とよたま愛読会123回
          「
霊主体従 4巻 7章 〜 28」    
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             記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成18年12月24(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
      連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
物 語   霊主体従 4巻(卯の巻) 第7章:涼風凄風 〜 第28章:武器制限

★ 報告
  新春の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。第百二十四回とよたま愛読会のご案内をお送りいたします。
 恒例の忘年会も開催され、楽しいひとときを過ごすことができました。ご参加の皆様ありがとうございました。

 さて、物語は常世会議の顛末が語られます。怪事が続出し、八王大神・常世姫は自分の城で会議を行っているにもかかわらず、主導権を握ることができません。

国直姫命の命を奉じて常世城に潜入した道彦(大道別)、八島姫、春日姫らは、八王大神・常世姫の信任を受けて側近くに使えながら、白狐の力を借りて、さまざまな策を施して邪神の策略を阻止していたのです。
また、国祖の命を受けた大江山の鬼武彦は、モスコーの森鷹彦にかかって堂々と八王大神を非難します。
八王大神は敵ながら悠然と立ち回り、雄弁な演説で正に会場を圧倒しようとした刹那、突然の病気に倒れてしまいます。苦慮した常世姫は、道彦を八王大神の身代わりに立てますが、議長となった道彦は聖地エルサレムの意見をどんどん通してしまいます。

神々の武装撤廃が可決され、武装解除の混乱の中、八王大神と常世姫はいずこともなく姿を隠してしまいました。
会議の様子はときに面白おかしく語られますが、随所に、大神の御心にかなわぬ事は、いかなることでも成就することはない、ということが戒められています。
また八王大神の演説の中に、国祖のご神格を述べた箇所があります(第二十章)。それによりますと、宇宙の大元霊である大国治立尊(=主神)が太陽界・太陰界を創造し各界に自らの霊魂・霊力・霊体を付与して守護神を与えました。主神は同じように、地上界にもご分霊をなして守護神とされました。これが、国祖たる国治立命である、とあります。

国祖は主神自らが霊・力・体を与えられた直接のご分霊であることがわかります。また太陰界の守護といえば、国大立之命ですが、国大立之命は国祖の補佐神である豊国姫命の別名でした。
いずれも主神の直接のご分霊として地上神界に活動されていますが、律法の制定者にして守護者であり、地上神界を修理固成された国祖と、その補佐神として四魂を分割して四天使となし、地上神界の秩序維持・邪神鎮定に奮闘された豊国姫命の御役割の違いは明らかではないでしょうか。

前回指摘しましたとおり、四天使の守護が「須佐之男大神のご守護」と表現されていたことも、心に留めつつ今後の物語を読み進めて行く必要があるかと思います。

 

★ 拝読箇所で気のついたこと
霊主体従 卯の巻
第一篇 八洲の川浪
第7章 涼風凄風(157)

* 第一回の常世会議は混乱のうちに幕を閉じた。そこで八王大神は第二回目の会議には常世姫、春日姫、八島姫を壇上に乗せて、女性たちの美しさで会議をまとめようとした。

* 常世姫が挨拶を述べた後、春日姫は自分がモスコーを逐電して以来、常世の国でいかに八王大神と常世姫に手厚い保護を受けたかを、とうとうと述べ立てた。

* これに対し、モスコーの八王にして春日姫の父である道貫彦が壇上に上った。


第二篇 天地暗雲
第8章 不意の邂逅(158)

* 壇上に上がった道貫彦は聖地の神々の失敗を挙げ、八王大神を擁護した。すると城内のどこともなく、八王大神の姦策に陥るな、という声が響き渡った。

* 常世姫は怪しい声には注意を払わないようにと一同に呼びかけ、続いて八島姫が壇上に登った。

* 八島姫も、南高山を逐電して常世の国に来て以来、いかに八王大神・常世姫が手厚い恩恵を与えてくれたかを諸神に語った。

第9章 大の字の斑紋(159)
* 八島姫の父である南高山の八王・大島別は壇上に上がると、一同に向かって、娘の八島姫は現在南高山の城に居り、ここに八島姫と名乗るは妖怪変化に違いない、と語ると、八島姫をめがけて斬りつけた。

