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XANADU 『 palm その後』 2000/10/29 号
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XANADU 読者の皆さん、こんばんは。先週は Palm の事を書きましたが、今週
もその後の Palm の成長具合をお話ししたいと思います。

◆ 今週の出来事
◇ パラリンピック
 長野オリンピック後のパラリンピックが大々的に報道されたのを機会に、今回
も日本のマスコミはパラリンピックを相当取り上げています。特にオリンピック
以上に日本選手の活躍が多く、TV局側も熱が入るのは解ります。
 しかしどうしても日本選手偏重が激しく、 NHK ですら番組の半分以上は「昨
日の日本選手の結果報告」に終始するのは如何なものか?日本選手と同じ様に他
国の選手の事も知りたいし、報道の公平さにも書けると思うのですが、さてどう
思われますか?

  http://www.nhk.or.jp/para/

◇ アリー・ my ラブ3
  NHK と言えば、最近面白い海外ドラマをやっているという噂を聞き、先日初
めて見ました。「アリー・ my ラブ3」です。

  http://www.nhk.or.jp/kaigai/ally/index.html

 どうして my だけ英語なのか、「3」だというからには「1」や「2」もある
のか...と色々疑問はありますが、前後関係が全然解らなくてもとにかく面白
かったのは確か!

  web から一部抜粋しますと...

「ささやかな望みじゃない。お金持ちになって仕事で成功して、子供3人産んで
ダンナさんに夜、足さすってもらいたい・・・だけなのに」と言ってのけるアリ
ー。キャリアも大事だけど、恋愛だって楽しみたい。性差別されるとイヤだけど、
女であることは認めてほしい。そんな欲張りなアリーはまさに現代キャリアガー
ルの典型。 "男まさり"に仕事一筋だった先輩キャリアウーマンたちとはちょっ
と違う。これを「フェミニズムの崩壊」と見るか「ポスト・フェミニズム」と見
るか。タイム誌のフェミニズム特集では、アリーの顔が歴史上のフェミニズム運
動家たちと並んで表紙を飾るほど、世紀末の働く女性のシンボル的存在になった
のである。世界的ベストセラー「ブリジット・ジョーンズの日記」のブリジット
ともよく並んで挙げられている。こうしたセクハラや働く女性の権利、同性愛、
など賛否両論をまきおこすテーマを笑いの中にも盛り込んでいるのが、タブーを
知らないこのドラマのおもしろさなのである。

 この説明に興味がある方は、是非総合テレビ毎週金曜午後 11 時〜(北海道地
方は毎週土曜 午前 0 時 15 分〜 (金曜深夜))をご覧下さい。ただし次週の
11 月 3 日は休止ですので、次回は 11/10 です。

◇ 車のバルブその後
 無事、オークションで「 55/60W が 130/125W 並みに!!」を get しました。
やはり 100/90W 並みとは全然違う明るさで大満足です。自動車用品店で買うと
結構高いのですが、こまめにディスカウントショップを回れば見つかりそうです
ね。雨の夜、自分の車のヘッドライトが他の車に比べてちょっと暗いかな?と思
ったら、一度ご検討下さい。

◆ 特集 Palm その後
  Palm m100 を持ち歩くようになって、2週間。毎日少しずつ自分流にカスト
マイズを繰り返し、いろんなことが見えてきました。今週はその話を書こうと思
います。

◇ 驚いたこと
 まず、プログラマの目で見てもっとも驚いたのは、 Palm 用の各種プログラム
の互換性です。 Palm の基本は「予定表」「 TODO 」「アドレス帳」「メモ帳」
であり、それぞれ電源 OFF の状態から専用のボタンを押すだけで起動しますが、
これらの純正ツールには当然特別なデータ保存領域があります。
 普通の PC 的常識ではプログラムとデータ形式は分けることが出来ず、例えば
OutLook のデータを他社の PIM ソフトで参照することは出来ません。お互いに
「インポート」の仕組みは用意されていますが、あくまでも移行の際の面倒を回
避するための一時的な方法に過ぎず、一度移行が済めば後は使わない方法です。
 ところが Palm のシェアウェア/フリーウェアはそうではなく、純正ツールが
持つデータを直接アクセス可能です。この辺りが昔から純正ツールのソフトを公
開してきた Palm 社の先見性かも知れませんが、これはとにかく便利です。実際
に標準の「予定表」とデータを共有する PIM ソフトが沢山あり、それらは Palm
にインストールさえすれば、データ移行を全然意識する必要がありません。また
試用してみて気に入らなければ、そのままそのソフトを削除するだけで従来の
「予定表」はそのまま使えます。もちろん両方を交互に使っても、何の問題もあ
りません。
 私の m100 はシステム領域が ROM なので純正ツールを削除できませんが、他
の Palm ではシステム部分も書き換え可能な PROM で出来ているものがあるそう
で、そうなると完全に純正ツールを他の物に置きかえることも可能となります。
 もちろん4つの機能ボタンはデフォルトで4つの純正ツールに割り付けられて
いますが、この設定も変更可能です。
 純正ツールも含めて、極めてシステムが柔軟に作られているのです。

