とよたま愛読会167回
「如意宝珠 23巻
4章 〜 12章」
[前回
レポートへ] [次回レポートへ]
記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成22年8月22(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。
霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
拝読箇所
如意宝珠 23巻(戌の巻)第04章 長高説 〜 12章 家島探
★ 報告:
次回は第二十三巻の拝読が終わると思われますので、第二十四巻もお持ちください。
今回の拝読会は、MGNさん、SOTさん、NMTさん、DTCさん、SWTさん、ITGさん、そして私望月の七名を集めまして無事に行0われました。
また拝読会の後は恒例の暑気払いで楽しいひとときを過ごすことができました。皆様ありがとうございました。
物語は高姫が聖地で信者役員を集めて教主・言依別命一派を弾劾する演説を行うところから始まります。しかし加米彦や杢助らによって逆に自分の悪事を暴かれ、その場から一目散に逃げ去ってしまいます。
一方、紀の国では駒彦と秋彦の宣伝使(元・紫姫の従者の馬と鹿)が、偶然にも生き別れの両親・兄弟にめぐり合い、共に熊野の若彦館にやってきます。
高姫は若彦を亡き者にして、若彦館を探り、玉の隠し場所についての情報を得ようとしていました。玉能姫は、その陰謀を知らせに若彦のところに密かにやってきていましたが、それを追って高姫も現れます。
高姫は、若彦館で人々に無理難題を吹きかけて大騒ぎをしますが、つまみ出されてしまいました。
その後、高姫は今度は玉能姫が治める生田の森館に、部下を連れて現れ、玉能姫が不在の間に錠前を壊して中に入ろうとします。帰ってきた玉能姫に見咎められた高姫は、浜辺に行き、舟を出して玉を隠した島に渡ろうとします。
高姫は、玉は家島に隠されていると思い込んで舟を出しますが、嵐に遭って淡路島に打ち上げられたところを、玉能姫に助け出されます。高姫の部下たちは、高姫に愛想をつかした振りをして玉能姫を家島におびき寄せ、玉のありかを白状させようとしますが、木花姫命の神助によって玉能姫は島を脱出します。
★ 拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第二十三巻 如意宝珠 戌の巻
第一篇 南海の山
第四章 長高説(七一六) ちょうこうせつ
-
杢助は魔我彦と竹彦をひそかに聖地に連れ帰った後、表戸を閉ざして聖地の様子を窺っていた。また玉治別、若彦、国依別の三人も密かに聖地に戻って高姫一派の陰謀を探っていた。
- 高姫はそうとは知らず、聖地の役員信者たちに、緊急事態が突発したと触れ回って、錦の宮の八尋殿に集めた。
- 高姫は、集まった信者一同を前にいかめしく祭典を執り行うと、得意げに壇上に登り、教主言依別命がお節(玉能姫)や杢助を重用することに対して非難を始めた。
- 座中から加米彦が立って高姫に異議を唱え、秋山彦の館で沓島の鍵を盗んで如意宝珠の玉を呑み込んだ件をたしなめた。
- 高姫が加米彦に反論すると、加米彦は高姫に異議のある者は起立するように、と呼びかけた。すると満場の者が起立した。
-
高姫は、自分こそ変性男子の系統で日の出神の生き宮であるから、教祖の資格がある者だとますますいきり立つ。佐田彦と波留彦は立ち上がり、日の出神なら玉の隠し場所を透視せよ、と高姫に挑戦する。
-
高姫は壇上で、神に理屈を言う者は改心ができていない、魔我彦、竹彦の両宣伝使こそ改心ができた立派な宣伝しだ、とわめきたてる。そこへ杢助が魔我彦と竹彦を連れて現れる。
- 杢助は、魔我彦と竹彦の説には感服した、と高姫に告げる。高姫はてっきり杢助が自分の見方に付いたと思って居丈高になる。
-
