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    XANADU 『 Linux 是非論』 1999.10.30 号
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◆ 後日談
 前号から広告を載せています。「うっとーしい」という苦情が来るかと思いま
したが、今のところありません。ホッとしております。
 キルギスの武装勢力が XANADU 愛読者と言うわけではないでしょうが、その後
すぐ人質が解放されましたね。当人達から生の声を聞きたいと思いますが、どう
もこのまま忘れ去られるようです...解放した以上、何か交換条件もあったでし
ょうに、全て闇の中になりそうです。どうも現地に詳しい方によると、「一つの
山、一つの谷毎に豪族のような勢力があり、政府と対立している」場所らしいで
す。国内統一ができてないんですかね? -> キルギス

◆ 今週の私的出来事
・某サイトの記事が気になり、ライターの web サイトを見学。 
  http://www.takakonet.com/
 うーーん、こういうお嬢さんもいらっしゃる訳か。うちの娘もそのうち...

・液晶のコンパクト PC 10 万を切る
  http://www.ecap24.co.jp/
  SOTEC も頑張ってますが、液晶でこの値段...

◆ Linux 是非論
 今週の特集は「 Linux 是非論」。
 皆さん気になるこの単語。まあ説明やらインストール方法やらは雑誌やインス
トール本に任せて、 XANADU 的心での Linux 紹介、はじまりはじまり。

◆ 何に使えるのか?
 色々とややこしい事情があって Linux は UNIX ではないのですが、事実上
UNIX と同じように使えます。そして UNIX の使い道と言えば、そりゃ昔からサ
ーバ業務に決まってます。実際現在活躍している Linux マシンは、その多くが
サーバとして使われていると思います。
 職場にも、主に私がメンテしている Linux サーバ(ファイル/メール/ Web )
があり、また隣の部署でもメールサーバを NT から Linux に変えたばかりです。
もちろん UNIX 知識の有無等条件は様々ですが、イントラネットでサーバを立ち
上げる場合、他の選択肢は考えられません。いわゆる市販の UNIX ワークステー
ションはコストパフォーマンスやサポートに疑問がありますし、今の NT にはイ
ントラサーバは無理だと感じています。
 あなたがもし、職場のイントラサーバを計画しているなら、最もお勧めなのが
Linux 導入です。

◆ なぜ NT では駄目か?
 もちろん TPO による話であり、一概に「 NT は駄目」というつもりはありま
せん。 MS 製品だけを使った世界にいれば、今更 Linux を導入する必要が無い
場所もあるはずです。しかし MS の製品には、一つ大きな問題があるように思い
ます。それは彼らが他 OS と相互にうまくやって行く気が無い所です。
 一例を挙げると、以前 MS の Exchange server というメールサーバは、下位
のメールサーバに SJIS と JIS でメールを流すことができました。インターネ
ットの約束としてメールデータは JIS で流すべきであり、 JIS で流せる機能は
当然必要です。しかし MS は Exchange server のバージョンアップでこのオプ
ションを廃止し、下位には SJIS でしかメールが流せなくなったそうです。 SJIS
でメールを受けられる特殊技能(?)を持っているのは Exchange server だけであ
り、この仕様変更によって Exchange server 配下に普通の UNIX メールサーバ
を置くことはできなくなりました(その関係で今回 NT -> Linux への入れ替えが
おこりました)。
 私が問題にしたいのは、「最初からできなかった(努力不足)訳ではなく、途
中からできなくした(故意)」と言う点です。あえてインターネットでのお約束
を反故にした理由は容易に推測できますが、それは言わないでおきましょう。た
だ恐らくこの件だけではなく、 MS 製品は様々な問題を内在している(しかも
意図的にすら!)のではないでしょうか?

