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サラウンド音源の再生 小高@練馬

 

1.  360度平等、音の配置が自由、再生時の スピーカの数と配置 が自由 ( 録音時と異なる

スピーカ位置 の音を再現可 ) 等が特徴の サラウンド方式 である 山水QS方式 用の

パンポットエンコーダ の紹介。 (この場で、以前、同様の物を発表しましたが、音量変動や

歪みが可也大きかった為、暫く、開発を中断していました。 然し、新たに設計し直した所、

割合上手く動作した為、今回再度、発表しました)

2.  SACD等マルチ音源 を QSエンコード/デコード して サラウンド音源 の紹介。 (この場で、

以前、SACD等マルチの音と、それを QSエンコード/デコード した音の比較実験にて、差異

が発覚しない事が判明し、以降、( 2ch故、ハンドリングも良好、編集も容易である事もあり )

サラウンド音源試聴用の音源 は QSエンコード音源 としています) 

3.  サラウンド録音  と明示されていない ステレオCD の紹介。

(これらを 正しく再生する事 で (多くが感じている) 違和感 を 払拭 すると共に、当時の、

クリエータ達 の作品を 正しく理解 する事ができると思います)

 

◎60W(max) / 8Ωの 4 Channel Power Amplifier。(以前、発表したものです)

正面: http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/data/P1000812x.jpg

内部: http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/data/P1000810x.jpg

回路図: http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/data/amp-vu-4.0-4ch.pdf

 

◎QS/SQ Encoder。(以前、発表したものです)

正面: http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/test/Kyle/P1000905x.jpg

内部: http://www.hi-ho.ne.jp/odaka/quad/data/P1000882x.jpg

回路図: http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/test/Kyle/4ch-encoder.pdf

 

◎QS/SQ Decoder。(以前、発表したものです)

今回は、現在唯一入手可能な Involve社 の Surround Master を使いました。

   ( 尚、V2 は生産終了。 現在入手可能な機種は V3 です)

製品情報: https://involveaudio.com/product/surround-master-v2/

 

◎QS Pan-pot (Panoramic Potentiometer)。(今回試作した機材です)

   基板: http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/test/Kyle/P1000906x.jpg

   位相特性: http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/test/Kyle/panpot-phase.png

   回路図: http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/test/Kyle/panpot2-new.pdf

   動作: http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/test/Kyle/panpot.mp4

00:00 真正面 ← 真上 → 真後ろ

00:14 真左 ← 真上 → 真右

00:24 左前 ← 真上 → 右後ろ

00:34 右前 ← 真上 → 左後ろ

00:45 周囲回転

ここで、周知の通り CBS-Sony SQ方式 は、理論上、定位できるのは 周囲(壁際) のみ故、

前後間の音の移動、対角間の音の移動、(他、残響、等) は正しく伝送できず再現できません。 

Dolby方式 はそれに加え 左側/右側 も (通常のAV機器では) 再現不可 です)

 

今回、再生した音源は以下です。

 

Boulez の Firebird は特に サラウンド盤  とは表記されていませんが、SQ方式 で再生すると、

SACDマルチ と同様の 楽器配置 で再生される事で、 覆面SQ4ch である事が分かります。

QS音源 Boulez - Firebird (75) - 第1場 夜明け ( SACD : CDLX7377 )

SQ音源 Boulez - Firebird (75) - 第1場 夜明け ( CD : SRCR2655 ) 

 

SantanaV のSACDマルチ と SQ4chCD を SQ方式 にて再生したものを 比較しました。

然し、このアルバム、矢鱈音が移動します。(これまで聞いてきたサラウンド音源の中で最も音が移動…)

QS音源 Santana - SantanaV (71) – Batuka ( SACD : SICP10138 )

SQ音源 Santana - SantanaV (71) – Batuka ( CD : quad-001 )  SQサラウンドバイナル盤 を CD化 したものです。

 

Carpenters の Singles の SACDマルチ は、前方も後方も ほぼモノラル で 余り サラウンド ではありません。

  (マスターMTR音源 の 紛失/焼失 が原因? とも言われています)

QS音源 Carpenters – Singles (99) – Superstar (71) ( SACD : B0002996-36 )

 

Grover Washington Jr. の Soul Box は特に サラウンド盤 とは表記されていませんが、 SQ方式 で再生すると、

SACDマルチ と同様の 楽器配置 で再生される事で、 覆面SQ4ch である事が分かります。

QS 音源 Grover Washington Jr. - Soul Box (73) - Don't Explain ( SACD : CDSML8580 )

SQ 音源 Grover Washington Jr. - Soul Box (73) - Don't Explain ( CD : B0011957-02 )

 

Count Basie の QSサラウンドバイナル盤 で、演奏も サラウンドミックス も 中々良い と思います。

QS音源  Count Basie - Broadway Basie's...Way (66) - Everything's comming up roses ( LP : CQD-40004 )

 

Beach Boys も 覆面QS4ch の 可能性が高い様です。

QS 音源 The Beach Boys - Surf's Up (71) - 'Til I Die ( CD : 72435-25692-2-9 )

QS 音源 The Beach Boys - Keepin' The Summer Alive (80) - Some of Your Love ( CD : 72435-27948-2-9 )

尚、 Beach Boys でも Pet Sounds は サラウンド盤 と称するものがありますが、 擬似サラウンド なので、ご注意の事。

(然し、 クラッシック では、 他ジャンルに比して、可也多くの 擬似サラウンド がありますが、問題とならない様です)

 

Stanley Turrentine の タイトル が Pieces Of Dreams は 単なる ステレオ録音 なのですが、タイトル が

Don't Mess With Mr. T の CD の ボーナストラック の Pieces Of Dreams 等、5、6、7曲目 は SQ4ch録音 なので、

これも 覆面SQ4ch である事が分かります。

SQ音源  Stanley Turrentine - Don't Mess With Mr. T (01) - Pieces Of Dreams (74) ( CD : 5127922 )

  

Taeko Oonuki の ATTRACTION も サラウンドエフェクト され、 QS方式 で再生すると 良好なサラウンド効果 が得られます。

ST音源  Taeko Oonuki - ATTRACTION (99) - Cosmic Moon ( CD : TOCT24064 )

ST音源  Taeko Oonuki - ATTRACTION (99) - Cicada ( CD : TOCT24064 ) 鳴いている蝉 が移動するのは変なのですが。

 

余談

  モノラルやステレオで聞いていたアーチストの演奏を、コンサートで生で聞くと下手に聞こえるという事は良くあります。

  これは、モノラルやステレオでは団子になって、その人の演奏を注目しても分離して聞く事ができなかったのですが、

  生で聞くと、仮想音でなく実音で聞こえるので、その人だけの演奏が分離して明瞭に聞こえてしまう事が主な理由ですが、

  これと同様な事が (後方残響の録音でなく、分離して録音された)サラウンドでも起こり、前述したサラウンド音源の紹介

  の時でもみられましたので、好きなアーチストにがっかりしたくなければサラウンドは止めた方が良いのかも知れませんね。