とよたま愛読会156回
「如意宝珠 18巻
序 〜 8章」
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記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成21年 9月27(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。
霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
拝読箇所
如意宝珠 18巻(巳の巻)
序 〜 8章 蛙の口
★報告
拝読会は、KWMさん、SOTさん、DTCさん、TKGさん、IWTさん、KKUさん、そして私望月の七名が参加し行われました。
第十八巻に入りました。バラモン教を言向け和しながら、ウラナイ教の黒姫とも対峙しつつ、悦子姫一行が聖地で活躍しますが、英子姫と亀彦から、弥仙山に神業があることを知らされ、玉照姫の出産に立ち会います。
その後、悦子姫は世継王山の麓に拠点を構えると、加米彦と夏彦に任せて、音彦と共に竹生島に出立します。
悦子姫を尋ねて来た紫姫一行は、神命を授けられて剣尖山の麓の産釜・産盥の聖地に向かい、黒姫に降参した振りをして、ウラナイ教に潜入します。
第四章の冒頭歌では、第十六巻第六章で「四王の峰の彼方」に姿をお隠しになったという国武彦は、弥仙山に鎮まっていたことが明かされています。
また、同じ章で「丹頂の鶴に乗って東を指して飛んでいった」という神素盞嗚大神は、近江の竹生島にお隠れになっていたことがわかります。
桶伏山は黄金の玉が隠された聖地であり、比沼の真名井は豊国姫命の顕現地、剣尖山の麓は天照大御神の聖地、弥仙山には国武彦命が鎮まり、大江山は鬼雲彦を退治した後鬼武彦が守り、世継王山の麓には悦子姫が国治立命と豊国姫命を祀る社を建てます。
この数巻で、綾部周辺の聖地の由緒が説き明かされています。
★拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第十八巻 如意宝珠 巳の巻
序
- 梅は散り、山桜薫る七日の空に、遅桜は散って葉桜をまとう。また古木の大銀杏がデリケートな若葉の衣をまとった姿もまた悪くない。
- 万寿山の新緑が時々刻々に芽を吹き出す惟神的な天地の活動、心の空もどんよりと曇りがちな瑞月が、瑞祥閣の奥の間で述べる霊界物語。
- 黒姫が千思万慮しながらも、玉照姫と母のお玉を引き抜かれてしまい、魔窟ヶ原を引き払う。また高姫が悄然として北山村の本城に帰り行くまでの物語である。
総説
- 現在よりほとんど三十五万年の昔、神素盞嗚大神が、天の真名井に誓約して瑞の御魂と生れ給ひ、千座の置き戸を負わせられて世界をさすらうことになった。
- 四方の八岐大蛇を言向け和して、再び日の出の御代となして皇大神に奉り、大海原の主宰である天職を完全に全うしようと、自らの水火より生まれたる八乙女を遣わした。
- その中でも英子姫は、お供の悦子姫とともに自転倒島に漂着して、荒ぶる神や、鬼や大蛇を言向け和して、神の御国に礎を永遠に建て給ふ、尊き神代の物語。
- ここに天運循環して言の葉の車の流れるままに、松村氏、北村氏、東尾氏、加藤氏らが、名さえめでたい万寿苑に筆を揃えて、言葉の玉を拾い集めると、四月三日に記し置く。
第一篇 弥山の神山 : みせんのみやま
第一章 春野の旅(六二九)
- 紅包む弥生の空に朧に月がかかる。和知の里の小路をとぼとぼと、悦子姫、音彦、加米彦、夏彦らの宣伝使一行が歩いてくる。
- 向こうから二人連れがやってきて、宣伝使たちの方を見ながらひそひそとささやきつつ眺めていた。これは英子姫と亀彦であった。
- 一行は邂逅し、芝生の上に座って、これまで宣伝の旅の経緯を語り合った。
- 英子姫は、弥仙山に父神・神素盞嗚大神の神務を帯びて登ったというが、その内容については明かさなかった。悦子姫一行は、英子姫に勧められて弥仙山に登ることとし、英子姫と亀彦に別れを告げた。
