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    XANADU 『 e-なんとか』 2000/01/22 号
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◆ 今週の私的出来事
◇ ケンシロウ進数と幼児語
 計算機屋の特殊算数として、2進数というものがあります。計算機内部で状態
を0か1で判断するため、これを示すのに使います。ただ2進数ですと英数字1
文字示すのに8桁(7桁?)もかかるので、これを4桁(or 3桁)を1桁にまとめて
表すのが16進数(or 8進数)というもの。
 例えば 1038 = 01001110(2) = 116(8) = 4E(16) となります。

 この2進数のお遊びが、以下に示す「ケンシロウ進数」です。変換プログラム
まで作ってしまうのもどうかと思いますが、まあ軽い冗談としてお楽しみ下さい。

http://www.asahi-net.or.jp/~rc4t-ishr/kensiro.html
http://fumisa.haun.org/glossary/hokuto-radix.html
http://www2.plala.or.jp/eisei/D/lib.htm

 幼児語のほうは、以下の URL です。昔から日本語フィルター的な遊びはあっ
たのですが、 web サイトが変換できるというアイディアは面白いですね。

  http://to.ma.to/cgi/yojigoka.htm

◇コロンブスの卵
 携帯電話の電話帳エディタは 98 年ぐらいから随分流行りましたが、それの
新種を発見しました。

 スケジュールとか To-Do を PC で管理し、それを携帯電話で参照するとい
うこのソフト、何とどんな携帯電話でもOKと銘打っています。「どうするん
だろう」と思ってパッケージをじっくり見たら、何と電話帳にスケジュールデー
タを転送するではありませんか。

 まさにコロンブスの卵。使い勝手が良いかどうかは別として、名前欄に要件、
電話番号欄に日時を設定すれば PDA として使えるとは...

 個人的には指定日時にアラームが鳴らないと困るので、このアイディアも無理
があるとは思いますが、まあ着想の1つの例として御紹介です。限られた制限の
中だからこそ、アイディアが生きるんですな。
 お近くのパソコンショップにて、探してみて下さい(URL 不明です)。

◇クルーゾー
 去年は Linux ですっかり有名になった Linus 氏。彼がこっそり参加していた
会社はそのプロジェクト内容がずっと秘密だったのですが、遂に 1/19(ちなみに
私の誕生日)に発表がありました。
 どうやら x86 互換(にもなる)CPU 、コード名「クルーゾー」をリリースする
ようです。しかも省電力機能を売りとした、モバイル対応チップです。前日に
intel が新型のモバイルペンティアム III を発表した直後のこの発表、あまり
一般のマスコミは騒ぎませんが結構大事(おおごと)になる予感がします。
 チップ開発の発表だけなら何でも無いのですが、実は既に IBM にて生産も開
始しているらしく、秋にはこのクルーゾー搭載ノートパソコンが実際に販売され
る(Thinkpad?)そうです。

◆ e-なんとか
 先週のお約束は CD-R だったのですが、ちょっと気が変わって e-ビジネスの
話をしましょう。

◇ e-コマースはどこへ?
 話題になってから、随分経つ感じのある e-コマース。全然身近になった感じ
はしません。何故なんでしょう。よーく考えてみると、「いらないから」じゃな
いでしょうか?
 インターネットでのオンラインショッピング。何か物が送られてくるのなら、
その時に代金引換にすれば良いし、銀行振込/郵便為替/クレジットカードと
都合によっていくらでも支払方法はあるのです。元々通信販売には何十年もの歴史
があり、e-コマースなんて無くてもやってきたのですから。
 e-コマースが本当に必要になるとき、それは商品そのものがオンラインでやり
取りできる時です。プログラムや音楽のオンライン販売、これらデジタルデータ
そのものが売買されるとき、初めて e-コマースに意味があるのでしょう。

◇ e-ビジネスに実体はあるのか?
  IBM の CM を見て「ああ、 e-ビジネスってそういうものか」と思った方も多
いでしょう。確かに「世界を相手に、無店舗で商売」という話は魅力的に映りま
す。でも、単にそれだけなら通信販売とどこが違うのか?
 部品調達の CM も、意味不明です。大阪の小さな部品メーカーが一番安かった
という話を資材調達のプロが本当に知らないはずは無く、別に大阪の部品メー
カーが web サイトや電子メールでの受注をしていることとは何の関係もありま
せん。逆に急な飛び込み調達をして部品品質や納期に問題が出れば、少々の部品
単価などあっという間に飛んでしまいます。
 まあ CM ですから 30 秒で可能性を提示すれば良いのでしょうが、それにして
もどうも誇大広告のような気がします。実際 e-ビジネスの最大の成功者と称さ
れるアマゾン・コムは、未だに赤字の経営を続けています。インターネット関連
の新興企業は、そのほとんどが株価の急上昇により景気の良い様に見えますが、
マーケットの過大な期待に答えるだけの実績は出ていません。

◇ e-なんとかの流行
 で、流行が大好きな業界は「 e-なんとか」ブームです。どうやら IBM も
「 e-ビジネス」という言葉で商標登録はできなかったらしく、他社も盛んにこ
れを使いキャッチフレーズとして定着させようと躍起です。 Y2K の暗雲も払拭
でき、情報関連投資はこれからが本番。当分は新しい「 e-なんとか」のネタに
は苦労しない様です...まあ皆さんのお手並みを拝見、と言うところですか。

◇ e-bay 世界規模の市場
 一方、私が注目しているのは e-bay です。 e-bay はインターネットを使った
世界的なオークションサイト。と言っても何億円もの美術品を専門家が競り落と
すのではなく、どちらかと言うとフリーマーケットに近い形態です。
 国内にも同じような形態のサイトができ始め、国内でのブレイクも時間の問題。
地球規模で個人の不要品を一番欲しい人に販売できるこのシステム、色々と問題
もあるでしょうが底知れぬ画期的な流通の可能性を示しているような気がします。
 現在の消費型社会は、ある程度「無駄なもの」でも売れることを見越して作ら
れています。それが e-bay 的新流通により激減すると、やはり社会構造自体の
見直しを迫られそうで...
 着実に変化はやってきます。どれが本物でどれが偽物か。よーく考えてみたい
ものです。

◆ 次回予告など
 来週こそ CD-R にしましょうか?

◆ お知らせ
  XANADU では随時、ご意見/ご感想/ご寄稿/リクエストを募集中です。
 お気軽に mailto:saito_makoto@hi-ho.ne.jp してください。

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  XANADU (廃刊ザナテックス)
 発行元:会社勤めのしがない職業プログラマ:齋藤 誠
本メルマガ情報は http://www.hi-ho.ne.jp/saito_makoto/
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