しかし魔我彦と竹彦は、高姫の案に相違して、高姫の悪事の企みを壇上でしゃべってしまう。杢助に自分の企みを一同の前でさらされて、高姫は壇上から駆け下り、一目散に館に走り帰ってしまった。
-
そこに言依別命が現れて、一同に会釈すると神前に天津祝詞を唱え、皆は解散することになった。
第二篇 恩愛の涙
第五章 親子奇遇(七一七)
-
秋彦と駒彦の宣伝使は、日高山の山奥に滝があると聞き、荒行をなそうとやってきた。滝の側には竜神の祠があり、社の周りには、立派な実をつけた柿の木が生えている。これは竜神の柿といわれていた。
-
二人は社の前で鎮魂をしていたが、うまそうな匂いに、鎮魂が終わると柿をむしって食った。すると社が鳴動して怒鳴りつけられ、二人は驚いて元来た道を逃げて行った。
-
夜が明けると、谷川で衣を洗う白髪異様の婆がいた。見ると、婆の頭からべっこうのような角が二本生えている。二人は谷を通らなければならないので、用心しながら近づいて婆に声をかけた。
-
婆は驚いて二人を見ると、いきなり二人を泥棒呼ばわりし始めた。秋彦が憤慨すると、婆は先日、バラモン教の宣伝使だという二人連れが泊り込んだが、夜中に強盗を働き、一人娘を殺して金品を奪っていったのだ、と答えた。
-
そしていきなり娘の敵、と二人に飛びかかろうとする。駒彦は、自分たちは三五教の宣伝使だ、と言い返し、鬼婆の報いとして自分の子を取られたのだろう、と諭した。
-
駒彦が、自分は元の名を馬という紀の国生まれの者だ、と言うと、婆は何か心当たりがあるものらしく、態度を変えて自分の家へ来てくれと二人に頼んだ。婆の角は、泥棒を脅して寄せ付けないように被っていただけであった。
-
秋彦は合点がゆかず、婆の家に入らず表で警護をしている。家の中では爺がいて、前のようなことがあるから旅人は泊めないと言うが、婆は紀の国出身で息子と同じ名前だというから連れて来た、と答えた。
-
爺が駒彦に生まれのことを尋ねると、駒彦は小さい頃に天狗にさらわれたが、自分が持っていた守り袋に常、久という字があり、自分の名前は馬楠と書いてあったのだ、と明かした。
-
その話で、駒彦は爺・常楠と婆・お久の息子であることがわかった。三人は涙にむせぶ。家の外で話を聞いていた秋彦も、入ってきて駒彦が両親に対面できたことを喜び、感謝の祝詞を唱えた。
第六章 神異(七一八) しんい
- 駒彦と秋彦は、常楠の家に三日間逗留していた。三日目の朝に、村人が、宣伝使が泊まっていないかと訪ねて来た。
- 聞くと、二人の宣伝使が竜神の柿を食ったため、竜神から酋長に二人を捕らえて人見御供にするように、との命令が下ったとのことだった。
-
竜神に不調法があると村を荒らされるとのことで、常楠は自分が身代わりとなろう、と言う。それを聞いた駒彦は、柿を取ったくらいで村を荒らすのはてっきり邪神だろうから自分たちが退治しようと言い、秋彦も賛成する。
- 常楠は、竜神は八岐大蛇の一の子分だというからとうてい敵わないだろう、と嘆き悲しむ。駒彦と秋彦は、酋長の捕り手が来るのを待っていた。
- 酋長の木山彦が捕り手を連れて現れた。木山彦は竜神の二人の運命に遺憾の意を表する。駒彦と秋彦は酋長の心中を察して、進んで人身御供を申し出た。
-
常楠は木山彦に、駒彦は長い間探し求めていた自分の息子であることを明かした。木山彦はそれを聞いて同情の意を表し、そして自分にも鹿という子があったが幼い頃に神隠しに遭ってそれ以来行方不明なのだ、とふと漏らした。秋彦はそれを聞いてはっと思い当たる。
-
駒彦と秋彦は用意された白装束に着替えると唐びつに自ら入り、竜神の宮に運ばれていった。常楠夫婦は嘆き悲しみつつそれを見送り、自分の家に帰ると、押入れの中から駒彦と秋彦が現れた。
-
驚いている常楠夫婦に、駒彦は、大神様への祈願を凝らしたところ、白狐明神が現れ、身代わりとなって邪神退治に行ってくれたのだ、と明かした。四人はここを立ち去って隠れることとし、常楠は家に火をかけた。一行は日高川沿いに向かっていった。