#他にも沢山例を知っていますが、 MS バッシングが本意ではありませんので、
 ここまでとしておきます。

◆ 商用 UNIX はどうか?
 実は私は、 EWS と HP という商用 UNIX を使っています。 EWS は少々癖があ
りますが、 HP-UX はシェアも高く SUN と業界を二分する製品です。より高い性
能を求めるなら、 Linux はこれらの商用 UNIX に全然歯が立たないと思われま
す。しかし現実を見ると、イントラネットサーバ程度の業務なら、何も商用
UNIX を導入する程のパワーがいるとは思えません。数百人程度のメールサーバ
なら PC 上の Linux パワーで十分こなせますし、コストは恐らく 1/10 以下で
しょう。実際私は数十人分のイントラサーバとして 98NX の P2-350MHz を使っ
ていますが、オーバースペックでもったいないと思っているぐらいです。

◆ Linux で何ができるのか?
 先週特集の予告をした所、読者の方から以下の質問を頂きました。

読者Yさん
会社のパソコンのスペックが低いので(MMXPentium150Mhzで、メモリ40MBで
す)Linuxを使ってみたいのですが、当然会社の他のパソコンはWindowsです。で、
Linuxで使えるワープロと表計算ソフトっていうのはどの程度のものが出ている
のでしょうか。また、Windowsと互換性がないと会社では使えないのですが、そ
の辺はどうなんでしょうか(以前に一太郎のLinux版が出る、と聞いたことがあ
るような気がするのですが)。

私のお返事
 英語版の StarOffice という製品が「フリー」で公開されており、これは
Office シリーズのファイルと互換があるそうなのですが、日本語版がいつ出る
かわかりません。また Office に相当する製品も販売されていますが、会社の他
の PC とのやり取りでまったく問題無くできるかと言われると、かなり難しそう
です(このあたりは伝聞なので自信はありませんが)。
 一太郎の Linux 版は java 製品ですが年内だか来年早々に販売されるそうで
す。 WZ エディタの Linux 版も出ます。
 最近の月刊 ASCII で、 Linux デスクトップ環境について特集を組んでいまし
たので、ご覧になると良いかと思います。
 私の所感としては、現段階では会社では Linux はサーバ用途に限ると思いま
す。恐らくまだ Mac を導入するほうが問題が少なそうです(一太郎も Office
もありますから)。
 上記 StarOffice の日本語版、一太郎(ark と言うそうです)、 WZ などの主要
アプリが登場してくれば、状況はずいぶん変わると思いますが...
#一太郎 ark は12月に出るそうです。

 結局「趣味」なら止めませんが、「実用」を考えると個人のデスクトップ環境
を Linux ベースにするのはまだ早すぎるように思えます。日本人としては、せ
めて Linux 用の年賀状ソフトが売り出されないと...

◆ Linux は NT に勝てるのか?
 この業界、未来予想ほど難しいことはありません。が、あえて挑戦すると...

  Linux は既にある程度のシェアを確保していますし、そのシェアが下がる理
由は見つかりません。ですからシェアが増えることはあっても、減ることは無い
でしょう。
 そして Linux が得意とするイントラサーバ分野は、その需要が爆発直前状態
です。これだけ電子メールとインターネットが普及すれば、各企業のイントラネ
ット構築はここ数年で爆発的に増えるでしょう。それを担うのは AT 互換機と
Linux and NT です。
 となると、「 NT に勝つか?」という命題自体が実はナンセンスなのです。1
0年以上経過して、イントラ市場が安定(=低迷)すれば別ですが、それまでは
両方「勝ち」でしょう。 MS 製品で統一した環境なら NT 、様々な OS があるな
ら Linux を選べば良いのです。

# OS を選ぶのはユーザだ! Be でも BSD でも選択肢が増えることに賛成!


◆ 余談
 「ザナ日誌」、来月早々にハッピーマンデー対応版が出せそうです。もうちょ
っと待って下さい。また「ザナ書箱」の CE 版、かなりできました。まずは
XANADU web サイトにてフリーソフトとして公開する予定です。

◆ 次回予告など
 次号はもう11月。今年は異常気象でやけに暖かいですが、そろそろ年賀状の
季節となってきました。この日本の不思議な行事について、次回は特集してみた
いと思います。お楽しみに。

◆ お知らせ
  XANADU では随時、ご意見/ご感想/ご寄稿/リクエストを募集中です。
 お気軽に mailto:saito_makoto@hi-ho.ne.jp してください。

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    XANADU (廃刊ザナテックス)
   発行元:会社勤めのしがない職業プログラマ:齋藤 誠
★本メルマガ情報は http://www.hi-ho.ne.jp/saito_makoto/ です!
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