旅の記憶 2006 夏 Part4 『ミコノス島での憂鬱』

 

8月10日の昼下がり・・・「ミコノス島」へ上陸!

客引きのおじさんが促したワゴン車に乗り込み、久々にミコノスの風景を目の当たりにした・・・

やはり、時間がゆっくり進んでいるような、穏やかな風景だ。

ホテルへは港から車で5分くらい・・・

「ミコノス島」の中心街、ミコノス・タウンへは歩いて15分くらいの場所だった。

 

さっそくフロントへ案内されると、ロビーも広めで、ラウンジもありいい感じ!

パスポートをフロントに預け、部屋へと案内される。

すると・・・

「えっ?ホントに?」と思うほどの部屋を目の当たりにした。

4畳ほどしかない部屋にベッドがひとつ・・・おまけにカビくさい・・・

まさに住み込みの人がタダで使うようなひどい部屋だった。

さらに、その客引きのおじさんがドアの鍵を修理している始末・・・

ホント、安宿のユースホステルのほうがまだ全然マシ!

この部屋が日本円で10000円はありえないと・・・!

 

僕はその場でホテルを変えようと思ったが、パスポートもフロントに預けてしまい、

断るとなんか面倒なことになりそうなので、そのおじさんに何とかホテル代をまけるよう要求した。

しかし、こちらがいくら言っても聞き入れず・・・

そして、汗だくになって鍵を修理している様子に、僕は何も言えなくなってしまい、

仕方なく1泊だけすることにした。

明日は少し割り高でも、もう少しいい部屋に恵まれるようなホテルへと・・・

とりあえず、部屋にいても気分が滅入るだけなので、早速タウンへと足を向けた。

知らない土地を歩くのはあまり苦にならないので、きれいな海と風を感じての歩行は心地よかった。

 

しばらく歩いて街へ入ったところで、まずはあてにしていたレンタルバイク屋へと足を踏み入れる。

島巡りにバイクは僕にとってホテルより必需品!明日のホテルもバイクで探そうと思っている。

ところが・・・

どこのバイク屋もバイクが空の状態で、かなり雲行きがあやしくなってきた。

タウンに近いあらゆるバイク屋を2時間ほどかけて訪ねたが、

どの店も空の状態で、さすがにこれには参った・・・

 

そう、「ミコノス島」はここ数年で大人気の島になり、8月はまさにハイシーズン・・・

物価も以上に高騰し、世界各国からの観光客で溢れかえる。

特にイタリアの若い連中が多勢で押し寄せ、朝までかなり騒々しい・・・

そんな連中が島中のバイクをレンタルしてしまい、どの店にもない始末だった・・・

 

仕方なく、キクデラス諸島特有の風車や、白壁に青い屋根の建物が所狭しと立ち並ぶ

ミコノス・タウンを歩き回った。

ミコノス・タウンは小さな街だが、細い路地が迷路のように入り組み、

自分が今どこを歩いているのかが、分からなくなってしまう不思議な所だ。

とにかくよく歩いたのと、空気が乾燥しているのでミネラルウォーターは必需品。

さらに、思っていた予定がだいぶ狂ってしまったので、やけになりビールもガンガンに飲んだ・・・

ほろ酔い気分で街をくまなく歩き、とりあえずいくつかの写真を収めた。

歩いていても観光客の喧噪だけで、僕が当初望んでいた島特有の

のんびりした感じはまったく感じられない。

やはり、バイクを借りてタウンから少し離れないと・・・

 

僕は思いきって「明日は他の島へ移ろう!」と決意する。

とはいっても、当初から「ミコノス島」を目的とした旅だったので、

他の島の情報なんてもんは知るよしもない・・・

とりあえず、明日のいい時間帯に出発する船に乗ろうと思い、旅行会社へ足を踏み入れた。

そして、「ミコノス島」から船で1時間ほどの「パロス島」行きが朝10時に出航するとのことで、

その島へと決め、チケットを購入。

そんなこんなで、あっという間に時間は過ぎ、沈みかけの夕日を背に憂鬱なホテルへと戻った。

大きな不安と迷いを抱き、明日の朝が早く訪れてくれるよう願いつつ、

ミコノスでの1日が終わった・・・

 

 

Part5へつづく・・・

 

拝 マーボ

           2006年9月21日 21時26分 自室にて