-
一方、二人を竜神の人身御供に供した木山彦は、家に帰ると妻の木山姫に今日のことを話し出した。木山彦も、逃げた村人の償いとして二人の娘を竜神の人身御供に取られ、男子は幼い頃に神隠しに遭っていた。
-
木山彦は、竜神の人身御供に差し出した秋彦が、自分の息子の鹿であることを見抜いており、そのことを木山姫に明かした。そして夫婦は自分たちの運命に泣き崩れていた。
-
そこへ小頭の助公が急ぎ走ってきて、二人の宣伝使が竜神を打ち負かして谷川へ投げ込んで退治したことを報告した。宣伝使の二人は、助公にこのことを酋長に報告し、今後は人身御供の必要がないことを告げるように、と言い残してたちまちどこかへ姿を隠してしまったという。
-
酋長はこれを聞いて喜んだ。助公は、宣伝使が落としたものとして古い守り袋を差し出した。それを改めた木山姫は、確かに自分たちの息子の鹿のものだと認めた。木山彦は木山姫と共に、熊野にお礼参り出発した。
第七章 知らぬが仏(七一九)
-
駒彦と秋彦の二人は、常楠夫婦を連れて、栗栖川のほとりの栗栖の森に着いた。老人の常楠は疲れを覚えて、にわかに胸腹部の激痛を感じて発熱してしまった。一行は栗栖の宮に立ち寄って、介抱に尽くすことになった。
- 二人の宣伝使は栗栖川の上流に良薬があると聞いて、薬草を求めて山深く入って行った。お久は一人宮に残って、常楠の看病をしている。
- すると夜更けに宮の縁側に覆面をした男が二人現れ、ひそびそ話を始めた。それは数日前に常楠のところに押し入ったバラモン教の虻公と蜂公だった。
- お久はてっきり、駒彦と秋彦が戻ったのかと思って二人を中へ入れようとしたが、虻公と蜂公の顔を見て悟り、懐剣を抜くと逆手に構え、娘の敵を討つと凄んだ。
-
しかし長刀を抜き放った二人に詰め寄られてしまう。そこへ駒彦と秋彦が戻って来て、虻公と蜂公に霊縛をかけた。二人が持ち帰った薬草で、常楠はみるみるうちに恢復した。
-
常楠は霊縛された二人を見て、娘の敵とは言いながら憐れを催し、改心を促した。駒彦と秋彦も改心を促して、霊縛を説いた。虻公と蜂公は床に頭をつけてすすり泣いて懺悔をなす。
-
常楠は、自分が娘の敵といって二人を成敗したら、二人の両親が嘆くだろうと言って、親に免じて改心をするようにと諭した。そして、二人の生まれ育ちを聞きただす。
-
虻公は印南の里の森に捨てられていて、情け深い里人に拾われて育てられたが、大恩ある育ての親も六歳の頃に病気で亡くなってしまい、それからは放浪して悪事に染まってしまったと身の上を明かした。
- 虻公は捨てられていた自分に添えられていた守り刀に、常という字が印してあったのが唯一の手がかりだ、と明かした。
-
常楠はその守り刀を見せてもらうと、紛れも無く自分の家紋が記してあった。常楠は、若い頃に下女に産ませた子を、守り刀と共に捨てたことを懺悔した。虻公は、駒彦の母違いの兄弟であることが明らかになった。
- 常楠はお久に詫びをするが、お久も懺悔して、嫁ぐ前に親の許さぬ仲の男との間に子をもうけ、熊野の森へ捨て子したことを明かした。
-
それを聞いた蜂公は、自分は熊野の森に捨て子されていたのを、山賊の親分に拾われて育ち、今に至るのだと身の上を語った。そして、今は取り落としてしまったが捨て子の自分と一緒に添えられていた守り刀に、蜂という印があり、それで蜂公と呼ばれるようになったのだ、と明かした。
- お久はそれを聞いて、蜂公が自分が捨てた子であるとわかった。一同は秋彦の導師で感謝祈願を奏上した。
第八章 縺れ髪(七二〇) もつれがみ
- 一方、熊野に向かった木山彦夫婦は、熊野の滝にて息子の鹿に会わせてくれるようにと願をかけて行を行っていた。
-
二十一日の水行を終えた夜中に、馬のひずめの音と共に中空を駆けて、七八人の神人が現れた。そして夫婦に向かい、熱誠に免じて息子に会わせてやるが、夫婦共に前非を悔いて天則違反の罪を自白せよ、と告げた。