* 常世城の八島姫は刀をひらりとかわすと、父に向かって微笑をたたえながら、なだめ諭した。

* 大島別の部下・玉純彦も壇上に上がり、本物の八島姫は額に巴形の斑紋があり、左肩には大の字の斑紋があるはずだ、と詰め寄った。壇上の八島姫は額の白粉を落として、大島別・玉純彦に斑紋を示した。

* まだ疑いを晴らさない二人に対して、八島姫が左肩の斑紋を示すと、ようやく大島別・玉純彦の疑いは和らいだが、そうなると今南高山に居る八島姫は何物であろう、と思案にくれてしまった。

* そこへ、南高山から八島姫がやってきた、という知らせが会議場に入った。

第10章 雲の天上(160)
* 突然会場に入ってきた八島姫は壇上に駆け上がったが、会場の中からさらにもう一人の八島姫が現れて、壇上では八島姫が三人になってしまった。

* 一方、モスコーから春日姫が来場した、という知らせが入った。入ってきた春日姫は壇上に登り、春日姫も二人になってしまった。

* 今度は、竜宮城から常世姫が帰還した、という知らせが入り、壇上で最初の常世姫と口論を始めた。

* この混乱の知らせを聞いた八王大神は驚いて、会場に急行した。八王大神が会場に到着すると、我こそは本物の八王大神である、ともう一人の八王大神が会場にやってきて登壇した。八王大神は怒って、後から来た八王大神と争いを始めた。

* すると中空に声があり、八王大神らをあざ笑った。諸神は驚いて天井を見上げると、そこは天井ではなく、数万の星が明滅する天の川原がはっきりと見えた。

* 行成彦は、これは常世会議が国祖の神勅律法を無視した報いである、よろしく足元を見よ、と怒号した。そこは常世城の大広間ではなく、一同は泥田の中に座っていたのであった。

* 八王大神以下は不明を悟り、第三回の会議は、天地の大神に対して祝詞を奏上し供物を献じ、神界の許しを得て行うこととなった。

第11章 敬神の自覚(161)
* 八王大神らは第三回の会議開催に先立ち、天地の大元霊である天之御中主神(=大国治立尊)を奉祀し、天地の律法遵守を自覚した。

* 八王大神と常世姫は悔改め、盤古大神を奉戴して国祖を追い落とし、自らが地上神界の主権を握ろうという野望を放棄した。しかし、今度は自分が国祖の宰相神になろう、との新しい目的を抱いていた。

* 第二回会議の春日姫と八島姫は実は白狐の高倉・旭が化けたものであり、大道別の妙策によるものであった。

* 第三回会議前の祭典は無事に行われ、天空は澄み渡って常世城はすがすがしい神気に包まれた。会議は厳粛に幕を開け、八王大神は悔改めを述べて開会の辞とした。

第12章 横紙破り(162)
* 八王大神は壇上に登り、またもや八王の撤廃を訴え、さらに神々自身の武装を除去することを提案した。大自在天の部下・大鷹別は登壇し、八王大神の弁に賛成の意を表して強圧的な演説を述べ立てた。

* これにたいして天山の八王・斎代彦は飄然と登壇すると、八王大神、大自在天の強圧的なやり方を痛烈に非難した。

第13章 再転再落(163)
* 八王大神の部下・八十枉彦は斎代彦に反論しようと登壇したが、にわかに舌が釣りあがり、恥をかいて降壇した。

* 続いて大自在天の部下・蚊取別が登壇して斎代彦を非難する弁舌を始めた。蚊取別は演説のたびに自分の額をピシャリと叩く癖のせいで壇上から転倒して担ぎ出されてしまった。

