とよたま愛読会155回
「如意宝珠 17巻
09章 〜
霊の礎(3)」
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記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成21年 8月23(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。
霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語
如意宝珠 17巻(辰の巻)9章:大逆転 〜 霊の礎(三)
★ 報告:
今回の拝読会は、KWMさん、SOTさん、IWTさん、KKUさん、私の五名を集めまして、無事に行われました。
また、拝読会の後は恒例の暑気払いにて楽しいひと時を過ごしました。
物語は、平助親子が無事に真名井ヶ原の参詣から帰ってきた後の話から始まりました。
平助はほどなく他界し、お節もその悲しみで病に伏せってしまいます。そこへ黒姫がつけこんで、ウラナイ教の祝詞を唱えて病気治しの効験を見せようとしますが、逆に容態が悪くなってしまいます。
お楢もお節もウラナイ教に愛想をつかしていたところへ、ふたたび黒姫が夏彦、常彦を連れてやってきますが、夏彦、常彦はそこに現れた青彦に賛同して、三五教に変わってしまいました。
一方、鬼ヶ城の鬼熊別退治に進んでいた悦子姫一行は、鬼熊別軍の砦である三嶽山の岩窟を陥落させ、紫姫、馬公、鹿公を救出します。また豊国姫命の命でバラモン教に潜入していたという丹州を加えます。
青彦、夏彦、常彦と合流した一行は、鬼熊別の手下である鬼鷹、荒鷹を改心させ、鬼鷹、荒鷹の手引きで仲間の一部を鬼ヶ城に潜入し、攻防戦に見せかけて、鬼熊別らに対して改心を促す宣伝歌の言霊を浴びせかけます。
改心のならなかった鬼熊別とその妻・蜈蚣姫は逃げて行きますが、宣伝歌に感激した鬼ヶ城のバラモン教の手下たちは、三五教万歳の歓呼の声で宣伝したちを迎えます。
★ 拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第十七巻 如意宝珠 辰の巻
第二篇 千態万様
第九章 大逆転(六二〇)
- 平助親子は家に戻ってきたが、平助は手桶に水を汲んで運ぶ途中にこけて倒れてしまう。お節はあわてて天の数歌を歌い、平助は息を吹き返した。
- 平助は、美しい神界を旅していたところを、お節の声に呼び戻されたのだという。それより平助は発熱して、半月ほどして帰らぬ人となった。
-
それよりお節も悲しみのあまり具合が悪くなり、伏せってしまう。お楢は真名井ヶ原に参詣して助けを求めようと比治山を登っていくと、黒姫が立ちはだかり、お楢の窮状につけこんで、ウラナイ教の祈祷を承諾させてしまう。
第十章 四百種病(六二一)
- お楢が黒姫を案内して自宅に戻ってくると、お節はうなされて青彦の名を呼んでいた。
* 黒姫は、日の出神の筆先と称して、高姫の神諭を読み聞かせ始めた。そして、侍女二人に、ウラナイ教の宣伝歌を歌わせ舞わせた。
* するとお節の容態はますます悪くなり、苦しみ始めた。それを見てお楢は嘆き始める。
* 黒姫は、神界の御用が急ぐと言い訳をして、その場を立ち去ってしまう。
第十一章 顕幽交通(六二二)
- お節は幽界を、三五教の宣伝歌を歌いながら旅をしていた。そこへ、岩公、勘公、櫟公、鬼彦、鬼虎の副守護神が現れて、比治山峠で動物扱いされた恨みと、お節に襲い掛かる。
- お節は三五教の神号を唱えると、青彦の霊が現れて五人の副守護神に霊縛を加え、お節を助け出した。