- 険しい弥仙山を登っていく折りしも、加米彦と夏彦は軽口をたたいている。
- 途中で、一人の爺に声をかけられ、家によって神様の話をするように懇願される。聞けば、以前にここを通った英子姫一行が、後から来る宣伝使に神の道を聞け、と諭したのだという。
第二章 厳の花(六三〇) : いづのはな
- 爺の豊彦は、一行を自分のあばら家に案内した。豊彦の息子は真名井参りの途中でバラモン教にさらわれて、今は生死もわからないという。
- また娘は理由のわからない業病にかかり、十八ヶ月も伏せっているという。先だってここを訪れた英子姫によると、これは病気ではなく妊娠だと言われたが、まったく心当たりがない。
- 悦子姫が見立てて、確かに妊娠であることを確認した。婆の豊姫に話を聞くと、十八ヶ月前、白髪の老人が、立派な水晶の玉を娘に飲ませる夢を親子ともども見た後から、腹が膨れてきたのだという。
- 悦子姫は、立派な神様の霊魂が宿っているのを見抜いた。そして、厳の御魂の大神がお生まれになる、と診断した。
- そのとたん娘のお玉は起き上がり、白髪の神様からも、「七人の女の随一、厳の御霊の誕生」を告げられた、と明かす。そして陣痛を訴え始めた。
- 悦子姫が取り上げて、無事に女の子が生まれた。悦子姫は女児に、玉照姫と名前をつけた。
第三章 神命(六三一)
- 豊彦・豊姫らの家を出て、山を半分ほど登ったところで日が暮れて暗闇となってきた。一行は枯れ草の混じった禿げた芝生の上に横になって寝についた。
- 猿の声、大蛇の這うような音、虎狼が唸るような怪声が聞こえてくる。大木が折れるような岩石が崩壊するような凄まじい物音で加米彦は目を覚ました。
- 加米彦は恐ろしさに夏彦を起こそうとするが、夏彦はこんなことは山の中ではよくあることだと、取り合わない。夏彦はまたいびきをかいて寝てしまったので、加米彦は三人の間に寝て、夜が明けるのを待っていた。
- 春の夜は早く明けて、一行は朝の禊と拝を行った。そして朝食の後に山を登ると、ほどなくして頂上に達した。
- 加米彦は絶景を嘆賞していたが、悦子姫は山頂のご神前に暗祈黙祷していた。しばらくして、悦子姫は神勅が下ったので先に行く、と言い残してさっさと山を下ってしまった。
- 加米彦は慌てて後を追っていく。音彦と夏彦はゆうゆうとご神前に祝詞を上げてからくだり、山の五合目ほどで加米彦に追いついた。
- 一行は綾の聖地を指して宣伝歌を歌いながら進んで行く。
第二編 再探再検 : さいたんさいけん
第四章 四尾山(六三二) : よつをやま
- 自転倒島の真秀良場、青垣山をめぐらせる下津岩根の貴の苑、この世を治める丸山の、神の稜威は世継王山。桶伏の丸き神の丘、黄金の玉が隠された貴の聖地の永久に動かぬ御代の神柱。
- 国武彦が常永に鎮まりまして、天翔り国翔ける神力を潜め居る弥仙山。木の花姫の生御魂である埴安彦や埴安姫が築いた神の都は、いつしか栄えて開ける梅の花。
- 悦子姫一行は、英子姫から弥仙山に神業があると聞いて山に上り、玉照姫の出産に立ち会った。
- 悦子姫は神の大命を被って、音彦、加米彦、夏彦に命じて世継王山の麓にささやかな家を造らせた。ここに国治立命、豊国姫命を鎮祭した。
- ある日、悦子姫を尋ねてくる四人の男女があった。それは、紫姫、青彦、馬、鹿の四人連れであった。
- 悦子姫は、紫姫のみを部屋に入れて人払いをした。その他の一同は、仕方なく外で待っている。その間、夏彦と加米彦は軽口を叩き合っている。
- 加米彦が悦子姫に人払いの解除を催促に行くと、一同は呼び戻された。そして神命により悦子姫は近江の竹生島に音彦を伴って行く事になった、と告げた。竹生島には、神素盞嗚大神がお隠れになっている。
- 加米彦と夏彦は、残って世継王山麓の館を守ることになった。年長者の夏彦を主と決めた。
- 紫姫一行は、神命によって行く先を授けられた。青彦は、日の出神より若彦と名を賜った。
- 翌朝、悦子姫と音彦は竹生島へと発ち、紫姫は供の三人に行く先も告げないまま、由良川の河辺伝いに西北指して進んでいった。
第五章 赤鳥居(六三三)
