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   XANADU 『失敗と責任』 2000/08/26 号
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  XANADU 読者の皆さん、おはようございます。先週号の発行が遅くなり、そ
の後「夏のシエスタ」状態の私はついに1週お休みをもらいました...まあも
う1年以上も続けており、ここらで1回ぐらいは見逃して下さい。

 今週号はちょっとパソコンから離れ、「失敗と責任」と称して最近のニュー
スを例に XANADU 風に考えてみます。

◆ 今週の出来事
◇ 恐るべし i モード
 ついに 1000 万台突破らしいです、 i モード。しかも毎日 5 万人近く利用者
が増えているそうで、何とも恐ろしすぎます。ここまで早い普及を見せるものが
他にあったでしょうか?何となくムズムズしてきました。

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/806049/i8382815b83h-0-14.ht
ml

◇ MP3 に代わる完全フリーのフォーマット
 「 Ogg Vorbis 」という新フォーマットが登場しました。 MP3 に代わる完全
にフリーな形式です。 MP3 はフリーじゃないの?と言う声が聞こえてきそうで
すが、実はそうではありません。今後、一度特集を組もうと思いますが、すぐに
知りたい方は以下の URL をどうぞ。

  http://www.zdnet.co.jp/news/0008/24/oggvorbis_m.html

◇ CD-R と CD チェンジャー
 車の CD チェンジャーと CD-R の事について、結局 CD チェンジャーの買い替
えと言う形で決着がつきました。これも日を改めて特集します。 SONY からの回
答メール等もあり、結構面白い内容になる予定(?)です。

◆ 特集 失敗と責任
 最近マスコミを騒がす、さまざまな失敗があります。当然それに対して出てく
る話は、「責任」と言う言葉。しかしあまり「見事な責任の取り方だ」という例
には遭遇できず、ほとんどは不満が残る解決だったりします。
 さて、数々の問題は、いったい何が本当の問題だったのか、また責任の取り方
はどうなのかを、 XANADU なりに面白く(?)切ってみましょう。

◇ ショッカーと原潜
 夏休みの午前中はTV局も番組製作が夏休みなのか、再放送が多い時間帯です。
今年は何と初代仮面ライダーを放送しており、ついつい親が見てしまっています。

#最初の頃はショッカーの戦闘員って、ちゃんと登場する改造人間にちなんだ
 マークのワッペンを額に張っていたのですね...今は死神博士が登場し、戦闘
 員の額もワシのショッカーマーク一辺倒になっていますが。

 久しぶりに見る仮面ライダーは結構新鮮ですが、一番感心するのはショッカー
の科学者の姿勢です。毎回怪しい毒薬を作って、罪の無い人がそれで瀕死になる
のですが、ちゃんと「解毒薬」をセットで作っていることが多いのです。たまに
は仮面ライダー(=一文字隼人)本人がその餌食になるのですが、相棒の滝がシ
ョッカーの秘密基地から解毒薬をかすめて来て、事無きを得るわけです。
 もちろん大人の目で見れば「番組の都合」ではありますが、きっとショッカー
の科学者たちはそれなりの良識があるのか、内規できちんと決まっているのかの
どちらかでしょう。立派なものです。

 それに比べて情けないのは、ロシア海軍の原潜クルスクの事故です。敗戦直前
の国ならともかく、平時の軍隊が通常使う兵装の事故に対し「解毒薬」に相当す
る装備を持ち合わせていないのはどうしてでしょうか?人間が作った物に乗って、
人間が操縦している以上、必ず事故は発生します。それを見越して準備してある
からこそ、原潜の配備に意味がある訳であり、それが出来ない経済状態なら配備
そのものを止めるべきなのでは無いでしょうか?関係高官が引責辞任という話も
聞きますが、「責任」は救助用の特殊潜水艦予算を確保するか、原潜配備そのも
のを見直すか、どちらかで取るべきでしょう。誰かが辞めても何の意味がありま
すか?

◇ 雪印とその他の食品メーカー
 雪印の関係者、特に現地の技術者の皆さんはやっと胸を撫で下ろしていると思
います。事故から2ヶ月近く経ち、やっと食中毒の原因がはっきりしたのですか
ら...

