とよたま愛読会124回
    
霊主体従 4巻 29章 〜 50」   
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              記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成19年01月28(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
      連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
物 語   霊主体従 4巻(卯の巻) 第29章:月雪花 〜 第50章:神示の宇宙 その五

★ 報告
 梅花の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。
今回私・望月は残念ながら風邪のため参加できず、お会いできませんでしたが、大高さんは「光の道」よりのご参加いただいたとのことです。ありがとうございました。またお気軽においでいただければと思います。

 物語は、ようやく激動の第四巻が終了しました。
常世会議の妨害に活躍した大道別、鬼武彦らが逆に天則違反の罪を問われて罰を受けるという、衝撃的な展開から第五篇が始まります。
しかしこの事件の後、国祖大神の仁慈に打たれた常世彦・常世姫は、真の善神に立ち返りました。常世彦・常世姫はこのあと、亡くなるまで神政のために尽くすことになります。
天使長となった桃上彦が神政を乱して追放され、常世彦が天使長となったあと、八頭八尾の大蛇らの邪霊は、常世彦・常世姫夫婦の子供たちに狙いを定めます。

長男・高月彦、長女・初花姫らに偽者が現れ、その心労で常世彦は世を去ってしまいます。偽者は真澄の鏡で邪霊の正体を暴かれますが、常世姫は事件のショックで世を去ってしまいました。
後に残された高月彦、初花姫に邪霊が取り憑いてしまいます。高月彦は常世彦、初花姫は常世姫と改名し、国祖を隠退に追い込むことになってしまいました。

地上神界の発足以来、重要な役割を占めてきた神々がすべて隠退、追放されることになりますが、隠退・追放後の神々の消息は同時に、各神のご神格の理解の重要な手引きとなっています。注意深く読み解く必要があると思います。

第九篇は、国祖ご隠退の位置を示す、という名目で「神示の宇宙」が示されます。
今回読んでみますと、神示の宇宙で説明される小宇宙は、「天文学者の言う太陽系天体」とはっきりおっしゃられています。そうであれば、そのとおりであると受け取る必要があると思います。

単なる物理的天体としてではなく、呼吸し活気あふれる実体としての太陽、太陰、大地の説明を読みますと、これは霊・力・体すべての側面を一度に写し取った宇宙観なのではないか、という印象を受けました。
つまり、物理学的な宇宙観が主として体のみを考慮したものであるとしますと、神示の宇宙とは必ずしも相反するものではなく、人間の認識が進んで行けば、真の宇宙間に包含されるものとして説明できるようになるのではないか、という思いを抱いた次第です。

 

★ 拝読箇所で気のついたこと
霊主体従 卯の巻
第五篇 局面一転
第29章 月雪花(179)

* 聖地を預かる桃上彦は、常世会議の間もエルサレムで鬱々として日々を過ごしていた。

* ある夜、庭園から呼ぶ声に引かれて外に出ると、えもいわれぬ美しい女性が桃上彦を招いていた。

* そして、自分は聖地の生まれだが、今は常世の国にて神政を補佐しているのだ、と明かし、行成彦らが常世会議で傍若無人の振る舞いをなし、聖地の権威を失墜させている、と取り入ってきた。