* 続いて八王大神の部下・広依別は演説中に壇上をぐるぐる行き来する癖のために、踏み外して壇から落ちてこれもまた、担ぎ出されてしまった。

第14章 大怪物(164)
* モスコーの従神・玉純彦が壇上に登った。そして口からでまかせの歌を面白おかしく歌い始めた。

* その歌は、第二回までの会議の混乱を風刺し、八王大神・大自在天らの部下が次々と不吉に見舞われたことを面白おかしく歌ったが、そのことで、常世会議が八王大神の野心を満たすために開かれていることを暗示していた。

* 歌の面白さと美声に酔っていた諸神がふと壇上を見ると、そこには玉純彦ではなく恐ろしい姿をした荒神が鉄棒を引っさげ、八王大神をにらみつけていた。さすがの八王大神も諸神も、この光景に肝をくじかれてしまった。

* 恐ろしい荒神は次第に煙のように消えてしまった。玉純彦はずっと、自分の席に居眠りしており、この間のことはまったく感知していなかったのである。
* こうしてまた、うやむやのうちに第三回の会議も閉幕となってしまった。

第15章 出雲舞(165)
* 次の会議では八王大神は前日の失敗に省み、温顔をたたえて常世姫、春日姫、八島姫を従えて登壇した。その日は春風なびくのどかな気候であった。

* 出雲姫はこの良き日を寿ぐために、八王大神を賛美し、舞を舞うことを申し出て、許しを得た。

* とことが出雲姫が面白く歌い美しく舞ったその舞の歌は、八王大神の企みを非難し、常世会議を否定するものであった。

第三篇 正邪混交
第16章 善言美辞(166)

* 常世姫は出雲姫の歌に対して、答歌を返すことになった。その歌は、世界の混乱を治めて平和な世を作る願いを、八王大神の思いとして歌いこんだものであった。

第17章 殺風景(167)
* さすが常世姫は稚桜姫命の娘(国祖の孫神)であるだけあって、反対派の神々の攻撃も悠然として対処し、反論の余地のないほどの反歌を返した。

* 諸神は常世姫の余裕ある態度に呑まれ、あえて反論するものも無くなってしまった。

* ここにモスコーの従神・森鷹彦は登壇すると、堂々と八王大神の野心をあげつらい、常世会議を開くこと自体が、国祖の御心に反したことであるとはっきり言い放った。

第18章 隠忍自重(168)
* 森鷹彦のこの演説は、白狐出身の神使・鬼武彦という猛神の変化の現れであった。鬼武彦は大江山の守り神で、悪魔征服の強神である。鬼武彦は地の高天原の神命を奉じて、常世会議を改めるべく使わされたのであった。

* 鬼武彦の働きにより、常世姫の反歌の効力は消え去り、邪神の魔力も発揮する機会がなくなってしまった。天地の間はすべて、宇宙の大元神たる大神のお許しないときは、九分九厘で打ち返されるのである。

* 大神は自ら創造したこの世界を修理固成し、無限の霊徳によって生み出した神人を天地経綸の司宰として、大神に代わって至善・至美・至安・至楽の神境となすのが主願なのである。

* それがいつしか利己的精神が生じ、自由行動・優勝劣敗の悪風によって、八王大神のように天下を掌握しようという強権的な神が現れるに至ったのである。

* 神人とは人の形に造られた神の事を言う。その本性は猛虎、獅子、竜、白蛇などであり、危急のときは元の姿に還元することもあるが、人の姿を捨てて元の姿を現すのは重大な天測違反であり、畜生道に落ちる恐れがある。

* 人間にしても、危急の際に自暴自棄的な行動により玉砕主義を取るものもあるが、これは自己の滅亡に他ならない。霊魂の人格までも失墜するに至る、愚かな行為である。天地経綸の大司宰として生まれた人間は、いかなる場合も荒魂の忍耐力をふるって玉全をはかるべきである。

* 国祖にしても、万一憤りによって太初の姿に還元したなら、この世界を破壊してしまうほどの神威を発揮してしまうので、そのようなことがないようご神慮により、あくまでも忍耐に忍耐を重ねて天地の規則を遵守しているのである。

