「ダイビング事故とリスクマネジメント」
大修館書店より平成14年12月10日発売


大修館書店 2002年12月 2800円
ISBN4-469-26508-X


注)遊戯を目的としたスクーバ潜水は、英語で正しくは「レクリエーショナル・ダイビング」というのですが、本書では、日本人にとって違和感を少なくするために、敢えて、「レクリエーション・ダイビング」という表現を使っております。

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                         目 次

 ■ 序文           弁護士(元検事総長)      土肥孝治
 ■ 命の尊さのために   帝塚山学院院長文学博士   中西 進
 ■ まえがき

第1部 ダイビングの事故

 第1章 事故例の考察
  1. 3つの事故 2
  (1) 講習中の死亡事故の再現(推定)による事故の考察  2
  (2) 連続ダイビングによる減圧症発症事例1  19
  (3) 連続ダイビングによる減圧症発生事例2  22
  2. レクリエーションスポーツ商品の品質管理について 27

 第2章 事故の実態と発生要因の分析
  1. 事故の実像 29
  (1) ダイビングの危険定数 29
    1) 事故発生数 29
    2) 事故発生の実態 30
  (2) 他のレクリエーションスポーツとの比較 34
  2. スクーバダイビング事故の実態 36
  (1) 事故の全容 36
  (2) 講習中の事故 39
  (3) 静岡県と沖縄県の事故状況に見る事故の実態 41
  3. 特殊環境の理解 47
  (1) 地上と異なる環境事例 48
  (2) 特殊環境がもたらすもの 49
  4. 適正人数比問題 49
  (1) 事故の実態から 49
  (2) 注意義務履行のための動静確認時間間隔 51
    1) 合理的に許容される時間的間隔の検討 52
  (3) 適正動静確認時間間隔5秒限界論 55
  (4) 事故要因を最小化する(安全配慮義務を果たせる)ダイバー群構成 56
  (5) 常時動静監視の必要性 57
  (6) 事故予防に向けた情報公開の意味 58
  (7) 潜水計画書の義務化 59

 第3章 リスクの理解と対策
  (1) ダイバーのリスク 61
  (2) 業者のリスクとその対策 63
  (3) 私的クラブ(学生や社会人の同好会など)のリスク 68
  (4) ダイビング事故を研究する際のリスク 69
  (5) 誠意の構造 70
  (6) 遺族の裁判準備 72

 第4章 事故裁判の分析と免責・減責基準
  1. 裁判例一覧 74
  (1) 刑事事件判決一覧 74
  (2) 民事事件判決一覧 75
  2. 責任の発見
  (1) 「損害」に関する責任発見式 77
  (2) 特殊環境(水中)の特性 78

  3. 免責・減責判断の実態から見る5秒テストの提案
  (1) 動静監視間隔基準を考える前提 79
  (2) 事業者(指導者等)の注意義務を構成する動静監視間隔基準の指標 79
  (3) 監視に関する判決例の検討 81
  (4) 「5秒テスト」(注視状態を判断するテスト)の提案 85
  (5) 断続的「注視」の場合の5秒上限論 86
  (6) 特殊環境下で成立する過失の形態 88

  4. 免責と減責の基準
  (1) 責任制限の可能性 89
  (2) 商品販売の責任と社会的かかわり 94
  (3) 裁判例から見た免責・減責基準の根拠と法的救済のバランス 96
  (4) 免責に関する判決の検討とまとめ 103
  (5) 消費者契約法に対応して作られた免責文書 104
  (6) 指導団体の責任とリスクマネジメント 106
  (7) まとめ 116

 第5章 アメリカの事故裁判における責任の制限と免責
  1. ダイビング事故裁判に見る責任と免責問題 117
  2. 適用される法 118
  3. ダイビング事故裁判判決の推移 120
  (1) 個別判例 120
    1) クンツ対ウィンドジャマー事件(1983) 120
    2) デュプレクヒン対バディ事件(1987) 124
    3) シンクレア対ソニフォーム事件(1991) 128
    4) アドベンチャー・バウンド・スポーツ事件(1993) 132
    5) タンクレディ対ダイブマカイ事件(1993) 136
    6) カノア事件(1994) 145
    7) フィゲロア対ナウイ事件(1996) 148
    8) イリュージョンズ号事件(1999) 151
  (2) 重要な引用判例(参照先) 152
    1) エグゼクティブジェット事件(1972) 152
    2) ケリー対スミス事件(1973) 153
    3) フォーモスト対リチャードソン事件(1982) 154
    4) シソン対ルビー事件(1990) 154
    5) デルタ社対マガナ事件(1993) 155
  (3) 海事法関連事項 156
  (4) その他の海事法関連事項 157
  4. 各裁判の判決の推移 158
  (1) 裁判で用いられた判断基準の整理 158
  (2) アメリカの判例概観と日本への教訓 160


第2部 個別事故の研究

 第6章 事故記録 
 I. 1999(平成11)年の事故 165
  事故一覧 206
 U.2000(平成12)年の事故 209
  事故一覧 236
 V.2001(平成13)年の事故 239
  事故一覧 263

 第7章 モデル事故の詳細
  1. ファンダイビング中の死亡事故(女性・36歳) 256
  2. 講習中の死亡事故(女性・26歳) 268
  3. 神子元スクリュー巻き込み死傷事故(女性40代=死亡・女性50代=重傷) 272
  4. ファンダイビング中の溺死事故(男性・30代) 274
  5. ボート接触傷害事故(男性2人重症) 277

 第8章 日本人の海外での事故手記とデータ
  1. オーストラリア、パースでの女性(20〜30代)溺死事故 280
  2. オーストラリア、アルバニーでの女性(26歳)溺死事故 284
  3. 海外での日本人事故例一覧(1993年から1999年) 290

 ■ リスク管理表・事故原因解明ポイント表 296
 ■ 用語解説 301
 ■ あとがき 305


平成14年12月1日

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