- お節は、五人を助けるようにと青彦に頼んだ。青彦は、その心がけなら現界に帰ることができると請け合い、天の数歌を歌った。
- 五人の副守護神は妄執が取れ、一同はみな合わせて神言を奏上した。すると五人の副守護神は牡丹のような花となり、天上に高く昇った。
- 青彦はお節に別れを告げて去った。お節はにわかに身体に爽快を覚え、目を覚ますと、お楢が手を握っていた。
- お楢は、気を取り直して豊国姫命と素盞嗚尊に祈願をこらし始めたところ、お節が回復したのだ、と語り、豊国姫命に感謝の涙を流した。
- 四五日過ぎてまた黒姫が夏彦と常彦を連れてやってくるが、お楢は黒姫を非難して帰そうとするが、黒姫は屁理屈をこねて粘っている。
- 押し問答をしているうちに、夏彦と常彦が、黒姫に対して疑念を表明し始める。そこへ宣伝歌を歌いながら青彦がやって来て、黒姫を冷やかす。夏彦と常彦は青彦に味方し始める。
- 夏彦と常彦は、黒姫の言行心一致しないのに愛想をつかして、その場でウラナイ教の縁を切ってしまう。そうして青彦に、三五教に導いてくれるように頼み込んだ。
- 黒姫は青彦の胸倉を掴んで食い下がるが、三人はお楢の家に入って黒姫を締め出してしまう。黒姫は一人すごすごと魔窟ヶ原へ帰っていく。
- お楢は、お節が青彦を想う様をみて、婿になってくれと頼み込む。青彦は、鬼ヶ城の言霊戦が済むまで待ってくれ、と答えると、夏彦・常彦を伴って、南を指して去って行った。
第三篇 鬼ヶ城山
第十二章 花と花(六二三)
- 悦子姫は、音彦と加米彦を供として三嶽山に差し掛かった。そこで、谷川で血にまみれた衣をすすぐ一人の美しい女がいた。
- 音彦が話を聞くと、女は真名井ヶ原へ参詣の途中、鬼雲彦の一味である荒鷹・鬼鷹によって、二人の僕と共にさらわれてきたのだ、という。僕の二人は、バラモン教の手下によって殺され、その供養の為に衣を洗っているのだ、と明かした。
- 女は紫姫と名乗った。加米彦は、心当たりがある様子を見せるが、滑稽なことを言ってごまかす。その様子に紫姫は一行に心を許して行く。
- 悦子姫ら一行は、荒鷹・鬼鷹らを言向け和すために、一味の隠れ家に案内するように、と提案する。ちょうど荒鷹・鬼鷹は不在で、手下たちだけが留守を守っているというので、紫姫に付いて岩窟に向かう。
- 加米彦は一味の掘った落とし穴に落ちてしまうが、悦子姫と紫姫が縄梯子を編んで助け出し、一行は岩窟に乗り込んでいく。
第十三章 紫姫(六二四)
- 岩窟に入ると五六人の手下たちがいたが、加米彦の一喝で慌て出す。しかし手下の中の丹州という男が理屈をこねて加米彦に食ってかかる。
- しかし丹州は実は自分は玉彦という者で、豊国姫命の命で小鬼となってバラモン教に潜入していた、という。そして、丹州はバラモン教の他の手下らを手なずけて、紫姫の二人の僕かくまっていた。衣に猪の血をつけて荒鷹・鬼鷹の目をごまかしていたのである。
- 丹州は二人の僕を他の手下に連れてこさせた。そして丹州は一行を鬼ヶ城の方へ案内するが、三嶽山の山頂に出たところで一行は突風に煽られてしまう。
- 丹州が手なずけていた荒鷹・鬼鷹の手下らは、吹き飛ばされてしまった。雲の中から大蛇が舌を出して一行に襲い掛かるが、加米彦の言霊の発射で雲の中に逃げていく。
- 風はぴたりと止み、一同は天津祝詞と宣伝歌を唱和して、山伝いに鬼ヶ城へと進んで行った。
第十四章 空谷の足音(六二五)
- 一方、青彦、夏彦、常彦は悦子姫らの後を追って、鬼ヶ城に進んできた。しかし烈風に吹き煽られて、深い谷間に転落し、足腰を痛めて苦しんでいた。そこへ、宣伝歌の声が近づいて来る。
