◤概要
旧日本測地系(TokyoDatum:ベッセル楕円体)に基づく経緯度および平面直角座標を、世界測地系(日本測地系2011=ITRF94系,ITRF2008系)に基づく経緯度および平面直角座標へ変換した結果を表示します。
国土地理院測量計算サイトの全機能の他に、幾つかの機能を加えてあります。
◤プログラムの仕様
- macOS 13.0以降。
- 日本語,English,Germanの3か国対応ですが、ヘルプは日本語のみです。
- Xcode 16の開発環境で開発したObjective-Cのプログラムです。
◤機能
- 旧日本測地系(TokyoDatum:ベッセル楕円体)に基づく経緯度および平面直角座標を、世界測地系(日本測地系2011=ITRF94系,ITRF2008系)に基づく経緯度および平面直角座標へ変換した結果を表示します。
- 世界測地系(日本測地系2000=ITRF94系)に基づく経緯度および平面直角座標から、旧日本測地系(TokyoDatum:ベッセル楕円体)に基づく経緯度および平面直角座標へ逆変換をした結果を表示します。
- 座標値⇄緯度・経度の変換結果を表示します。
- キーボードからの入力値を一点ずつ変換します。
- 必要なパラメータファイルなどがダウンロードされている場合には、国土地理院指定のフォーマットで記録されたファイルから一括して読み込んで変換します。
- バイリニア補間の状況を画面に表示します。
- 以下は国土地理院測量計算サイトには備わっていない機能です。
- 座標値を変換する際に国土地理院PatchJGDを検索して地殻変動による補正をした結果を表示します。
- ついでにジオイド高を検索して、検索結果を表示します。
- ついでに標高を検索して、検索結果を表示します。
- ついでに真北方向角・縮尺係数・楕円体高などの計算結果を表示します。
- 写真などのJPEGあるいはPNGあるいはHEICファイルに記録されたExif/GPS情報から緯度・経度を読み取ってメイン画面の緯度・経度欄へ転送できます。逆にメイン画面の緯度・経度欄の値をキーボードから打ち込んで元の画像ファイルに書き込むことができます。但しMac OS Xのフレームワークの仕様により有効桁数6桁程度に精度が落とされます。iPhotoからマウスドラッグできます。iPhotoで管理されているJPEGファイルに位置情報を書き込むことはできますが、iPhotoからはその位置情報は読み込まれません。iPhotoは位置情報を~/Pictures/iPhoto Library/AlbumData.xmlファイルで管理しています。
- メイン画面に入力されている点を、いろいろな地図閲覧サイトでピンポイント検索します。表示にはデフォルトブラウザが使われます。「KML形式」についてはGoogleEarthとかGarmin BaseCampなどがインストールされていればそれらの内いずれかが開かれます。macOSの標準アプリ「マップ」をピンポイント検索します。
◤実行ファイルのダウンロード
- macOS 13.0以降用実行ファイル
- アーキテクチュアはApple Silicon, Intel。
- zip形式でアーカイブと圧縮をしています。
- 展開すると実行形式のBLconverter(.app)というファイル(実際にはフォルダ)ができます。適当なフォルダへコピーして使ってください。
- GateKeeperには対応しません。SandboxとiCloudは機能しません。自動的に読み込むファイルは、ユーザーの方が国土地理院のサイトから入手した各種データファイルと、それらの一部をplist形式に自動的に書き出したファイルだけです。自動的に書き出したファイルの内容には、個人情報は含まれていません。
◤座標変換パラメータファイルなど必要なデータ
- インターネット接続環境があれば、国土地理院測量計算サイトまたは基盤地図情報サイトのAPIへ自動でアクセスして検索結果や計算結果を取得して、画面に表示します。
- 国土地理院ダウンロードサイトからダウンロードして戴いたファイルを指定すれば、国土地理院のサイトに優先してそれらのファイルを検索し、計算します。総てのファイルをダウンロードする必要はありません。4種類総てのファイルがダウンロードされていれば、インターネット接続環境が無くてもあなたのmacで計算がされてその結果が表示されます。
- 測地系の変換には国土地理院TKY2JGDパラメータ・ファイルを必要とします。
- パラメータファイルは国土地理院のTKY2JGD for Windowsダウンロードサイトからダウンロードできます。
- 国土地理院から、ZIP形式の「座標変換パラメータ・ファイル」のうちいずれかをダウンロードします。全国版であっても小容量なので全国版で良いと思います。展開後の.parファイルを任意のフォルダーに置きます。BLconverterを実行して、配置した.parファイルの場所を設定します。ほかにWindows用の座標変換ソフトウエアも配布されていましたが、もともとBLconverterを実行するには不要でした。ソースコードも配布されていますがBLconverterを実行するには不要です。