* 桃上彦は女性と何事かを打ち合わせて戸口で袂を分かった。

第30章 七面鳥(180)
* 桃上彦は部下の八十猛彦、百猛彦に命じて、広宗彦に、行成彦が常世城で天則違反の行いをなしている、と吹き込もうとした。

* そして、詳細を国祖に奏上するべく今まさに常世姫が来場した、と言い、広宗彦は突然のことに混乱してしまった。

* 常世姫は聖城に入り来たり、広宗彦に向かって行成彦の悪行を猛烈に非難した。あまりのことに広宗彦が驚いているところへ、行成彦帰城の知らせがやって来た。

* 今度は逆に、桃上彦と常世姫が青くなってしまった。

第31章 傘屋の丁稚(181)
* 桃上彦はとっさに部下に命じて行成彦一行の出迎えをさせた。

* 行成彦はまず兄である天使長・広宗彦に目通りしたいと申し出たが、八十猛彦、百猛彦は広宗彦は国祖と会談中である、と言って二人が会うのを妨げた。

* 一方、桃上彦と常世姫は、広宗彦を強いてともに国祖の前に参上させた。そして常世姫は涙ながらに、行成彦の暴虐をでっちあげて並べ立てた。

* 国祖は顔色にわかに一変してお怒りの様子を表し、一言も発せずに奥の間に入ってしまった。

* 行成彦らが常世会議で平和統一の成功をおさめ、各地の八王や、八王大神に扮した大道別らとともに凱旋したのを、桃上彦はねたんで国祖に讒言したのであった。

* 行成彦はようやく兄・広宗彦に会談し、常世会議の様と、大道別や白狐の活躍を意気揚々と報告した。そして、皆が大道別を本物の八王大神と信じている間に、大道別の口を借りて八王大神を引退せしめよう、との策略を持ちかけた。

* すると何物かが足早にやってくる足音が廊下から聞こえてきた。

第32章 免れぬ道(182)
* 入ってきたのは桃上彦であった。桃上彦は、国祖が事足姫、広宗彦、行成彦ら竜宮城の重臣一族を呼んでいる、と伝えた。

* 三人が国祖のもとに参向すると、国祖の横には本物の八王大神、常世姫が控えていた。国祖は厳かに大道別をつれてくるように、と告げた。

* 国祖は行成彦・大道別の活躍の労を謝しながらも、偽るべからずの天則違反を指摘し、律法のためにあたら忠臣を処罰しなければならないことを嘆いた。

* 大道別は何も言わずに国祖に一礼すると、竜宮海に身を投げてしまった。

* その和魂、幸魂は海神となった。国祖はこれに琴比良別神と名を与え、永遠に海上を守らせた。

* 荒魂、奇魂には日の出と名づけ、地上の守護とした。琴比良別神、日の出の神は、五六七神政成就の地盤であり太柱となる活躍をする因縁である。

* 広宗彦、行成彦らは職を辞し、弟の桃上彦に天使長の職を譲ることになった。

* 大江山の鬼武彦は国祖に対し、何ゆえ功あった行成彦らを退職させたのでしょうか、と恐る恐る尋ねた。

* 国祖はただ、汝らの心に尋ねよ、とだけ答えた。この返答に鬼武彦はやや色をなし、我々をはじめ行成彦一同らは、国祖の命に従って忠実に行動しただけである、と恐れ気もなく奏上した。

* 国祖は驚愕し、八王大神はいやらしい笑いを浮かべた。その意味は果たして何であろうか。


第六篇 宇宙大道
第33章 至仁至愛(183)

* 聖地にて、桃上彦の就任を祝い、広宗彦・行成彦退職を慰労する宴会が開かれた。常世姫、八王大神常世彦、大鷹別、各地各山の八王らがこの宴に居並んだ。

* 桃上彦は簡単に新任の挨拶を述べた。一方広宗彦と行成彦は沈痛な面持ちで退職の辞を述べた。

* そこへ奥殿より国祖自ら宴の席に出で来たり、広宗彦以下の今回の処遇について、天地の律法に基づく処置とは言え、熱鉄を呑む心地であることを一同に明かした。

* 国祖は続けて、神の愛は宇宙一切万有を美しい神国に安住させ、勇んで神界経綸のために奉仕させようと、日夜苦心している、万有一切に対して至仁至愛の真心をもって臨み、忍耐に忍耐を重ねて神人の資格を保持するように、と諭した。

* 国祖は上座のとばりを捲くり上げ、一同に真澄の大鏡を見せた。神々はその威厳に打たれて思わず平身低頭したが、鏡面を拝すると、そこにはこれまで悪行の果てに滅びた邪神たちが、再び肉体を得てまめまめしく国祖に仕えている様が見て取れた。

* また、国祖は自らの後頭部を示した。それは毛髪を抜かれて痛々しく血が流れ、無残にただれていたのである。

* 一同の神々は大神の慈愛に涙し、ただ一柱も面を上げる者はなかった。

* 悪神が天則違反により身を滅ぼしたとき、国祖はそのあがないとして、自らの毛髪を抜いて救いとしていたのである。かつて教祖が頭髪を罪深い信者の守りとして与えたのも、この国祖の行いにならったものであった。