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/806047/90e188f3-0-8.html

 当初、大阪の工場のバルブ清掃が手順通りに行われていなかった等が問題にな
り、その件を謝罪していましたが、私にはどうも雪印側の説明が腑に落ちません
でした。恐らく現場の技術者も、納得はしていなかったのでしょう。「確かに手
抜きはしてたけど、どうして毎月同じようにやってきたのに、今回だけ食中毒が
出たのか?」という疑問は技術者の目で見れば当然のことです。
 と、同時に嫌な予感もしていたはずです。「手抜きをやめてきちんと生産して
も、真の原因が不明なままではまた同じ事故が起こる可能性がある」ということ
です。
 調査結果は大阪府警から発表されていますが、実際には雪印の技術者がこの2
ヶ月必死で調査したに違いありません。マスコミもそういう努力を取材してはど
うでしょうか?雪印と言う企業は失敗があったと思いますが、「真の原因追求=
お客様の安全確保」と言う観点では、その責任の取り方は立派だったと思います。
企業トップは、「引責辞任」も結構ですが、こういう現場の人間の邪魔をしない
様にして頂きたいと思います。

 その他の食品メーカーは、色々とばっちりを食っていますね。別に急に異物混
入事故が増えているわけではなくいつも通りだとは思うのですが、マスコミが何
でも取り上げるので大げさになっている感があります。もちろん混入しない方が
良いのは確かですが、そのための生産コストを考えたことはあるのでしょうか?
絶対に異物が混入しない生産ラインを維持するには、それなりのコストがかかり
ます。それは全て物の値段に上乗せしてくるのですから、あまり騒いで食品の値
段を上げるのもどうかと思いますねえ...

◇ 医療ミスと医師免許
 昔、と言っても明治の少し前まで、医者という商売は庶民の一つの仕事に過ぎ
ませんでしたし、場合によっては髪結い(床屋)がついでにやってたような仕事
で、「町医者」と呼ばれていました。所が今では急に「お医者様」となり、聖職
扱いとなっています。

#「先生と 呼ばれるほどの 馬鹿でなし」という川柳もありますが...

 医療ミスについても、失敗そのものは数は減らせても撲滅は無理でしょう。し
かし失敗を認めてそれが減る対策を講じる事が「責任」の取り方であり、そこが
曖昧なのが何とも歯がゆく思います。また医者の力量については、もう少し定量
的に判断する基準が必要だとも思います。
 定量的にデータを集め、それを分析しないと「有効な対策」が出来る訳は無い
のです。「不注意でした、これから気をつけます」で済む仕事ではないのです。
医師免許も交通免許証と同じように減点制にして、免停やら取り消しやらの処分
をしてはどうでしょうか?日本医師会は相手の医者に注意は出来ても、医師免許
取り消しの権限は無いそうで、その辺りの矛盾も感じます。

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/806049/88e38et96c68b96-0-1.
html

#ちなみに弁護士は弁護士会から除名されると、弁護士の資格も剥奪されます。

◇ 良い責任の取り方
 もう数年前になりますか、TVのお昼のワイドショーの番組製作姿勢がらみの
問題があり、TV各社が謝罪したことがあります。その後TV東京だけはワイド
ショー枠そのものを無くして、問題を根源から解決しました。今でもTV東京系
はお昼のワイドショーが無いはずです。まあもっと内部的な理由があったのかも
知れませんが、一つの責任の取り方として解りやすさを感じたのは確かです。
 どの失敗をどう分析し、再発防止策として何をしたかを明確にすることこそ、
「責任を取る」という言葉に相応しいと思います。私自身も公私にわたり失敗は
多く、きちんと責任が取れているかどうかを反省することが多い今日この頃です
が...

 今週は PC 活用からちょっと離れて、勝手な事を書かせて頂きました。たまに
はこんな回もどうでしょうか?それにしても、この手の時事問題を書くには、
  http://www.mainichi.co.jp/index.html
の検索機能は便利ですねえ!こんなページを公開して、新聞販売は大丈夫なのか
なあ... -> 毎日新聞社殿

◆ 独り言
 読者の皆さん、いつもご愛読ありがとうございます。広告の多いメルマガです
みません...このメルマガの広告は http://www.pure-click.com/ のピュアクリ
ック社のものと mag2 のものがあるのですが、それぞれこういうつもりです。
1.ピュアクリック分
 メルマガでの広告媒体が、どの程度の効果=値段になるのかという実験のつも
りです。実際は1年近く続けても、未だに「最低送金額」に満たなくて、1円も
入ってきません...まあ「入ってこない」のは実験のつもりなので構いませんが、
読者の皆さんに読みにくさを押しつけておいて、途中で止めると相手側会社は無
料で広告を出していたことになります。天邪鬼の私はそれがどうも気になって、
「何とかあとちょっと...」と続けております。「最低送金額」を突破したら集
計結果を発表して実験終了にしたいのですが...
2.mag2 分
 いつもメルマガ発行のインフラとして無料で使わせてもらっていますので、
mag2 が事業として進めているものに協力しようと思い、付けています。こちら
の方は部数計算なので、以外と順調です(まあ半年やってても中学生のお小遣い
程度ですが)。当面続けますので、ご協力下さい。

◆ お知らせ
  XANADU では随時、ご意見/ご感想/ご寄稿/リクエストを募集中です。
 お気軽に mailto:saito_makoto@hi-ho.ne.jp してください。

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  XANADU (廃刊ザナテックス)
 発行元:会社勤めのしがない職業プログラマ:齋藤 誠
本メルマガ情報は http://www.hi-ho.ne.jp/saito_makoto/
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