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トールボーイ型スピーカ               小高@練馬

 

近年、共鳴/共振を利用したスピーカが主流ですが、敢えて、

スピーカの基本とも言える(低域に強調感や違和感が少ない)

密閉方式を見直す意味で(8年程前に製作したシステムですが)

今回、皆さんに聞いて頂きました。

 

経緯としては、当時サラウンドシステムは前後スピーカ共に

38cmの3wayスピーカシステムとして、一応構築済みでしたが、

前後スピーカシステムの容積や使用ユニット、設置高さが異なり、

且つ、配置も正方形とは言い難く、正しく原音/音場を再現できる

環境ではありませんでした。

そこで、4台共、同じ形状、特性、高さ、且つ、コーナー設置に

唯一対応できる形式という事で、新たにトールボーイ型を製作し、

上記の解決を試みました。

結果、F特も平坦、且つ、(サブウーファの必要性も感じない程)

低域も不足なく、分離も改善され、これに依り、サラウンド音源を

正しく評価できる様になりました。

然し、平坦なF特が即リアルさや透明感に結び付く訳でもなく、

(今回もその例に漏れず、特筆すべき点は無く)音質に関しては、

強いて言えば市販製品並みかと思います。

但し、低音に関しては、適度な口径とQ、十分な容積が功を奏し、

(密閉型の特権でもあるローブースト補正も容易に実施可能な)

素直な低域のF特が得られました。

実際は、コーナバッフル効果で、低域が増強(強調)される為、

ローブースト補正は殆ど必要ありませんでした。

 

所で、バッフル効果(或いは、コーナホーン効果)を利用した

システムは、D1004、パラゴン、ハーツフィールド、オートグラフ、

バイタボックス、クリプッシュ、等々、モノラル時代から少なからず

存在はしていましたが、生活空間にそぐわない形状も災いし、

これまで、普及する事はありませんでした。

然し、サラウンド時代に於いて、設置環境の制約と音場再現の

要求から、コーナへの設置の必要性(或いは、必然性)が高まり、

その条件に最適なトールボーイ型の優位性も再評価され、それが

今回の試聴会に繋がり、今回、日の目を見ることになった訳で、

“古の技術の大復活” と言っても過言ではない様に思います。

 

当日の配布資料です。(ユーチューブ

 

エンクロージャの板厚は12mmですが、9mmで十分でした。

(但し、共鳴構造故、吸音材必須で、ウレタンぎっしり)

トゥィータの Dyton ND20FB-4 は当時 @1100 程度。

ウーファの Wavecor WF118WA01 は当時 @4700 程度。

 

当日の音源は以下です。

 

1 - Stan Gets - The Girl from Ipanema (SACD)

(314 589 595-2)

2 - Phil Broadhurst - Peri's Scope (CDMANU3157)

3 - Kenny Barron Trio - Fragile (RSR CD 121)

4 - Oscar Peterson Trio - You Look Good To Me

(V6-8606)

5 - Art Pepper - You'd Be So Nice To Come Home To

(CCD-7532-2)

6 - Stephane Grappelli & Michel Petrucciani

- I Remember April (VACR-2002)

7 - Eiji Oue_Minnesota Orchestra – Mussorgsky

Pictures At An Exhibition - The Hut Of Baba Yaga

(RR-79CD)

8 - Eugene Ormandy - Saint Saens

Symphony #3. Poco Adagio (SRCR 1627)