- 地殻変動前の経緯度および平面直角座標から変動後の経緯度および平面直角座標へ補正するには国土地理院 座標・標高補正パラメータファイルのデータを必要とします。
- 座標補正パラメータ・ファイルからダウンロードできます。
- 「座標補正パラメータファイル(PatchJGD用)」のうちいずれかをダウンロードします。
- 標高補正パラメータファイルは不要です。Windows用の「プログラム」は不要です。
- 展開した拡張子.parファイルを任意のフォルダーに配置することが、インストールするということです。BLconverterはBLconverterで指定したフォルダー以外に配置されたパラメーターファイルは読み取りません。
- ジオイド高の検索には国土地理院 基盤地図情報 ジオイド・モデルのデータファイルを必要とします。
- 対応するデータ形式は5kmメッシュのjgeoid96.datと、2kmメッシュのgsigeome.ver2, gsigeome.ver3, gsigeome.ver4, gsigeome_ver5.asc, gsigeome_ver5.xml,
gsigeo20112000.xml, gsigeo2011_ver1.asc, gsigeo2011_ver1.xml, gsigeo2011_ver2.xml,
gsigeo2011_ver2_1.xml, gsigeo2011_ver2_2.xmlです。
- ver5から追加されたXML版に対応しますが、一度だけ13MB弱の.plistを同一フォルダーに自動作成するときに700MBくらいのメモリを使います。.plistが作成された後では90MB程度のメモリが使われます。国土地理院からはWindowsやLinux用の「プログラム」も配布されていますが、BLconverterには不要です。ダウンロードして展開された.xmlファイルを任意のフォルダーに配置することがインストールするということです。
- 標高の検索には国土地理院 基盤地図情報 標高モデルのデータファイルを必要とします。
- 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュあるいは基盤地図情報(数値標高モデル)10mメッシュからダウンロードできます。ダウンロードして戴いたファイルが格納されているフォルダー内を指定すればそのフォルダー内を検索して標高を読み取ります。
- 総てのデータをダウンロードする必要はありません(10mメッシュの総てをダウンロードすると62GB弱になります)。展開後のフォルダーまたはファイルを任意の場所に配置してください。
- 国土交通省国土地理院から配付されるファイルの名前は絶対に変更しないでください。フォルダー形式で配布された場合には、フォルダーをそのまま配置するか、またはフォルダー内のファイルのみを配置してください。どちらでも構いません。フォルダーを配置する場合には、フォルダー名を絶対に変更しないでください。各フォルダーまたはファイルは総て同じ階層に並べてください。これらのフォルダーとファイルとを格納するフォルダーの名前は任意です。またフォルダーを作らずに、メディアに直接格納しても構いません。
- 10mメッシュについては検索するデータの量が莫大なので、検索には一時的に、大量のメモリ資源とCPUの高い負荷と長時間を要します。
- 画面左下の各種ファイル・フォルダー設定用のボタンをクリックしてダイアログからファイルなどの格納場所を指定すると、それぞれあなたのmacから検索され計算されるようになります。ダイアログで「キャンセル」するとインターネットから国土地理院計算サイトへ自動アクセスするようになります。
- ファイルから一括して読み込んで変換する場合には、国土地理院測量計算サイトのAPIへのアクセス制限があって読み込めない為、TKY2JGDパラメータ・ファイルと座標補正パラメータファイルとジオイド・モデルのデータファイルをダウンロードしてあなたのmacへ配置することが必須です。
◤使用上の注意
- 国土地理院測量計算サイトでの変換結果と、緯度・経度で0.00001秒、座標値で0.2mmの差が現れることがあります。国土地理院測量計算サイトは概ね11桁の有効桁数の緯度・経度を受信し、計算結果も同じ有効桁数のデータを送信しています。BLconverterはdouble型の実数値で有効桁数を決めずに全桁を使って計算しています。その差が表れています。
◤バージョン履歴
-
- 13.1: Appleの「Apple Maps on the Web」をピンポイント検索できるようにした。
- 13.0: 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュの2023年11月13日バージョンに対応。
- 12.4: MAPPLE法務局地図ビューアーとマピオン地図サイトへのピンポイントアクセスを追加した。