第19章 猿女の舞(169)
* 聖地エルサレムから行成彦の共としてやってきた猿田姫は、妹の出雲姫の歌がややあからさまな批判で神格を傷つけたきらいがあったことを慮り、聖地の神格を保持しようと、言論を歌に代えて舞い歌った。

* その歌は、国祖の地上神界創造と修理固成の様を語り、そこに国祖の思いを乗せ、また常世彦・大自在天らが常世会議を開催した意図を平和の実現にあり、と汲み取りつつも、会議は聖地エルサレムにて行われるべきであること、国祖が任命した八王を勝手に撤廃するべきではないこと、など物事の順序を諄々と説き諭したものであった。

第20章 長者の態度(170)
* 森鷹彦の厳然たる非難と、猿田姫の説き諭した歌によって、満場の諸神はやや本心に立ち返りつつあった。その形勢を目ざとく見て取った八王大神はやおら演壇に登ると口を切って演説を始めた。

* 八王大神は、大国治立命を最大限に尊重し、そうであるからこそ混乱を収めるために、国祖の御心を汲んで、我々自身が自発的に世の中をよくするように行動しなくてはならない、八王の撤廃もそのような意図から来るものである、と強弁した。

* 一同は、国祖の威をかさに着た八王大神の論弁に反論できずにいたが、にわかに八王大神は顔色蒼白となり、あっと叫んで壇上に倒れてしまった。

第21章 敵本主義(171)
* 常世会議も八王撤廃論も「国祖の御心」と強弁した八王大神に、聖地の神々も舌を巻いていたが、幸か不幸か、にわかの病で八王大神は退場を余儀なくされてしまった。

* 大鷹別は、このように紛糾する会議を聖地で開いては、かえって国祖の神威を汚す、と常世会議を正当化する演説をぶった。

* 斎代彦は八王大神の退場に、いったん今日は会議を解散することを提案し、賛成を得た。またしても会議は要領を得ないまま閉会となった。

第22章 窮策の替玉(172)
* いかなる善なる事業も、神明の許諾を得なければ実現することは難しいのである。八王大神が野心を内蔵している以上、常世会議が紛糾するのも当然のことである。

* 八王大神の急病は、鬼武彦の国祖の神命にしたがった活動の結果であった。八王大神の容態は激烈で、苦悶にあえぎながらも自らの野心に執着していた。

* 常世姫は、自分だけの力量では会議を意図通りに操縦することが難しいことを不安に思っていた。そこで、八王大神と体格の似た道彦を変装させ、八王大神として会議に出席させるよう謀議が決まった。

* 八王大神の扮装をした道彦は、顔も姿形も八王大神によく似ていることに、常世姫も驚いた。

第四篇 天地転動
第23章 思ひ奇や その一(173)

* 常世姫は、八王大神の見舞いに来る神々たちの応対を、道彦にさせることに決めた。

* モスコーの道貫彦がやってきたとき、常世城の春日姫の正体を疑っていた道貫彦は、出迎えた姫を妖怪変化として扱った。

* また、道貫彦は道彦が化けた八王大神に面会するや、下あごのほくろによって、それが道彦(道貫彦に使えていた大道別)であることを即座に見抜いた。そして道彦に討ってかかった。

* 道貫彦は、従者たちに止められたが、八王大神に化けた道彦は人払いをして道貫彦と二人だけになった。道彦はかつての主人の前に手をついて挨拶し、正体を明かした。そして、常世城の秘密と自分たちの使命を明かした。

* 道貫彦は常世城の春日姫が本物の姫であることを知ったが、使命のため、親子の情を抑えてそ知らぬ顔をして姫の前を通り過ぎた。

第24章 思ひ奇や その二(174)
* 南高山の大島別・玉純彦の主従は、常世城の八島姫を疑い、玉純彦は姫に斬りつけようとした。

* 常世城の従神たちは二人を捕らえようとした。大島別は捕らえられたが、玉純彦の獅子奮迅の勢いに逆に追い散らされてしまった。

* 玉純彦はそのまま道彦の八王大神に打ってかかったが、逆にその強力によって取り押さえられてしまう。道彦は大島別の縄を解くと、二人に自分たちの使命と計略を明かした。