第34章 紫陽花(184)
* 大神は厳然として正座になおると、桃上彦を天使長と任じ、その部下たちを補佐に任じた。また、常世姫を竜宮城の主管とし、八王大神常世彦は常世の国で神業に奉仕することと定めた。

* 桃上彦兄たちと心を照らし合い改め、常世彦、常世姫、大自在天の部下ら悪神たちも、このときばかりは前非を悔い、大神のために力を尽くすことを誓ったのである。

* 鬼武彦、高倉、旭らの白狐は聖地を離れて各地を放浪し、猛り狂う邪神たちを言向け和した。春日姫、八島姫は聖地の常世姫の侍女としてとどまった。

* 常世姫管掌のもと、竜宮城はよく治まり、平和の一大御世が現出した。しかし時が移るにしたがって桃上彦は放埓の気が生じ、ついには八王大神らの信任を失って混乱を招くに至るのである。

* 桃上彦は事足姫が天則を破って後添えを向かえて生まれた子である。父母の精神行動はその子に及ぶのである。これをもって親たるものは、至誠善道を行うように心がけるべきなのである。

第35章 頭上の冷水(185)
* 聖地エルサレムは桃上彦の放埓によって、再び混乱紛糾の有様となった。各地の八王は常世城に集まり、聖地回復の策を練っていた。

* そこへ常世姫からの使臣がやってきて、聖地の惨状をつぶさに伝えた。善神に立ち返っていた常世彦も、このとき一種の不安を感じて天を仰いで嘆いた。

* この虚を狙って八王八頭の大蛇の霊は八王大神にささやきかけた。曰く、なぜ聖地にはせ参じて自ら実権を握り、立て直そうとしないのか、と。また、大国治立命と名乗る声が、八王の協力を得て聖地に行くようにと八王大神を促した。

* 八王大神は広間に戻ると、八王たちに聖地に乗り込む決心を伝えた。八王たちは正邪を審理するの分別なく、ただただ聖地の窮状を思うあまり、一も二も無く賛成してしまった。

* 八王大神と八王たちは大挙して聖地におしよせた。桃上彦は驚いて神々に号令したが、八王大神の勢いにほとんどの神々は肝をつぶして八王大神側についてしまった。

* 桃上彦は国祖のもとに参向してこの事態を訴えたが、国祖は事ここに至った原因は桃上彦の律法違反の放縦にあると厳しく責めた。そしてただちに職を退いて罪を天地に謝するようにと宣言した。

* 常世姫は桃上彦のところにやってきて、聖地の窮状を救うために八王大神が来たことを告げ、天使長として国祖に取り次ぐようにと命じた。

* 桃上彦はおそるおそる国祖のもとに参向したが、国祖に一喝されてすごすごと自分の館に退いた。

第36章 天地開明(186)
* 桃上彦は辞任の意を常世姫に伝えた。常世姫は内心喜びつつ桃上彦の辞表を受け取った。

* ここに聖地は四分五裂の惨状を呈した。この危急に各地の八王、竜神たちをはじめ神々が聖地にはせ参じた。八王大神常世彦、大自在天も聖地の存亡を憂うあまり、敵味方の心情を忘れて聖地に参画したのである。

* もとはみな、国祖を大神といただく神々であるから、その天性に立ち返ればたちまち至善至美の徳を発揮するのである。

* しかしそうした神代の神人らも、ふとした隙に邪神に魅入られてしまうと、たちまち行動一変し御魂も変化してしまうのである。

* ここで六面八臂の邪鬼とは、さまざまな姿かたちに変化し、さまざまな技巧・技能に通じた邪神のことを言うのである。

* また金毛九尾白面の悪狐とは、美しい女性の姿と威厳ある金色によって諸神を驚惑する所業をいう。また九尾とは完全無欠を意味している。魔術に長じていることを指す。

* 八頭八尾の大蛇は、自分の分霊を各地に配って千変万化の悪事をなす竜神、という意味である。

* 蛇足ながら、悪神の三種類について述べたまでである。

第37章 時節到来(187)
* 統率者を失ったエルサレムに神々が集まり、次の天使長を八王大神・常世彦と定めた。国祖もこの決定を是とした。

* 常世彦は地上神界を統率する役職に就き、常世彦命と名を賜った。

* これまでさまざまな策謀や戦争によって天使長の座を狙ってそのたびに失敗を重ねてきた八王大神・常世彦であったが、いまや至誠によって自然と大神の信任を受け、諸神に推されてこの地位にまで上ることができたのである。

