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復讐(概要)

..シーン1.港(冒頭のシーン)

 少年のような少女が大きく手を振って救急車を先導する。
 「こっちです!」
 救急隊員がその声を聞いて「女だよ」と不謹慎に笑う。
 遅れて二人の刑事が駆けつけるがその顔色は悪い。使われた拳銃は退職間近の刑事、中井が奪われた物だった。
 刑事二人もその少女に驚く。
 少女は、内村がまだ生きているかも知れないと言う。

 ここからストーリーは過去に転ずる。


..シーン2.オフィスビルでの惨劇

 婚約者である加奈子の父に会いに、加奈子といっしょにビルを訪ねる内村。
 加奈子の父は内村の上司でもあった。
 エレベーターの扉が開いたその瞬間、父の部屋の前に不審な男がいた。手にサイレンサー付きの拳銃を持っている。今、父を殺したばかりの殺し屋だった。
 「あなた、だれですか」
 身を乗り出した加奈子は、いきなり銃で撃たれ、血を吹き出しながらエレベーターの中へはじき戻された。殺し屋は内村も殺害しようと近づいてくる。加奈子の足がはさまって、エレベーターは閉まらない。
 殺し屋は隅に隠れた内村の頭に正確に狙いを定める。しかし玉切れだった。
 咄嗟に内村は加奈子の死体を引きずり込む。弾を込める殺し屋は格闘になるのを恐れて遠巻きにしている。扉が閉まる。
 「ちっ」
 エレベーターは上へ上がる。暗殺者は逃亡を優先し、下へ下りた。
 屋上まで上がったエレベーター。扉が開くと掃除婦のおばさんが悲鳴を上げる。加奈子の手が死後硬直で内村を掴んで離さない。同じ頃、父の手にしたグラスも割れた。


..シーン3.取り調べ

 色々と取り調べを受ける内村。しかし多くを語ろうとしない。
 「まあ、話したくなったら呼んでください」
 刑事達が席を外し、一人になった取調室で内村は小さな声でつぶやいた。
 「犯人は……犯人は俺が……俺が殺す!」


..シーン4.レストラン

 内村が刑事達を呼び出す。先日とは打って変わって協力的に証言する。
 若い刑事がトイレへいった隙に老刑事を襲って拳銃を奪う。
 「お客さん、店内でケンカはやめて……」


..シーン5.豪邸

 加奈子の父へ殺し屋を差し向けた人物を追及。そしてライバル会社の役員であることが判明。その豪邸に忍び込む。
 その役員を脅して殺し屋を呼び出させる。内村は役員を銃で撃ち殺す。
 次のターゲットは殺し屋。しかし相手は身が軽く、内村のワナを切り抜ける。追う内村。しかし立場が逆転し、いつの間にか暗殺者に追われる羽目に。


..シーン6.電車

 刑事の捜査にも引っかかる。駅のホームで内村は立ち往生。電車に飛び乗る。
 殺し屋も内村を追っていた。この電車に飛び乗る。
 殺し屋の追跡に、内村はどんどん後部車両へ逃げる。
 逃げ切れないと思って窓から外へ出て手すりにしがみつく。殺し屋が内村の頭部を狙う。
 万事窮した内村は電車から飛び降りる。しかしそこは鉄橋の上。左足を鉄橋にぶつけ、クルクル回転しながら川へ落ちる内村。


..シーン7.下町

 疲労困憊の内村と少女が出会う。内村はその少年のような少女に驚く。
 すぐに殺し屋もそこへ辿り着く。
 「おい小僧、ずぶぬれになった男を見かけなかったか」
 「知らねーよ」
 「けっ」
 少女は内村を助けた。


..シーン8.協力

 孤児という同じ境遇の少女の介護もあって回復した内村。
 再び殺し屋を誘い出す。
 その少女とタッグを組んで殺し屋を倉庫に追いつめる。
 「やっと追いつめた。この時を待っていた」
 狙いを定めた内村の手にはポリススペシャル。
 しかし相手はプロ。内村は逆に頭を撃ち抜かれてしまう。
 悲鳴を上げる少女。暗殺者に見つかってしまう。
 「お前、女か? それにお前は……あの時のガキか」
 残された少女は殺し屋にもてあそばれる。
 殺し屋は銃を手に構え、彼女を脅しながら足で胸を探る。ニヤニヤする殺し屋。そしてその足は彼女の股間へと……
 「へっへっへ」
 その時、暗殺者は背後に機械的な音を感じ振り返る。
 「!」
 内村のポリススペシャルが火を噴いた。
 死後硬直が引き金を引いたのだった。


..シーン9.再び港

 少女が内村の死体を搬送する救急車を追いかける。
 相変わらず「内村さんが死んじゃう」と叫んでいる。

                        The End

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