あらたな有罪判決の確定



今年に入って、ダイビング事故裁判で出された有罪判決が、つい最近確定しました

ダイビングの事故は尽きず、その際業者の責任が問われた有罪判決も多くなっています。今年また有罪判決が出ました。

この判決は、和歌山県串本町で2012年8月に起きた事故の刑事裁判のものでした。

当時、ダイビングの講習を受講中だった19歳の男性が死亡しました。事故の背景には悲しいほどの安全軽視がありました。

インストラクターは業務上過失致死罪で起訴され、2014年1月中旬に判決が申し渡され、それが確定しました。

判決を申し渡した裁判官は、被告が注意義務を怠ったと認定し、「安全確保に関する意識の緩みがあったことは否めない」などと述べ(報道による)、禁錮2年、執行猶予3年(求刑=禁錮2年)の有罪判決を言い渡しました。

この事例から忘れてならないことは、このような安全軽視の講習では、十分な安全意識を持つことができるようなダイバーが養成される可能性は低く、もしたまたま事故にならなければ、このような講習で養成されてダイバーとなってしまった人は、それ以後のダイビングで、自分や周りを事故に招く可能性が、まともな講習を受けた人よりずっと高くなっていただろうということです。つまり命に係わる欠陥商品をつかまされるということです。 よく言われる、技術未熟による事故ということでダイバー個人の自責とされている事故の背景には、こんなところも時にはあるのではと思います。

本来なら、このインストラクターにこれまで養成された全ダイバーに連絡をとって、どこが手抜きされたのかを徹底的に調べ、その部分を 、講習を行った側と、それが適切だと認定した側が無償で再講習を行うという対処が必要です。このようなことは、製品(ダイビングの場合は講習で習得させた結果)の欠陥が人命にかかわる物質製品では日常的に行われており、不自然ではありません。 物質商品の世界では、このような対応を直ちにとらないメーカーは社会的な非難を浴び、ときには訴訟の対象となっています。それが世界の常識に照らしてもまともなこと と言えます。
経済活動を行う上での法的平等という概念が正当であるならば、製造メーカーで行われていることと同様に、本日(2014-2-6)時点ではまだ聞いていませんが、ダイビングの役務提供者側と品質を保証した側から直ちにリコールを発表してそれを行うことが望まれます。

皆さんはいかが思いますか。


平成26年2月6日

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