第38章 隙行く駒(188)
* 万寿山に蟄居していた大八洲彦命一行、またエデンの園に謹慎していた高照姫命一行らは許されて、奥殿に国祖の側近く仕えることになった。しかし神政に対しては、なんらの権限も与えられなかった。

* 一度神政を離れて国祖のもとで神務のみに仕えることになったら、容易には再び神政を司ることができないという厳格な不文律がある。

* これら神務に使える神人らは、国祖御隠退の後もさまざまに身魂を変じ、神界に隠れて五六七神政を待ちつつ活動しているのである。

* 八王大神・常世彦命を天使長に戴いた聖地は、これまでに無いほど神人らが参集して賑わった。

* しかし就任の祝いが終わると神人らはそれぞれ世界中に散って行き、閑散となった聖地の隙を突いて、八頭八尾の大蛇の霊が忍び込んだ。

* 時が経ち、常世姫は突然梅を好んで食するようになり、そのうちに身篭って男子を産んだ。またその後に女子をもうけた。常世彦・常世姫夫婦は男子を高月彦、女子を初花姫と命名して慈しんだ。

* あるとき常世彦命が高月彦を乗せて竜宮海に舟遊びをしていたとき、八頭八尾の大蛇の霊が海底から現れて、高月彦と瓜二つに化けてしまった。これより常世彦の館には、二人の高月彦が寝起きすることになった。

* また常世姫が橄欖山に遊んだ際、イチジクを食べてにわかに身篭り、女子を産んだ。これを五月姫と名づけたが、五月姫は長じて初花姫と背格好からまったく瓜二つに成長し、常世姫も区別がつかないほどになった。

* 果たして二人の高月彦、初花姫、五月姫らは何神の化身であろうか。


第七篇 因果応報
第39章 常世の暗(189)

* 高月彦は長じて徳を発揮し、父の常世彦命を助けて善政を敷いたが、悪魔は絶えず身魂をつけねらっている。

* 舟遊びの際に八頭八尾の大蛇は高月彦と変化して現われた。父の常世彦命もどちらが本物を区別することができなかった。そこでやむをえず、一人は邪霊の化身と知りながら、両者を立てざるを得なくなっていた。

* 常世彦命はこのことに心を痛め、過去の悪事を懺悔し、国祖の仁慈を感謝しつつ帰幽してしまった。

* 神々らは後任の天使長に高月彦を望んだが、二人の高月彦が現れて、諸神人らは真偽の判別に苦しんだ。

* 本物の高月彦は、妹五月姫の策を用い、父から守り袋と称する袋を取り出して、本物の証とした。偽高月彦の大蛇の霊は思わぬ展開に狼狽して、高月彦に襲い掛かったが、これを神言によって撃退した。

* しかしこのような策略を用いることは、神人としてはもっとも慎むべきことである。高月彦は直後に悪寒に襲われて倒れてしまうが、これはいったんは逃げ出した八頭八尾の大蛇の霊が間髪を入れずに戻り、今度は高月彦に憑依してしまったのであった。

第40章 照魔鏡(190)
* 高月彦は天使長の職に就いた。その祝宴のさなか、常世姫は夫に死に別れた悲しみから、自ら竜宮城の主宰を辞して、長女・初花姫にその役を譲ることを望み、神人らに承認された。

* しかし初花姫が登壇すると、五月姫も傍らに登って互いに姉妹の座を争い始めた。常世姫でさえ、どちらがどちらかわからなくなってしまった。

* 宮比彦は国祖の審判を仰ごうと奥殿に参向したが、大八洲彦命に「このような妖怪変化を見破ることもできないのか」とたしなめられた。

* 大八洲彦命の言に恥じた宮比彦は天の真奈井に禊して、国祖の奇魂を宿すにいたった。大広間に戻った宮比彦は鎮魂の組み手から霊光を発射すると、五月姫は金毛九尾白面の悪狐の正体をあらわし、逃げてしまった。