◇ ハードはしょぼくても...
 たった 160*160 のモノクロ3階調液晶に、 16MHz の CPU 、メモリは 2MB と
いうのが、 m100 のスペックです。大きさは 11.8cm × 7.9cm × 1.8cm で 137g 。
インタフェースはシリアルと赤外線。まあどう考えても、他の PDA とは比較に
なりません。 Infocarry ですら 240*320 なのですから、相当情けないスペック
です。 InfoCarry なら 16*16 のフォントで綺麗に見たテキストも、 Palm は
12*12 以下のフォントで見ることになります。
 もちろん今までの Palm 用プログラム(Palmware と言う様です)との互換もあ
るでしょうが、最新技術を投入していないのは確かです。しかし使い易さが最新
技術とあまり関係ないのもまた事実。データを見るだけの用途で考えれば、専用
機の InfoCarry の方が使いやすいと思うのが自然ですが、現実はそうではあり
ません。 InfoCarry にも「しおり」という、どこまで読んだかを示す仕組みが
あるのですが、これが親機の PC からデータを送ると消えてしまいます。まった
く困った仕様です。 SONY さん、こりゃ駄目ですよ。
  Palm の方は各ドキュメント毎にしおりをつける Palmware があり、とても快
適です。 web ページのデータを取り込む場合も、 InfoCarry は専用 Proxy を
常駐させてごそごそやらないと駄目なのですが、 Palmware の PiloWeb はもっ
とずっと簡単です。
 トータルで考えると、全然勝負になりません。少々見栄えが良くても、
InfoCarry の仕様やサポートソフトの出来は悪すぎです(完成度が低すぎ)。

◇ 仕様公開
  PIM ですから、スケジュール時間になると電子音が鳴ります。これも
Palmware を使えば自分で作れます。特に最近の「着メロ」ブームがらみに対応
し、携帯電話のデータをそのまま使って呼び出し電子音を自作できる機能もあり
ます(私は某ゲーム音楽データを使って、自分だけの呼び出し音を作ってみまし
た)。
 また当然メーカー保証外ですが、実行クロックをソフトウェアで上げたり、メ
モリアクセス wait を短くする Palmware もあります。 wait を短くする
Palmware は FREE なので使ってみましたが、ベンチマークでは 50% 以上の性能
改善があるそうです。
  PC 的世界と違い、各マシンの性能差があまりない Palm の世界ですが、とに
かく様々な仕様が公開されている現実を、まじまじと見せ付けられました。

◇ ユーザの盛り上がり
 ユーザの数だけ Palm がある。そんな様子は PC の世界と通じる所があります。
ユーザが色々と楽しめる部分が多いだけに、ユーザの活動は web サイトでとて
も活発です。 m100 登場で更に裾野が広がった Palm の世界は、果たして日本市
場でどこまで普及するのか?とても楽しみになってきました。

◇ おわりに
 まだ、紙の見開き1週間B5サイズ手帳は使っています。スケジュール管理は
見通しが肝心で、その点で Palm には荷が重い所があります。しかし、新しい予
定は Palm を見ながら調整することが多くなってきました。近い将来、交代する
可能性も出てきました。
 残念ながら Palm の PC 側ソフトはまだ Windows2000 対応ができていないの
で、職場で Sync することが出来ません。これが何とかなれば、また違った動き
になりそうです。

◆ お知らせ
  XANADU では随時、ご意見/ご感想/ご寄稿/リクエストを募集中です。
 お気軽に mailto:saito_makoto@hi-ho.ne.jp してください。

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  XANADU (廃刊ザナテックス)
 発行元:会社勤めのしがない職業プログラマ:齋藤 誠
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