* 大島別・玉純彦は始めてこれまでのことに合点が行き、常世城の姫が本物であることを知った。

* しかし、このことを八十枉彦が聞いてしまっていた。玉純彦は八十枉彦に飛び掛ってその場に切り捨ててしまった。

第25章 燕返し(175)
* 八王大神は病気が回復した、として会議の続行を宣言した。行成彦は病気の回復を祝って八王大神の意図を賛美する歌を歌った。

* 会場の諸神は、行成彦が八王大神を手放しで賛美するその態度に驚きを持って歌に聞き入っていた。行成彦は、このたびの八王大神が偽者であると知って、わざと態度を変えていたのであった。

* 長白山の八王・有国彦は行成彦の態度の豹変を目の当たりにし、あまりにもいぶかしいことが続く会議に不審の念を表し、会議の脱退を表明した。そのとき、有国彦を押しとどめる神があった。

第26章 庚申の眷属(176)
* 有国彦を押しとどめたのは、ヒマラヤ山の八王・高山彦であった。高山彦は八王撤廃論は八王大神が主権を握ろうとするための姦策であり、逆に八王が一致団結して国祖を盛り立てるよう同盟したらどうか、と提案した。

* 行成彦は、それでは八王同盟の主宰は、八王大神としたらどうか、と提案し、賛成を得た。また高山彦は武備撤廃を呼びかけ、これも諸神の賛成を得た。

* この間、道彦が化けた八王大神はただだまってうなずくのみであったため、高山彦、行成彦の提案はどんどん議決してしまった。常世姫はどうすることもできず、仕方なしに八王同盟は認めたが、武備撤廃については反対の意を表明した。

第27章 阿鼻叫喚(177)
* 行成彦があらためて武備撤廃を呼びかけると、議場の神々の六割が賛意を表明し、議決してしまった。行成彦は、平和を願うのであればまず常世城の神々から武備撤廃を実現せよ、と呼びかけた。

* 常世姫は歯噛みしたが、形勢はいかんともすることができなかった。モスコーの従神森鷹彦は壇上に登ると、有翼の獅子の正体を表し、自ら翼をもぎ取って範を示した。

* 鷹住別が壇上から武備撤廃を呼びかけると、神々は自らの武器を剥ぎ取り、また常世城の神々の駐屯所に侵入して、武備撤廃を行い始めた。

* この騒ぎに真正の八王大神は驚いて、病気の身ながら神々を止めようとしたが、森鷹彦によって威嚇され、進むことができない。また偽八王大神の道彦が突然声を発し、武備撤廃を妨害するのは偽の八王大神である、と呼ばわった。

* 八王大神・常世姫はどうすることもできず、こつぜんとして城内から姿を消してしまった。

第28章 武器制限(178)
* このときの武備撤廃により、竜は太刀肌の鱗や角の一部または全部、獅子や虎などの猛獣は爪や牙、また翼を持つものは翼、狐神は鋭利な針毛などを抜き取られることになった。

* 狐神は衣食の元を司る飯成(=稲荷)の神の御用を務める使神である。稲荷の神は、豊受姫神、登由気神、御饌津神、宇迦之御魂神、保食神、大気津姫神とも称えられるが、同一神である。

* 狐神は、五穀の種を世界中に持ち運んで諸国に広げた殊勲がある。後に稲荷の神は、狐神たちに知恵を与えて世界のことを調査せしめる役をつけた。ゆえに、白(もう)し上げる狐、というので白狐というのであり、決して毛並みが白いわけではない。

* また、猛鳥や魚類は、毒嚢や翼を除去された。

* 武装を除去された獣神たちは、次第に進化して人間と生まれ、神と生まれるに至った者たちもいた。

* これらの説は、ただ王仁が高熊山で霊眼で見聞した談をそのまま語っているだけであり、その虚実についてはいかんとも答える由はないのである。
 

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