* 常世姫は悪狐が自分の体を借りて生まれ出たことに衝撃を受け、病を発して昇天してしまった。

* 一方初花姫は今までと変わって険しい顔立ちになってしまった。神人らは竜宮城主宰という重責に緊張しているのだろう、と思っていたが、これは金毛九尾白面の悪狐が初花姫に懸かってしまったのである。

第41章 悪盛勝天(191)

* 高月彦は常世彦と改名し、初花姫は常世姫と改名した。両者ともに最初は善政を敷いていたが、憑依した邪霊の働きにより、次第に体主霊従の行為をなすようになってしまった。

* 天使長と竜宮城主宰を篭絡した邪霊は、身魂を分かって各八王に憑依した。常世彦は八王たちの協力を得て、天使長の職を廃して八王大神の職名を置くよう、運動を始めた。

* 大神の神号は、常世彦の野心を表していた。しかし大八洲彦命、高照姫命の進言により、国祖は八王大神の職名を許さなかった。

* 常世彦はこれより、国祖、大八洲彦命らに対して反抗の念を募らせた。

第42章 無道の極(192)

* 常世彦は巧言令色によって神人らを感服させつつ、八王八頭の神人らをほとんど自分の臣下のように従えてしまった。これにより諸神人らは、国祖大神を軽んずるようになってしまった。

* 国祖は常世彦の勢いがすさまじいことを察し、やむを得ず八王大神の称号を許した。各地の神々らは、常世彦の八王大神襲名を祝って駆けつけた。

* 常世彦は以降、常世城に奉戴していた盤古大神塩長彦を国祖に取って変えて、自分が地上神界の実権を握ろうと画策するようになってしまった。

* 常世彦は諸神人らを集めて、国祖と神務に奉仕する神々らを隠退させようとはかり、数を頼んで奥殿に参入した。そしてまず、神務に奉仕する神々らを根の国に追放するよう、国祖に勧告した。

* 国祖はただ何も言わずに奥殿深く姿を隠してしまった。
 

第八篇 天上会議
第43章 勧告使(193)

* 常世彦は諸神人を常世城に集め、盤古大神を国祖に代えて奉戴しようと会議を開いた。大自在天も常世彦に味方し、諸神は国祖を悪神と貶め、神務に奉仕する大八洲彦命らをも根底の国に追放すべきだ、と一致した。

* このときの常世会議は少しも紛糾せず、反国祖で一致した。そして美山彦、国照姫が国祖への勧告使となって聖地に出発した。

* その後を追って、常世彦は八百万の神々を率い、堂々と聖地に上ることになった。

第44章 虎の威(194)
* 常世彦と大国彦の権勢を嵩に着た美山彦、国照姫は聖地で国祖の前に出て、まず大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦を根底の国に追放するように、と迫った。

* 国祖は八王大神の意見を尊重し、涙ながらに四神を夜見の国なる月界に追放した。四神は四魂合同して国大立命となり、また月の大神の精霊に感じてふたたび地上に降り、千辛万苦の末、五六七神政の基礎的活動を開始することになる。

* 次に高照姫命、真澄姫、言霊姫、竜世姫らは大地の底深く、地汐の世界に追放された。そして地汐の精霊に感じて大地中の守護神となり、四魂合同して金勝要之神となった。時を得て地表の世界に出現し、五六七神政の基礎的神業に尽力されつつ、太古から現代に至るまで、神界にあって活動を続けている。

* しかしながら、悪神たちの中にこの神業を知る者は、一柱もなかった。

* さて、美山彦と国照姫は最後に、国祖ご自身の隠退を勧告するはずであったが、さすがに大神の威徳に打たれて、その後は何も言わずに引き下がった。

* 常世彦は美山彦と国照姫が肝心の国祖の御引退を進言しなかったことに怒り、蟄居を命じた。

第45章 あヽ大変(195)

