旅の記憶 2006 夏 Part3 『ミコノス島 上陸!』

    

8月10日の早朝・・・

アテネ郊外の「ピレウス港」を出航した大型客船「BLUE STAR LINE ITHAKI 号」。

目的地「ミコノス島」までの乗船時間は約5時間半・・・

途中「シロス島」を経由して「ミコノス島」へと上陸する。

 

やはり、エーゲ海には神秘的な美しさが漂う・・・

僕は甲板に陣取り、青い空と青い海をずっと眺めていた。

日本の海と違い、太陽の光も海風もホントにカラッとしていて

逆に暑さがとても心地よい!

 

外の景色を存分に満喫した後、客船の中をうろついた。

乗船した多くの人はイタリア系の若者が7割をしめ、

他はギリシャ人、カナダ人、ドイツ人、中国人などなど・・・

日本人はどうやら僕一人のようだった。

しかしながら、陽気な連中が多く、船の中は大にぎわい!

売店でホットドックとビール、そしてミネラルウォーターを買い込み

再び甲板へ・・・

 

美しすぎる航海はあっという間に過ぎ、出航から4時間半ほどで

経由島の「シロス島」へ船が着く。

「シロス島」はキクラデス諸島の中で最も大きい島。

他の島々への経由地的な存在になっている。

でも、そんなに下船するひとはおらず、船は多くの人を乗せ

「ミコノス島」へ出航する・・・

 

20分ほどすると「ミコノス島」の島影が水平線近くに見えてきた。

なんとも言えない心躍る気持ちが僕に襲いかかる・・・

 

しかし、港に近づくにつれ、昔の記憶にある風景と

ちょっと違うことに気が付いた・・・

白塗りの壁の家が綺麗に建ち並び、船からの眺めが一番美しかった

あの港と違うのだ・・・

そのわけは下船してから分かったんだけど、ミコノス島は船の交通量が増え

島の中心街、「ミコノス・タウン」の側にあった港以外に

もう一つ新たな港を作ったようだ。

僕が下船した港は、その旧港から5キロほど離れた

新しく作られた港だったので、昔の風景と違って見えたのだ・・・

 

港には多くの『宿の客引き達』が待ちかまえていて、

僕も今夜の宿は彼らをあてにしていた・・・

いろんな客引きに声をかけられたが、びっくりしたのは値段が以上に高い・・・

10年前に来たときは、日本のホテルの半分くらいの値段だったのに・・・

 

どうやら、ギリシャも通貨がドラクマからユーロに変わり、

さらにギリシャ国内でも人気のある「ミコノス島」は、

ちょうどハイシーズン!などの条件でホテル代は日本の倍以上の

値段にふくれあがっていた・・・

あらゆる客引きに値段交渉をしてみたが、どれも信じられないような値段を提示し、

まけるように言ってもほんの僅かしかまけてくれない・・・

 

そんなこんなで15分くらい様々な客引きと交渉をしたが、どうにもならず

「仕方なく値段の高いホテルに・・・」とあきらめかけたとき、

汗をいっぱいかいた、かなり太ったおじさんに声をかけられた。

「うちはプールもラウンジもあっていいホテルだけど、トイレ、シャワーが

付いていない部屋なら一部屋空いているよ!

トイレもシャワーも共同でいいなら、その値段でいいよ!」と・・・

僕が提示した値段は日本円で1人あたり 10,000円・・・

交渉した中で一番安かったので、交渉成立ということで送迎ワゴンに乗り込んだ。

 

「今日はゆっくりミコノス島を満喫しよう!」と僕はありとあらゆる計画に

想像を膨らませてワゴン車は走り出す・・・

この後、僕はとんでもない不運に見舞われるという運命も知らずに・・・

 

Part4につづく・・・

 

拝 マーボ

           2006年9月13日 0時20分 自室にて