- 三人は滑稽なやり取りをひとしきり行い、四つ這いになって険しい崖を上った。そこでは、悦子姫一行が、各々雑談に耽っていた。
- 加米彦は、途中で姿が見えなくなった青彦の噂をし、丹波村のお節のところに行ったのではないか、と勘ぐっている。
- そこへ木の中から青彦が登場して、一行は合流する。青彦は、ウラナイ教から夏彦、常彦を引き抜いた顛末を一同に話す。一行はここで夜を明かしてから鬼ヶ城に進むこととして、野宿した。
第十五章 敵味方(六二六)
- 紫姫のお供・馬公と鹿公は、夜悪夢にうなされて目を覚ます。寝られなくなった二人は、辺りを散歩することとした。
- 一方加米公も目を覚まして、一行の寝顔の評論をしている。そのうちに、いたずらをしだして、夏彦と常彦の髪を互いに結んでしまった。次に紫姫の髪を丹州と結ぼうとしたところ、はっと起きた紫姫に腕を掴まれて、そのまま投げられてしまった。
- 紫姫は敵の襲来だとして、慌てて一同を起こす。丹州は寝たふりをしながら加米彦のいたずらを見ていて、加米彦の仕業であることを明かす。
- 音彦は起こって加米彦を叱るが、悦子姫に仲裁される。加米彦は、音彦とのやり取りの中で、音彦の妻・五十子姫が竜宮島でバラモン教と戦っていることを知らせる。
- 一同はまた寝てしまうが、散歩に出ていた馬公と鹿公は、バラモン教の鬼鷹、荒鷹らに見つかって、囲まれてしまう。しかし宣伝使がついているため、二人は木が大きくなり、強気になって逆に荒鷹、鬼鷹に啖呵を切り出す。
- 怒ったバラモン教徒らは馬公、鹿公に打ってかかると、二人は宣伝使たちが寝ている場所に走って逃げてきた。
- その物音を聞きつけた宣伝使たちは起き上がり、加米彦が敵を迎え撃とうと一人で走って出て行く。茂みの中で様子を見ていると、バラモン教の手下らは鬼熊別の身魂を斟酌していた。しかし中には、鬼熊別の言うことを本当と信じ、悪の教えである三五教を滅ぼそうと真面目に考えている者もあった。
- 鹿公は、バラモン教の中にも純粋な人間がいると加米彦とに話しかける。加米彦は、悪になるのは皆誤解からだ、と説いて聞かせているが、その声がバラモン教徒らに聞かれてしまう。
- 加米彦は自ら名乗って出て行くと、逆にバラモン教の手下たちは浮き足立って命乞いをする。手下たちはすっかり三五教の心になり、様子を見に来た荒鷹、鬼鷹に説教を始める。
- また林の中から、荒鷹、鬼鷹に改心を促す加米彦の宣伝歌が聞こえてくると、荒鷹、鬼鷹は涙を流して平伏し、改心の意を表した。
- 悦子姫は、鬼ヶ城の大将・鬼熊別を改心させるために、荒鷹、鬼鷹に策を授けた。紫姫、丹州、鹿公、馬公を鬼ヶ城に潜入させる手はずとし、言霊戦を城の内外で行うように見せかけて、鬼熊別を説き諭す作戦を実行することとなった。
第十六章 城攻(六二七)
- 鬼熊別と蜈蚣姫は宣伝使らが三嶽の岩窟を破って鬼ヶ城に進んできたことを知り、城内の兵士を集めて作戦会議を開いた。
- 荒鷹、鬼鷹は、紫姫、丹州、鹿公、馬公とともに言霊戦に立ち向かうことを申し出、鬼熊別・蜈蚣姫の許可を得た。
- 鬼ヶ城側が防戦準備をしていると、加米彦が寄せ手として宣伝歌を歌いながら進んできた。
- 加米彦の宣伝歌に鬼ヶ城の士卒たちは苦悶の態を現したが、鬼ヶ城からは丹州が応戦した。丹州の歌は、鬼熊別を弁護するようでいて、それとなく改心を勧める歌であった。
- 続いて夏彦が、攻撃側として宣伝歌を歌うが、こっけいな言霊で、加米彦からからかわれる。
- 守備側の鬼ヶ城では、鹿公が立って防戦の歌を歌うが、これもまたこれまでの経緯を滑稽に歌った歌で、歌い終わると鹿公は、一目散に三五教の陣に走ってきて降伏してしまう。