* 常世彦は天上の日の大神、月の大神、広目大神に、国祖が頑強にして、地上神界の主宰者として不適任であることを奏上した。

* 天の大神たちは、自分の祖神である国祖の身の上を慮り、神政をいったん緩和して神々の心を和めようとした。

* しかし国祖を動かすことができなかったので、国祖の妻神である豊国姫命を招き、国祖に諫言してもらうよう説得をした。豊国姫命は命を受けて国祖に柔軟な神政を敷くことを説いたが、国祖は天地の律法は神聖犯すべからずとして、聞き入れなかった。

* ついに常世彦は、父親の常世彦が開催した最初の常世会議の際に、国祖が権謀術数を尽くして妨害工作をしたことを持ち出し、天の大神に国祖を律法違反で追放するよう奏上した。

* 天の三体の大神はついに聖地に降り、根底の国へご退隠すべきことを、涙を呑みつつ伝えられた。三体の大神の心情を察した国祖は、自ら退隠の意を表するに至った。

* 国祖はただちに幽界に降り、幽政を司ることとなった。しかしその精霊は地上神界の聖地から東北の方角にあたる、七五三垣の秀妻国にとどめた。諸神人は国祖の精霊を封じるために、七五三縄を張り巡らした。

* 豊国姫命は夫神の隠退にともない、みずから聖地の西南にあたる島国に隠退し、隠れて神界を守護することとなった。

* これが、艮の金神、坤の金神の名の始まりである。

* 天地の律法を国祖とともに制定した天道別命、天真道彦命も八王大神に弾劾され、天使の職を退いた。二神は世界の各地を遍歴し、身を変じて五六七神政の再建を待つこととなった。

* 国祖大神以下の神々がご退隠した地点を明示するために、神示の宇宙を述べることとする。
 

第九篇 宇宙真相
第46章 神示の宇宙 その一(196)

* 天文学者の言う、肉眼で見ることができる太陽系天体を、「小宇宙」という。

* 宇宙全体を「大宇宙」といい、大宇宙には小宇宙のような小さな天体系が、五十六億七千万存在する、と神示にいう。

* 小宇宙の霊界を修理固成した神を国常立命という。大宇宙を総轄する神を、大六合常立尊、また天之御中主大神と称える。

* 小宇宙は大空と大地に分かれている。大空には太陽、もろもろの星が配置され、大空と大地の中間、中空には、太陰および北極星、北斗星、三ツ星等が配置されている。大空の星は、自ら光るものも、光を持たない暗星もあるが、すべて球竿状をなしている。

* 大地には地球、地汐、地星が、地底の各諸に散布されている。

* 大地の氷山の最高部と、大空の最濃厚部は密着している。大空は清く軽く、大地は濁って重い。

* 大空の中心には太陽が結晶している。太陽の背後には、ほとんど同じ形の水球があり、水球から水気が湧出しているため、太陽を助けて火を発せしめているのである。また、水気のゆえに太陽の火は赤くなく、白色をしている。

* 太陽は小宇宙の大空の中心に安定して、呼吸作用をなしているのである。

* 地球は円球ではなく地平の形をなしているが、ここでは説明のために「地球」と称する。地球は四分の三を水で覆われている。大地の中心には、地球とほとんど同じ容積の火球があって地球に熱を与え、呼吸作用を営んでいる。

* 地球は大地表面の中心にある。大地全体とともに自動的傾斜運動を行い、昼夜と春夏秋冬の区別を作り出している。

* 太陰は特に、中空にあって天地の水気を調節している。月が大空と大地の呼吸作用である水火を調節するのである。

第47章 神示の宇宙 その二(197)

* 大宇宙の間に存在する小宇宙は、互いに牽引しあっている。太陽もまた、諸星に牽引されてその位置を保っている。

* 太陽の光は大空へは放射されず、すべて大地に向かって放射されている。

* 地球は球体ではなく、大地の中心にある一小部分である。大地はすべて氷山である。

* 月は中空にあって一ヶ月で中空を一周する。宇宙の万物は月の運行に微妙かつ重大な関係がある。月が上線を運行しているとき、われわれの眼に見える。これは月読命の活動である。下線を運行しているときは、素盞鳴尊の活動である。

* 銀河とは、太陽の光が大地の氷山に放射され、それが大空に反射して大空の暗星が見えているのである。銀河の外べりにある凸凹は、氷山の高低が見えているのである。

* 小宇宙を外から見ると、大空は薄い紫、赤、青などの霊衣に覆われている。大地は黄、浅黄、白等の厚い霊衣で覆われている。小宇宙全体は、紫色をしている。これを顕国の御玉という。

