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XANADU 『 palm が左手にやってきた』 2000/10/22 号
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XANADU 読者の皆さん、こんばんは。先週は職場に来た Super マシンの話を書
きましたが、それから一週間経って一つ圧倒的に良いことが見つかりました。そ
れは電子メールの検索です。今までしばらく時間のかかったメール検索が、ホン
トに瞬時に可能になりました。うーーん、やっぱり元のマシンには戻れなくなる
のですね...
今週は『 palm が左手にやってきた』と題し、私の左手にやってきた palm
m100 の話を書いてみたいと思います。

◆ 今週の出来事
◇ Cuam その後
　紹介してからずっと、 Cuam のバージョンアップに付き合ってきたのですが、
どうもここ数日のバージョンが私の環境ではあまり安定していません。と言う訳
で、別の TAB 型 web ブラウザを探し、今度は"Donut"というかわいい名前のも
のを見つけました。

　 http://hp.vector.co.jp/authors/VA016589/index_japanese.htm
　 にあります。

　 Cuam より普通の IE により似ていますので、操作上の違和感もなさそうで
す。またとても小さなプログラムなので、 IE を使うよりも条件によっては軽快
かも知れません。一度お試し下さい。

◇ 車のバルブが切れました
　「バルブ」と名前が付く自動車部品は沢山あるのですが、今回「切れた」のは
ヘッドライトバルブです。いわゆる「純正より相当明るいよ」というＰＲで売ら
れているものを使っていたのですが、随分長く使っていたので遂に切れました。
　とりあえず持っていた純正バルブに付け替えてみたのですが、やっぱり明るい
方が良いのでまたもやオークションです。と、同時に今回は普通の方法である
「ディスカウントショップ」視察を行ったところ、「 60/55W が 100/90W 並み
に！」という製品が 1,500 円で売っていました。これはオークションより安い...
という訳で一応 get & 装着。今のは以前 4,590 円で買ったのですが、それより
明るい様です。
　が、オークションでは更に「 55/60W が 130/125W 並みに！！」というのが出
ており、こちらもトライしています。無事 get 出来ましたら、比較対象実験を
行い、結果を報告しますね...って誰も興味無いかな？

◆ 特集 palm が左手にやってきた
　何年も前から、そう palm pilot と名乗っていた頃から気になっていた palm
ですが、今回遂に入手しました。今週はその話を書こうと思います。

◇ TIMEX 社と palm 社
　以前、この TIMEX 社の DATA LINK という腕時計の話をしたと思います。何で
もビル・ゲイツも使っている、アラーム時刻を PC で設定できる腕時計です。機
能そのものも面白く未だに愛用しているのですが、その時一番感心したのは徹底
した「実利主義」設計思想です。とにかく無駄がなく合理的。それ以後 TIMEX
社には一目どころか相当心酔しております。

　そんな私が TIMEX 社と共にどうも気になっていたのが、 palm 社です。
　 http://www.palm-japan.com/

　さすがに英語バージョンを購入して、自分で日本語を扱える様にソフトを買っ
て整備する程の気はなかったのでずっと横目で見ていましたが、 palm 社自身が
日本語化を行い、かつ戦略的な価格を出してきたので、遂に買ってしまいました。

　 http://www.palm-japan.com/catalog/m100/m100-P80700JP.html

　定価 19,800 円、実売 15,000 円程度と来れば、一般的なサラリーマンでもも
う「衝動買い」ゾーンではないでしょうか？

◇ palm とは何？
　平たく言うと「ザウルスみたいなもの」です。いわゆる PDA です。「ザウル
ス」を PC98 とすると、 palm は PC/AT 互換機みたいなものでしょうか？国内
では優性を誇るザウルスも、海外ではさっぱりなので、その点でも PC98 と AT
互換機の関係に似ています。「ザウルス」が SHARP 一社に独占されているのも、
似てるかな？これからどうなるかは、まだまだ解りませんが。

◇ ザウルスの問題点
　私も数年前に随分長くザウルス(PI4000,5000)を使っていたのですが、結局使
わなくなりました。当時、私がザウルスに対して不満を持っていたのは、以下の
項目です。
・手書き漢字入力に疑問あり
　漢字認識技術はとても素晴らしいのですが、結局高速に漢字を書くことは使う
人間側の限界で出来ない。かと言って SHARP はかたくなで、接続可能なキーボ
ードを用意してくれなかった（当時）。
・ PC との連携が貧弱
　そうなると PC 側でデータを作るしかないのですが、 PC 側ソフトが有償だっ
たり、接続ケーブルが高価だったりと、なかなか環境が揃わない。
・赤外線が独自技術
　デファクトスタンダードの技術(IrDA)がありながら、それに逆らい独自技術
(ASK だったかな？)を採用している。
・ add-on ソフト作成制約が厳しい
　技術開示が足りないせいもあり、良い add-on ソフトが揃わない。また一度切
り替えてしまうと、再起動＝やり直しが必要なソフトが多く、 PDA として使い
難い。
・スケジュール管理の限界
　結局スケジュール管理は、紙の手帳にかなわない。それ以外の魅力が少ないと
使い続ける必要がない...(少なくとも当時の私にはなかった)。

＃ザウルス派の皆様から厳しいご批判が来そうですが、少なくとも PI5000 当時、
　私はまさにこう思いました。今は変わっていると良いのですが...

