魔法のヒッヒッフー

ナースコールで助産師さんを呼ぶと、早いペースで子宮口がどんどん開いてきているとの事。助産師さんは子宮口の状態と、モニターを通しての子宮の収縮の具合を見るなり
「あら、すごいじゃない!初めてのお産なのに、すごく良い陣痛が来てるよ!これはスピード出産かも!夜が明けるまでには生まれるんじゃないかな」

・・・・夜が明けるまで・・・・あと、3、4時間ってこと??お、もうちょっと!それにしても、良い陣痛って事は、やっぱ痛みが強いってことなのかな?確かにこの世のものとは思えない痛みだけど・・・。

さすがに3時を過ぎると、眠気が襲って来ました。うつらうつらすると、物凄い痛みに起こされる・・・

いだーーーーーい!
うとうと・・・・・・・・
いだだだだーーー!
うとうと・・・・・・・・

それの繰り返し。旦那も、その度にナースコールで呼ばれる助産師さんも大変だったろうと思います。その頃になると、痛みと痛みの間隔がどれくらいなんだか、全く分からない状態(痛さと眠さのあまり、訳がわからなくなってしまっていた)。

3時半・・・いよいよ、いきみたくなってくる(子宮口が全開になるまで、いきんじゃだめ)。この感覚は表現するのがちょっと難しい。・・・・ものすごく便がしたいよ〜、もれちゃうよ〜、という感じに近いかな・・・あまりの痛みと便意に、情けないながらも涙、涙、涙。隣にいて「がんばれ」と言ってくれる旦那にすがりつく余裕も無し。助産師さんを呼ぶと子宮口は3.5センチ開いているとの事。痛みが限界に来ている私を見て、
「よし、呼吸法しましょう。ひっひっふーですよ」と背中や腰をさすってくれる。

・・・・・ひっひっふー・・・・・よくテレビで見てたけど、まさかホントに自分がやるなんて・・・なんか、ちょっとだけ恥ずかしい。・・・と思ったのも束の間。

ヒッヒッフー・・・・ヒッヒッフー・・・・・・
アラ不思議。本当にひっひっふーの呼吸法で、痛みが和らぎ、いきみが遠のくんです!!まさしく魔法の呪文・・・・。それからはひたすら「ひっひっふー」。内心、冷静な自分が「ああ、旦那に【ホントにヒッヒフーってやってる】って笑ってるのかな・・・いやもう、笑われちゃっても構わない」などと余計な事を考えてたり・・・。「みつ○すみと○ビ○カードのコマーシャルみたいだな」と妙に冷静に思ってみたり・・・。

4時・・・・夜明けまでに出産なら、もうゴールは近いはず・・・きっと子宮口は全開(10センチ)に限りなく近くなってるに違いない・・・と祈りを込めてナースコール。が、助産師さんからは予想に反する一言。「子宮口は4センチ・・・うーん、ごめんね。もうちょっとかかりそう・・・・」
えええええ??うううううう・・・・・・まだ、かかるの・・・・・??

5時・・・・限界。旦那の言葉に反応も出来ないくらい痛い・・・・ただ痛い。お腹の中が腐っていて、強烈な下痢状態で、今すぐにでもトイレに駆け込みたいのに、我慢しなければいけない・・・という究極の状態に近いかな。ひっひっふーもいつの間にやら効かなくなった。いきみも限界で、堪えても堪えても体がブルブル震える程にいきみたい!ひたすら脂汗と悪寒・・・暑いのか寒いのかも分からない状態。地獄に落とされたら、きっとこんな感じなのではなかろうか・・・・。

もう助産師さんを呼ぶ気力も無し。旦那に「看護師さん、呼んで・・・」と言うのがやっと。
来てくれた助産師さんにまたまた内診してもらうと、子宮口が7センチまで開いたとの事!

「じゃあ次の呼吸法、ひっひっふーうん、ですよ!」
と、言われたものの、痛さの余り、すっかり本で学習した事を忘れている私。ひっひっふーは良いとして、最後の「うん」って?「うん」って何?助産師さんに聞く余裕もなく(口がきけない状態)、
「ひっひっふー・・・うん?↑(疑問形)」
「ひっひっふー・・・うふん(お色気系)」
と無茶苦茶な呼吸法。(本当は「うん」のトコで鼻から息を逃すの・・・)

なんとか乗り切った7時半。子宮口、ほぼ全開!!!
「よっし!分娩室に行きましょう!」と、助産師さんのお言葉!!