* 小宇宙は、他の小宇宙とそれぞれ霊線をもって蜘蛛の巣のように四方八方に連絡し、相通じている。それぞれの小宇宙が、無数の霊線の中心にある。

* 他の小宇宙にも神々はあるが、地球と同じような生物は存在していない。

第48章 神示の宇宙 その三(198)
* 水は白色にして、光の元素である。水の中心にはゝ(ぼち)があり、水を流動させる。これが無くなると水は固形して氷となる。

* 火もまた、その中心に水がなければ燃え光ることはできない。水気を含まない物体は燃えることができない。

* 太陽もまた、その中心に水球から水が注入されて、燃えて光を放射する。

* 太陰、太陽、大空の諸星は互いに霊線で結ばれて維持されている。八大神力によってその位置を互いに保持している。

* 大地は諸汐球と霊線で連絡している。これにより水火の調節により呼吸作用をなし、安定を保持している。地球を「大地の北極」というのは、キタは「水火垂る」という意味であり、太陽の水火、大地の中心の水火、大地四方の氷山の水火、太陰の水火が垂下した中心、という意味である。

* 人間が地球の陸地に出生して活動することを、水火定(いきる)という。地球は生物の安住所にして、活動経綸の場所なのである。霊体分離して死亡することを身枯留・水枯留(まかる)という。水火の調節が破れたのである。

* しかしながら霊魂上から見ると、生も死も老幼もなく、永遠に生き通しである。

第49章 神示の宇宙 その四(199)
* 大空の星辰の光は、水火調節や星に含まれている金銀銅鉄などの分量によって違っている。

* 北斗星は伊邪那岐、伊邪那美の神が泥海の地の世界をかき鳴らした宇宙修理固成の神器である。大空の中北部に位置を占めて、日、地、月の安定を保持している。

* 大地の中心にある地球の、そのまた中心である中津国・日本に、太陽の光が直射しないのは、太陽と大地の傾斜のせいである。

第50章 神示の宇宙 その五(200)
* 宇宙間には、神霊原子というものがある。霊素、火素、とも言う。火素は万物一切のうちに包含されている。空中にもたくさん充実しているのである。

* 一方、体素、または水素というものもある。火素と水素が相抱擁帰一して、精気なるものが宇宙に発生する。火素と水素がもっとも完全に活用を開始して発生するのが精気である。

* この精気から電子が生まれる。電子は発達して宇宙間に電気を発生し、万物の活動の原動力となるのである。

* 神界では、霊素(火素)を高御産巣日神といい、体素(水素)を神御産巣日神という。霊体二素の神霊から、電気が発生し、宇宙に八大神力が完成し、そして大宇宙と小宇宙が完成したのである。

* 今日の世界は電気の応用が多少でき、便利になったが、電気の濫用は宇宙の霊妙な精気を減少させる。精気が減少すれば、それだけ邪気が発生するのである。邪気によって空気が濁り、病気や害虫が発生する。

* しかしながら、五六七神政出現までの過渡時代である現代においては、これ以上の発明がまだなされていないため、電気の応用も便利にして必要なものなのである。

* さらに一歩文明が進めば、不増・不減の霊気を電気に代えることができる。邪気の発生を防ぎ、至粋至純の精気によって世界が完全に治まる。このレベルに達すると、浅薄なものを捨てて神霊に目覚めざるを得なくなるのである。

* 宇宙間には無限の精気が存在するため、電気もまた無尽蔵に存在する。また、電気の濫用から生じた邪気も、水火の活動による新陳代謝で常に浄化が行われているのである。

* 人間は宇宙の縮図であるから、人体一切の組織と活用がわかれば、宇宙の真相も明瞭になるのである。人体にも、天の御柱たる五大父音と、国の御柱である九大母音が声音を発して、生理作用を営んでいる。

* 宇宙にも、大空に五大父音、大地に九大母音が鳴り、生成化育の神業を完成しつつある。造化の神業が無限に行われているのである。人間の体内に発生する音響は、それ自体が宇宙の神音霊声なのである。

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