- 11.2: 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュの2022年1月24日バージョンに対応。
- 11.1: 国土地理院測量計算サイトのAPIを利用できるようにした。
- 11.0: macOS12(Monterey)に対応。基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュの2021年1月15日バージョンに対応。
- 10.15.1: 写真などの位置情報のやり取りに対応する画像ファイルをPNGとHEICにも拡張した。
- 10.15: macOS11.0(Big Sur)に対応。Apple Siliconに対応。基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュの2020年1月17日バージョンに対応。
- 10.13.4: 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュの2018年2月26日バージョンに対応。基盤地図情報(数値標高モデル)10mメッシュの2020年4月9日バージョンに対応。
- 10.13.3: 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュの2019年07月01日バージョンに対応。基盤地図情報(数値標高モデル)10mメッシュの2017年8月4日、2018年11月14日、2019年5月10日バージョンに対応。
- 10.13.2: ページ設定オプションの改良。
- 10.13.1: 一括変換のプリント処理の改善。
- 10.13: ダークモードに対応。
- 10.12.2: macOS10.13(High Sierra)における問題点を修正。
- 10.12.1: 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュの2017年3月14日バージョンに対応。基盤地図情報(数値標高モデル)10mメッシュの2016年10月1日バージョンに対応。地震などに伴う地殻変動による位置の変化を補正する際のバグを修正。
- 10.12: macOS10.12(Sierra)に対応。
- 10.11.3: 2016年10月に更新された基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュのUTF-8版に対応した。
- 10.11.2: 基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュから標高を読み取るようにした。OS Xの標準アプリ「マップ」をピンポイント検索できるようにした。
- 10.11.1: Sandboxの仕様変更があったので、Sandboxを無効にした。
- 10.11: OSX10.11(El Capitan)に対応。
- 10.9.2: OSX10.11(El Capitan)に対応。
- 10.9.1: JPEG-Exifへ位置情報を書き込む際のバグを修正した。
- 10.9: BL換算の計算式を国土地理院編「作業規程の準則」平成25年版に準拠させた。換算結果の相違は見られない。
- 10.8.4: OSX10.10(Yosemite)に対応。
- 10.8.3: バグ修正
- 10.8.2: 標高のデータがインストールされていなくても、標高を取得できるようにした。
- 10.8.1: 25000分の1地形図の取扱を変更した。
- 10.7.3: 国土地理院が配布している、地震などに伴う地殻変動による位置の変化を補正する座標補正パラメータ・ファイルに対応しました。
- 10.7.2: XML形式のジオイド高データの読み取り方法を改善しました。
- 10.7.1: XML形式のジオイド高データに対応しました。
- 10.7: JPEG-Exifから位置情報を読み取るようにしました。
- 10.6.1: 幾つかの改良をしました。パラメーターファイル・ジオイドファイルなどの設定については、旧バージョンと互換性がありません。再度、設定してください。
- 10.6: 地図検索サイトのいくつかに仕様変更があったので、修正しました。
- 2.3: 地域毎のパラメータファイル、国土地理院数値データ2kmメッシュ(ジオイド高)、50mメッシュ(標高)のデータファイル指定をURL指定に変更しました。従って、以前のバージョンを使用していた方は、再設定をする必要があります。「地価マップ」の検索方法が変更されていたので対応しました。「ご利用にあたって」ページへ飛びますが、「職業を選択」して「同意する」をクリックすれば地図が表示されます。
- 2.2: 国土地理院から配付される基盤地図情報(数値標高モデル)10mメッシュ・データがフォルダー形式とファイル形式の両方があったので、どちらにも対応できるようにした。
- 2.1: 基盤地図情報(数値標高モデル)10mメッシュから標高を読み取るようにした。
◤自作ライブラリの紹介