◇ じゃあ palm はどうか？
　 palm は元々アメリカ製ですから、当然手書き入力で漢字は入りません。グラ
フィティと呼ばれる、アルファベットと記号をちょっと特別な記号で手書きする
ことにより文字入力を行います。日本語の場合は普通のキーボードと同じ様に
ローマ字かな変換を経て、漢字変換となります。
　「漢字の手書きは画数が多くて入力が難しい。かと言って、ソフトキーボード
（画面上に出る小さなキーボード）ではタイプ速度に限界がある」と思っていた
私にとって、このグラフィティには興味がありました。実際使ってみると、相当
の速度で入力してもチャンと認識します。慣れは必要ですが、最終的には漢字手
書きよりタッチ数が少なく、ソフトキーボードより素早く入力できそうです。
　 PC との連携は快適です。 Hot Sync という仕組みが最初から製品に「添付」
されており、一切の追加装置無しに PC との間で快適にデータのやり取りが出来
ます。手順も、ボタンを一つ押すだけです。また PC 側と palm 側の両方でデー
タを入力しても、それを Sync させる仕組みが実装されています。
　赤外線は当然 IrDA 仕様ですので、通常の赤外線通信対応製品と、物理的には
通信可能です。またこの技術はテレビのリモコン等にも使われているらしく、
palm は add-on ソフトにより各種リモコンになることも出来ます。
　 add-on ソフト開発に関しては、 palm はとてもオープンです。最初に ROM
に入っている基本アプリ（電話帳等）のソースは公開されており、ユーザが自由
に互換のある別のソフトを造ることが出来ます。元々出来は良いのですが、そう
いう強化ソフトを標準で ROM に入れるメーカーも出てきました。また全てのプ
ログラムは動作中に切り替えを行っても、以前のままサスペンドされます。です
から add-on ソフトでゲームをしていた途中でも、スケジュールをチェックでき
ますし、その後ゲームに戻れば続きが出来ます。逆にメモ帳で何か書いている途
中でゲームをやりたくなって始めても、メモ帳に戻ればさっきの画面が出ます。
　スケジュール管理に関して言うと、ザウルスと palm はそう違いません。結局
PDA では無理かなとは思うのですが、 palm には他にも上記の様な魅力があり、
段々と手放せなくなって来ています。

◇ その他の魅力
　合理的、かつ高速です。電話帳を引くのに必要な動作は「電話帳」のボタンを
押すのと、頭文字をグラフィティで入力するだけです。１秒ぐらいでしょうか？
他のどんな方法でも、１秒で電話帳を引くことは恐らく出来ないでしょう。
　もちろん私はまだそんなに沢山の電話番号を入れていませんし、主要な電話は
PHS の方に入っています。でも、内線電話等がある以上、 palm に頼ることが増
えそうです。
　面白いゲームも沢山ありますし、ビデオ予約を管理する add-on もあります。
PDA と思わず「大人のおもちゃ」として考えても、結構楽しいですよ。

◇ おわりに
　調子に乗ってブルーミストのフェイスプレートまで買ってしまい、すっかり楽
しんでおります。 m100 の値段とその有用性は、充分「お買い得」だと思います
が、どうでしょうか？
　ちなみに私は SONY の CLIE なら買わなかったと思います。 m100 に比べて値
段が３倍以上するのですが、それだけの価値があるとはちょっと思えないので...
個人で買う以上、コスト意識は大事ですよね。皆さんももし palm を検討してい
るのなら、まずは m100 どうでしょうか？ palm の魅力を知るには充分ですし、
それ以上の事をしたい時には、再度買い換えても良いと思います。メーカーが違
っても palm 同士のデータ移送はまったく簡単ですし、残った m100 は誰かに譲
って布教しても良いでしょう。

◆ お知らせ
　 XANADU では随時、ご意見／ご感想／ご寄稿／リクエストを募集中です。
　お気軽に mailto:saito_makoto@hi-ho.ne.jp してください。

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　 XANADU (廃刊ザナテックス)
　発行元：会社勤めのしがない職業プログラマ：齋藤　誠
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