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最新チャネルデバイダの紹介

 

今回の新チャネルデバイダは、18dB/octのバターワースとしました。

 正面:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/P1010322.pdf

 背面:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/P1010323.pdf

 中身:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/P1010325.pdf

 最新回路:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/div3.pdf

 

 最新回路は18dB/octバターワースの他に24dB/octリンクウイッツ等にも対応。

 パネルレタリングは印刷した紙にマイラーラミネートを施し貼り付けたものです。

 

因みに旧チャネルデバイダは、以下の24dB/octのリンクウイッツでした。

 正面:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/P1010328.pdf

 背面:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/P1010330.pdf

 中身:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/P1010327.pdf

 回路:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/ch-div.pdf

 

両者のフィルタの特性は以下の通りです。

 旧デバイダ(リンクウイッツ):http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/Linkwitz.pdf

 新デバイダ(バターワース):http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/Butterworth.pdf

  尚、双方共、低域はローブーストにて上昇処理されています。

 

  之まで、3D専用12dB/octバターワース、3D/2Way用12dB/octバターワース、3D/2way用

  ローブースト付18dB/octバターワース、3way用ローブースト付24dB/octリンクウイッツ、

  サラウンド用バターワースローブースタ、サラウンド用18dB/octバターワースバス分配器、

  そして今回の、4way用ローブースト付18dB/octバターワース、等を製作しましたが、

 

  上記の特性の如く、18dB/octバターワースは24dB/octリンクウイッツより肩特性が優れており、

  素子も少なく設定も容易、そして、減衰特性も -20dB位 までは互角です。

   更に、18dB/octのリンクウイッツは、クロスオーバ周波数では正相/逆相関係故に、

   位相切り替えにて逆位相側は全く利用不可能です。然し、18dB/octのバターワースは、

   +/-90度関係なので、何れの位相でも大きな問題は生じず、良好な方の位相を選ぶ事

   も可能で、(後述する欠点が問題とならなければ)実用的な回路だと言われています。

 

  然し、バターワースやリンクウイッツ等は合成特性が1の(フラットな)ネットワークですが、

  それが成立するのは2ウェイのみで、3ウェイ以上では、他のクロスオーバの影響を受け、

  フラットではなくなります。

   此処で、バターワースとリンクウイッツのフラットさを比較すると、クロスオーバ周波数が

   10倍以上離れている場合は、両者共良好で、その差は少ないのですが、5倍程度しか

   離れていない場合は、バターワースでは、フラットさの悪化が顕著になります。

     従って、3ウェイ迄ならバターワースでもリンクウイッツでも問題は少ないのですが、

     4ウェイ以上になると、バターワースでは個々の帯域に於いて考慮が必要となります。

    尚、リンクウイッツでもバターワースでも、レベル、位相、クロスオーバ周波数に

    補正を加える事で、ある程度はフラットにさせる事ができます。

    (バターワースは若干補正に手間取りますが…。因みにディジタルでは可也困難…)

     両者の計算通りの特性とそれを補正してフラットに近付けた特性は以下です。

    補正効果:http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/hosei.pdf

     (フラットにする為、バターワースはミッドバスとツイータを逆相にしています)

     

 

補足

 ローブーストの特性は以下の通りです。

 http://www.sky.hi-ho.ne.jp/odaka2/divider/low-boost2.pdf

 

  所で、密閉型でない形式のものは、空振り/逆相相殺にて原理的に低音再生が困難故、

  導入に於いて十分な考慮が必要です。特に、共振/共鳴で低音を生成している方式は、

  その共振音が強調される傾向故、音質劣化を招く可能性が大きいので要注意です。

   然し、密閉型であったとしても、市販品では容積が小さめだったり、Qが高めだったりで、

   Fo共振に依る強調感が顕著となり、ローブーストに不向きなものが多い様です。

 

 そして、最後に老婆心乍、ローブーストは肌では感ずるが、耳では聞こえない音(超音波)

 をも再生する環境を目指す仕組み故、低音の認識が困難なヘッドフォンやイヤフォンでは

 その音に気付かず健康被害(難聴)を招く危険がある事をお忘れ無く…。