- 鹿公の様子のおかしさに、宣伝使一同は吹きだす。
第十七章 有終の美(六二八)
- 常彦は、随所に滑稽をちりばめつつ、鬼熊別に降伏を促す宣伝歌を歌う。防戦の馬彦は、どっちの味方かわからない歌を歌い、攻撃側の加米彦に冷やかされる。
- 青彦が改心を促す宣伝歌を歌うと、それに応じて荒鷹が歌を返すが、その歌は、今まで自分が使えた鬼熊別・蜈蚣姫に改心を促す歌になっていた。
- 続いて音彦が宣伝歌を歌い、鬼鷹がそれに応じた。鬼鷹はこれまでの悪行を悔いて、瑞霊の恵みに立ち返るよう促す歌を歌い、天地に向かって合掌しつつ、嬉し涙を流しながらその場に倒れた。
- 鬼熊別の部下たちも、鬼鷹の歌に感激して大地にひれ伏した。続いて紫姫、悦子姫が宣伝歌を歌った。すると鬼ヶ城の高殿から火煙が上がった。見ると、鬼熊別と蜈蚣姫は天の岩船に乗り込んで東方の天に逃げて行った。
- 敵味方の士卒たちは三五教万歳の声を張り上げた。
霊の礎(三)
- 高天原の天国に昇る者は、地上にあるときその身内に愛と信との天国を開設しなければ、死後に身外の天国を摂受することはできない。
- 現実界にある間に、心身内に天国を造っておく必要がある。そのためには神を愛し、神を信じて無限絶対と合一しなければならない。人間は、無限絶対の一断片であるからである。
- 真神である天之御中主大神が、その霊徳を完備具足したとき、天照皇大神という。また撞の大御神という。
- 火の御祖神を高皇産霊大神と唱え、厳の御魂と申し奉る。
- 水の御祖神を神皇産霊大神と唱え、瑞の御魂と申し奉る。
- 以上の三神はそのご活動によって名称・働きに種々あれども、三位一体にして、天之御中主大神(大国常立命)に帰着する。
- 故に独一真神である。一神即多神、多神即一神であり、短く「主」という。厳の御魂は霊界人の主であり、瑞の御魂は現界人の心身内を守り治める主である。
- 死後の歓喜を受けるために、現実界で歓喜の生活を送ろうと思ったら、瑞の御魂の守護を受ける必要がある。瑞の御魂の手と口を通して示された言霊こそが、生命の清水である。
- 霊界物語によって、人は心身共に歓喜に咽び、永遠の生命を保ち、死後の歓楽郷を築くことができる。
- 天帝、すなわち主は、水火の息を呼吸して、無限にその生命を保ち、宇宙万有の生命の源泉となっている。
- 太陽は、また水火の息を呼吸して、恒温を万物に与えている。太陽神、太陰神、人間のそれぞれが呼吸する大気は、それぞれまた違っている。
- 現実界と精霊界では事象が違うのである。しかし互いに相似している。現実界は、精霊界の移写だからである。
- 高天原の天国は、主の位格によって高下の区別がある。主を見る各人の塵身また霊身の徳の不同があり、それによって上下・標準が定まるのである。天国には霊身の善徳によって種々の団体が築かれている。
- 天国外の罪悪不信の徒が主神を見ると、悪相に見える。
- 主神が天国の団体に姿を現すときは、天人の相に見えるが、他の天人とは天地の相違がある。
- 荒魂、和魂、奇魂、幸魂を主宰しているのが直霊である。四魂をまったく善と愛と信とに善動し活用するのを全徳という。全徳の霊身はただちに最奥天国に昇る。三徳が活用していると第二天国に進む。二徳は第一天国、一徳は最下天国に進む。
- 一徳一善もなき者は、草莽間に漂浪し、天の八街に彷徨するのである。
- 悪が強い不信不愛不善の徒は、その罪業の軽重に応じて、それぞれの地獄に堕し、罪相応の苦悶を受ける。
以上
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