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小型3ウェイスピーカの製作 小高@練馬
これまで、廉価に簡単に高音質が得られると言う事で、3ウェイシステムは
ホーン型ユニットで構築していました。
然し、今回始めて、小型化を優先しホーン型ユニットを使わないシステムに
挑戦してみました。
今回の資料です。
使用したユニットは、
トゥィータ:Dyton AMT
mini-8、88dB/W
スコーカ:Parc Audio DCU-F081PP、83dB/W 1.5L
密閉
ウーファ:SB
Acoustics SB13PFC25-04、89dB/W 23L バスレフ
ネットワーク回路は以下の手順で、回路シミュレータ上で、実ユニット入手前に設計しました。
トゥィータはメーカ公表インピーダンスカーブから(ハイルドライバ故に)インピーダンスは
ほぼ一定なので、等価回路は 定抵抗 となりました。
スコーカ、ウーファのインピーダンスカーブは、メーカの仕様書を参考にスピーカ設計ツール
(Sped等) を利用し、箱に入れた時上昇する fo’を算出します。
そして、その fo’の所に、メーカ公表インピーダンスカーブの
fo 部分を平行移動して、
シミュレーション用のインピーダンスカーブとしました。
そして、上記で求められたインピーダンスカーブに対応する近似等価回路を回路シミュレータ
にて決定しました。
(繰り返し計算し回路定数を追い込みましたが手間が掛かるので、
収束近似計算させるプログラムを組んだ方が良いかも知れません)
次に、上記で決定したユニットの等価回路を用いて、
目的のフィルタ特性(及び、加算した時にフラット)となる様に、最適なインピーダンス補正回路と
LCフィルタ回路、減衰回路を回路シミュレータにて決定しました。
(これも繰り返し計算し回路定数を追い込みましたが手間が掛かるので、
収束近似計算させるプログラムを組んだ方が良いかも知れません)
追伸
但し、完成しての総合F特実測結果から、
100Hz〜200Hz 辺りの乱れ(ダクト音漏れ要因)
2kHz 近辺のディップ(エッジ共振要因)
10kHz〜15kHz の上昇(コーン共振要因)
が顕著で、これに依り音質劣化を招いており、
ダクト位置形状変更、吸音材調整やスコーカユニット見直し
等の対策が必要であるという事を確認しました。
フルレンジではその個性(音質劣化)が売りで、その事は単体では致命的でない事が多いのですが、
2ウェイ/3ウェイシステムでは、
ネットワーク経由でダンピング劣化→共振(個性)増大。
共振(個性)がフィルタで切れず、ユニット間で干渉/妨害。
となり、今回、現段階ではそれが致命傷となっていると思われます。
(本来はクリアな音が得られる筈なのですが…)
但し、改善した所で、音質は B&W レベル止まりでしょうから、過度な期待は禁物かも知れませんが…。