスコミは、余りにも安易な、日本人向けダイビング・ツアーを批判した。わずか1〜2週間の練習でライセンスを取り、日本に帰ってから3〜4年後に、またひとりでダイビングをやりに来るのは、自殺行為と同じだと言っている。日本の年末、年始の休みの時期は、オーストラリアでは夏。スキューバ・ダイビングをやりに来る日本人は、とても多いことだろう。もう一度、安全なダイビングをするにはどうすればいいのかを、考えてはいかがだろうか?

渡辺 博
from Perth


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