-
木山彦は、壮年のころにひとりの女と夫婦の約束をし子供をもうけたが、振り捨てて今の女房をもったことを懺悔した。そのため秋彦は継母が来たので六歳の頃に家を飛び出してしまったことを明かした。
- 一方木山姫は、嫁ぐ前に親の許さぬ仲の男の子を産んだが、子を男に預けてそのまま身を隠したことを懺悔した。
-
神人は、親子の対面を許すほどに信仰に励むように、と二人に言い渡して姿を消した。そこへ常楠夫婦、駒彦、秋彦、虻公、蜂公がやってきて、滝で禊を始めた。夜陰のことで、木山彦夫婦はただ、熱心な信仰者がやってきたものと思って夜を明かした。
-
夜が明けると、木山彦は常楠夫婦と駒彦、秋彦の姿を見つけて声をかけた。そして、秋彦が自分の子供であることを明かして親子の対面を果たした。常楠は涙を流して祝意を表した。一同は無言のまま滝に手を合わせて熊野大神に感謝の祈願を祈っている。
-
このとき麗しい雲が起こり、一柱の女神が現れた。女神は、駒彦は常楠とお久の子であり、秋彦は木山彦とお久の子であり、虻公は常楠と木山姫の子であり、蜂公は木山彦とお久の子であることを告げた。
-
女神は、いずれも天則違反から生まれたため、神界の罪により今日まで親子の対面を果たすことができなかったが、信仰の力によって罪が許されたのだ、と明かした。そして自分は天教山の木花姫命であると明かすと、姿を消した。
- 一同は神恩に感謝しながら、若彦の館を指して進んで行く。
第三篇 有耶無耶
第九章 高姫騒(七二一) たかひめさわぎ
-
若彦の館の門を潜って一人の女が入ってきた。門番がとがめると、女は門番をたしなめて足早に奥に入って行った。女は玄関番の久助と言い争い、そこへ若彦が現れて女を見ると、はっとして奥へ通した。
-
女は若彦の妻・玉能姫であった。玉能姫は、高姫が若彦に対して陰謀を企んでいる危急を知らせに来たのであった。玉能姫は、高姫またはその使いが食べ物を持って来たなら、決して口にしてはならない、と告げた。
- 若彦は承知して、玉能姫に礼を言う。そこへ玄関に騒々しい争いの声が聞こえてきた。高姫がやってきて、玉能姫がここへ来ただろうと怒鳴っている。
-
高姫は奥へ勝手に入ってきて、若彦と玉能姫が会談している部屋に現れた。そして憎まれ口を叩いている。高姫は二人を脅したりすかしたりして、玉の隠し場所を白状させようとする。
-
若彦は怒り、玉能姫は去ろうとするが、高姫は食ってかかって怒鳴りたてる。そこへ常楠夫婦、木山彦夫婦、秋彦、駒彦、虻公、蜂公がやってきて、奥の争い声を聞いてやってきた。
-
一行は若彦の前に平伏する。高姫は皆が陰謀を企てにやってきたのだろう、と非難を始めるが、駒彦、秋彦は何のことやらわからずに途方に暮れている。久助が一行を大広間に案内しようとすると、高姫はまたもや言いがかりをつけて一行の行く手を阻む。
- 秋彦と駒彦は、自分たちは教主・言依別命に絶対服従しており、若彦を玉能姫を崇敬していると言って高姫を無視して通ろうとした。
- 高姫は怒って秋彦と駒彦のえりを掴んで引き倒した。それを見た常楠は怒って、大力に任せて高姫の襟首を掴み、館の外へと放り出した。
第十章 家宅侵入(七二二)
-
高姫は熊野の若彦館で、人々に無理難題を言って放り出され、すごすごと帰ってきた。今度は部下を四人引き連れて、生田の森の館にやってきた。元の杢助館で、今は玉能姫が守っている。
- 高姫は、生田の森の館の錠をねじ切って中に勝手に入ろうとしていた。そこへ玉能姫が、虻公と蜂公を従えて戻って来て、高姫を見咎めた。
- 高姫と玉能姫は、入れろ・入れぬで言い争いになる。高姫は憎まれ口を叩きながら生田の森の館を去ると、浜辺にやってきた。そこで玉能姫が所有の舟を見つけた。
-
