やがてやってくる津波の問題を考える


津波の問題は、ダイバーにとって個々の問題ではありません。ダイバー及びそれに関わる全ての産業の問題です。

つまりこれは、レクリエーショナルダイバーにとどまらず、漁業、工事、調査、救難、軍事、その他全てのダイバーと、その運営母体にとって重要な問題なのです。

したがってこの問題は、ダイビングに関係するすべての人々と組織によって対策が検討され、実行に移され、それでも生じる推定犠牲者数を出した上で、保険の問題や、捜索の問題も踏まえた、「何をどうやるか」の動きが必要だと思います。

しかしながら、ダイビングの世界では、震災後3年たっても、まだそういった大規模な動きは見られません。

それぞれの利害をどうするか、誰が上に立つか、あるいは中心になるかなどの調整が済んでいないのでしょうか・・・

私は2011年の震災年に東京のとある学会でこの調査報告や提言をしましたが、ダイビングにかかわるどこ組織も団体もこれを取り上げることなく、いわゆる「スルー」されてしまいました。そして一般メディアもです。

内容が考慮に値しないレベルでしかないという評価でしたら当然のことですが、ダイビングに関わる全ての人や組織がそう判断されたのか、まだ確信が持てていません。

しかし、スルーされた現実を、謙虚に受け止めて静かにしていることで自分の品位を保つより、やはり多くのダイバーたちや組織の知恵を集めて、被害を最小限にするべく、知恵を集めることが必要と思ってこのページを書いています。

先日、ウェブマガジンに、以前の学会報告を一般向けに再構成した文を発表しました。(ダイビング中に地震が起きたら?東日本大震災時、水中にいた作業ダイバーの証言)

何とか、津波の対策に、ダイビングをする人々と、関係する産業の総力を結集した取り組みが始まるよう、強く希望しています。


 平成26年4月17日
 

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