感謝しよう

★ダイビング事故のとき、助けてくれる方々に★


  昨年も80人以上(平成17年4月現在の暫定値)が事故に遭遇しています。
  事故は確実に起こっています。
  皆さんの誰もが事故に遭わないわけではありません。少なくとも500万分の1の確率といわれる、ジャンボ宝くじの1等当選よりはるかに高い確率で死亡・行方不明事故に遭遇します。
  たとえば平成15年で、このような悲惨な事故に遭う人の確率が宝くじの1等と同じだったとしたら、と考えてみましょう。
  この確率でいくと、死亡・行方不明事故遭遇者がざっと年間30人だったこの年は、ダイビングを行った人々の年間のべ数が1億5000万人もいた計算になります。同じくざっと年間20人の死亡・行方不明者が出た平成16年なら、年間のべ1億人がダイビングを行ったことになります。
  年間の活動ダイバー数が30万人から50万人と言われているので、間を取って45万人が年間平均6本(3回)ダイビングを行ったとすると、のべ数で270万人がダイビングを行うことになります。
  そうすると、ダイビングで死亡する確率が宝くじ並みだとしたら、1年に0.5人程度しか死亡・行方不明者が出ない、ということになります。しかし現実には20人から30人も出ています。
  これは、平成15年は宝くじ1等当選確率の60倍、平成16年は40倍の確率で死亡・行方不明者が出ていることになります。
  宝くじの当選金額をそのままに、1等や2等など(2等は重度後遺障害を負うなどとすると)の当選本数を60倍や40倍に増やしたとすると、宝くじのシステムの崩壊の可能性すら考えなければならなくなるなっていくのではないでしょうか。
  したがってこの数字は、「決して自分はダイビングで死ぬようなことはない。重度の行為障害も負うはずがない」と考えることの危険性を示しています。また業者の方々にも、自らの客(講習生や一般ダイバーなど)がこのような損害を負うはずがないという考えの危険性を明確に示しています。

  さて、このページの目的ですが、そんな事故(軽度から重度まで)に遭ったときに、見ず知らずの皆さんを助けに来てくれる人々に感謝しようと呼びかけるものです。その人々とは、救急隊として駆けつけてくれる消防隊員、空と海から捜索してくれ、またヘリなどで緊急搬送をしてくれる海上保安庁の方々、同じく自衛隊の方々警察の方々、また行政ヘリの担当の方、捜索時にいち早く出動してくれる各地の水難救済会の方々、加えてボランティアで参加してくれるダイビング業者とダイバーの方々です。
  彼らの中にはこれを本来業務の一つとしている方々もいます。しかしたとえ仕事とはいえ、生死にかかわるという事態ですから、彼らも真剣に対応してくれています。彼らには感謝しすぎてもしすぎることはありません。
  
  そして忘れてはならないのは、ダイビング業界と関係がなく、そこから利益を受けていないにもかかわらず、結果的に、時に1回で数千万円にもなる捜索費用などを黙って負担してくれている納税者の方々です。この経費は、時に自殺者が出るほどの不景気の中、彼らが汗水たらして働いて得た収入から、いろいろな形態で徴収されている税金から出ていることを忘れてはなりません。

  毎年毎年、こういった方々に支えられていることを忘れずに、楽しんでいる我々の背後で、あるいはダイビングのビジネスで生活している人たちの背後で、黙ってリスクをカバーしてくれている彼らに、ダイビングにかかわる全ての人々が深い感謝の念を表明すべきではないかと思います。当然私もです。
  皆さんも、せめて心の中ででもいいので、彼らに対して深い感謝の念を常に持っていてください。  


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 平成17年3月17日
         4月18日一部追加