高姫が舟に乗ろうとしていると、舟の監督を任されている船頭たちがやってきた。船頭たちによると、玉能姫は月に一回、この舟に乗ってどこかに出かけるのだという。
- 高姫は、玉能姫の船出の日数から、どの島に出かけているかを聞き出す。船頭たちは家島だろうと答え、高姫はてっきり玉は家島に隠してあると思い込む。
-
高姫は船頭たちに、この舟を出してくれるように頼むが、船頭たちは杢助や玉能姫から厳しく言われているからと断る。高姫はあきらめた振りをして森の方に去ったが、船頭たちが行ってしまったのを見届けると、勝手に舟を出してしまった。
-
玉能姫は、船頭たちの報告を聞いて来て見ると、舟が無くなっている。玉能姫は虻公と蜂公に留守を言いつけると、自分は高姫を追って家島に行くのだ、と言い残して舟を出した。
第十一章 難破船(七二三)
- 高姫は舟に乗り、もう玉を手に入れたも同然と得意になっているが、四人の部下は舟をこぐのに疲れて文句を言い始める。
- たちまち雲と風が起こり、高姫の舟は暗礁に乗り上げて木っ端微塵になってしまった。玉能姫は淡路島の磯端に着いてその夜は風をやり過ごした。
- 夜が明けると、うめき声が聞こえてきた。見ると浜辺に高姫ら五人が打ち上げられて苦しんでいる。玉能姫は鎮魂をして五人の息を吹き返させた。
- 高姫は自分を助けたのが玉能姫だと知ると、またしても憎まれ口とともに食ってかかり、教主や杢助にも悪態をつきはじめた。
-
高姫の部下の四人は、命の恩人に対する高姫の悪口に愛想が尽きたと言って、玉能姫の弟子にしてくれと頼み出す。玉能姫は人の弟子を横取りすることはできないと言って断り、高姫と一緒に舟に乗って戻るようにと促す。
-
しかし高姫は断固として断り、あくまで家島に行くと言ってきかない。そこへ船頭がやってきて、難船したなら乗せてあげようと声を掛ける。高姫は渡りに舟と船頭の舟に乗って行ってしまう。
- 玉能姫は四人の男を乗せて、高姫の舟の後を追った。
第十二章 家島探(七二四) いえじまさがし
-
高姫を乗せた舟の船頭は東助といった。高姫は東助に、家島まで急ぐようにと言いつけた。途中、高姫は饅頭を伏せたような島が目に入って、島の様子を東助に尋ねたが、東助が神島は船頭に恐れられていて誰も足を踏み入れるものはいない、と答えると、高姫はやはり玉の隠し場所は家島に違いないと思い込んでしまった。
- 家島に着くと、高姫は山林の中に姿を隠してしまった。東助は煙草を吸いながら浜辺で待っている。そこへ玉能姫らが追いついてきた。
- 鶴公は東助に、高姫がどこへ行ったかしきりに尋ねた。東助がとぼけると、高姫はてっきり山に登って行ったに違いないと、玉能姫を山に登らせようとする。
-
玉能姫は急ぐことはないので休息しようと言う。玉能姫は、玉は竜神がどこかに持って行ってしまったので、本当のありかは自分は知らないのだが、高姫が心配で追って来たのだ、と明かした。そして、もっと日の当たるところで休息しようと二三町ばかり山を登ったところで腰を下ろした。
-
一行は雑談にふけって時を費やすが、ついに貫州が正体を表し、実は高姫を示し合わせて玉能姫をここにおびき寄せたのだ、と脅しにかかる。玉能姫は、そんなことは淡路島ですでに見抜いていた、と笑う。
-
貫州たちは何とかして玉能姫を山に登らせようとするが、玉能姫は男たちを突き飛ばして坂を走りくだって逃げる。後からは男たちが追いかけてくる。坂の下では、高姫が現れて手を広げ、行く手をさえぎった。
-
玉能姫は危機に陥り、木花姫命に祈願を凝らした。すると辺りは濃い霧に包まれ、玉能姫は逃げることができた。後を振り返ると、高姫一行の周りだけに霧がかかっている。
-
玉能姫が磯端に着くと、虻公と蜂公が助けに来ていた。玉能姫は自分の乗ってきた舟に乗ると、東助の舟の綱を解いて流してしまい、虻公、蜂公とともに帰って行った。
以上
[前回
レポートへ] [次回レポートへ]
[拝読箇所一覧] [愛読会の紹介] [オニ(王仁)の道ページ]