- 紫姫一行は、弥仙山方面へと向かっていた。鹿公は行き先を尋ねるが、紫姫は御神命で固く秘密を守るように言われている、と答える。
- すると道中、暗夜に女性の悲鳴が聞こえてきた。紫姫は、若彦、馬公、鹿公に助けに行くようにと命を出す。三人は暗がりの中を悲鳴のした方へ向かっていく。
- それはウラナイ教の手下が、黒姫の命でお節をさらってきていた所であった。鹿公はとっさに黒姫の作り声を出して、手下たちを誘導する。馬公が幽霊の真似をすると、ウラナイ教の手下たちは驚いて逃げていってしまった。
- 鹿公と馬公は、お節を助けて紫姫のところまで連れて行った。お節は、爺婆が亡くなったため、青彦(若彦)を追って聖地に行く途中、ウラナイ教の男二人にかどわかされたのだ、という。
- 若彦は、お節に名乗りをして二人は再会を果たした。お節は嬉しさに若彦にすがりつく。
第六章 真か偽か(六三四)
- 一行が真夜中に着いたところは、剣尖山ふもとの聖地であった。紫姫は、ここで神勅を得なければならない、という。その間、お供の一同は産釜、産盥で禊をし、神言を奏上して待つように命じた。
- 若彦、お節、馬公、鹿公の四人が、紫姫指定の場所で禊をしようとすると、そこにはウラナイ教の宣伝歌を一生懸命となえる婆が、二人の従者を従えて水垢離を取っている。
- 馬公が咎めると、婆は自分は世界の為に結構な神業をしているのだ、と馬公を非難する。鹿公は、悪魔が悪魔の仲間を集めているのだから、邪魔をするな、と茶々を入れる。
- 婆はしきりにウラナイ教の功徳を並べ立てて、入信を促している。真名井山には、変性女子の瑞の御霊の悪神が居る、と悪口を言う。
- お節は黒姫とわかって、声をかける。黒姫は、青彦(若彦)、お節だと気づくと、またもやウラナイ教への改心を迫る。
- どうしたことか、若彦は黒姫に元のとおりウラナイ教で使ってください、と申し出る。また、紫姫をウラナイ教に連れてくることも承諾する。
- そこへ、紫姫がやってきて、黒姫に挨拶すると、紫姫は黒姫の神格を褒め称えて、自分からウラナイ教の教え乞う。
- 黒姫は得意げになって一行を引き連れて、魔窟ヶ腹に引き上げてくる。
第三篇 反間苦肉 : はんかんくにく
第七章 神か魔か(六三五)
- 七八人のウラナイ教の手下たちが、普甲峠の麓で雑談にふけっている。ウラナイ教は三五教に教勢を奪われ、最近は高姫、黒姫の機嫌がすこぶる悪いという。
- 手下たちはそこで、一計を案じて策略で信者をこしらえることにした。
- 丑公、寅公、辰公、鷹公、鳶公の五人がバラモン教の兇徒に扮して、三五教の夫婦の参詣者を襲った。そこへ、梅公、浅公、幾公の三人がウラナイ教の宣伝使として登場し、言霊の神力で兇徒を蹴散らす芝居を行った。
- 夫婦は、綾彦とお民と言った。すっかりウラナイ教の神力と慈悲を信じてしまった。ウラナイ教の男たちは、宿も提供すると言って、二人を魔窟ヶ原へと連れて来た。
第八章 蛙の口(六三六) : かはづのくち
- 綾彦とは、行方不明になっていた豊彦・豊姫の長男であった。妻のお民と共にようやく弥仙山の家に帰り着いたが、豊彦と豊姫は夢のお告げで、綾彦夫婦に豊国姫命参拝をさせよ、と神命を受けたので、さっそく真名井に参詣させたところであった。
- 魔窟ヶ原に帰ってきた浅公は、黒姫に報告をし、さも自分たちが神力でバラモン教徒から綾彦・お民を助け出したかのように語った。
- 黒姫は、綾彦に自分の身の回りで御用をするように申し付け、お民はウラナイ教の支所・高城山で、松姫の用を足すようにと命じた。
- 浅公以下は、黒姫から、綾彦夫婦を連れて来た手柄の褒美として、酒を飲むことを許可され、宴会を開いている。一同は酔いに乗じて、今日の策略を大声で話していた。
- 綾彦とお民は、廊下からふと酒酔いの笑い声を耳にして、聞き耳を立てると、浅公らの企みをすべて聞いてしまった。二人は顔を見合わせ、ひそひそと何事かを囁きながら一睡もせずに夜を明かした。
以上
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