コウノトリ来襲前 1(外妊と流産と)

ここは、ちびなりのページの裏、「裏なりのページ(?)」です。
子宮外妊娠と、流産について(私のケースです)の体験談です。


このホームページには悲しい事はあまり載せないように・・・と思ってたのですが、ちょっぴりだけ、
まめ達を失った時の悲しい気持ちを書いてみました。
共感してくださる方は少し寄り道して行って下さいませ。感傷的になっちゃっていますが・・・。


保険についてはこちらをご覧下さい。


まめちゃん、バイバイ(まさかの子宮外妊娠)1999年2月
子宮外妊娠とは・・・・
受精卵が子宮の中ではなく、卵巣や卵管に着床してしまう事です。そのまま放っておくと、流産してしまったり着床した個所が破裂してしまい危険な状態になってしまいます。そうなる前に適切な処置を受ける事が大切です。

私の場合は、脊椎麻酔(背中の下のほうに針を入れ、脊髄液の中に麻酔剤を注入。下半身の感覚がすぐになくなります)にて、開腹手術でした。だからおへその下に12センチほどの傷跡があります。手術中、赤ちゃんを取り出されるときに意識があると泣き出してしまいそうだったので、先生の方とも相談して静脈注射によって眠らせてもらいました。

子宮外妊娠の症状(私の場合)
初めは吐き気と発熱でした。旦那とプチ旅行中、大きな露天風呂につかっていると、突然の吐き気とめまい。湯あたりしたかな?と思いすぐにお風呂から出たんですが、くらくらするのが治まらない。そのうちにお腹が痛くなってきて(生理痛の酷いような感じ・・・)、生理の多い時の様な出血。予定日より4,5日早めに生理が来たかな、位に考えていたんですが、吐き気とめまいはずっと続きました。

翌日、食欲が全く無く家に帰ってから熱を測ると38,5℃・・・うわあ、風邪だよ、と勝手に決め付けた私。おそらく生理と風邪が重なってこんなに気分が悪いのかな・・・と。2〜3日して熱は下がり、吐き気もめまいも治まる。結局生理(だと思っていた出血)も、いつもより少し長めながら10日弱くらいで治まる。

4日程してから、またしても生理再開?これはおかしい、不正出血だと病院へ。お腹の痛みは全く無いんだけれどとにかく出血の量が酷い。私も生理(だと思っていた)があったから妊娠だとは思っていないし、そこの病院でも妊娠していると診断はされませんでした。とにかく子宮ガンの検査や、ありとあらゆる性感染症等の検査。いずれも全て陰性。

確か2週間ほど抗生剤を服用していたんですが、腹痛はあまり無いとはいえ、全く出血が止まらないし下痢と便秘を繰り返し体調も悪かった為、大きな総合病院へ転院。そこでもいろいろな検査をしたんですが出血の量があまりに多くて先生も困惑しておりました。

相変わらず下痢と便秘は続き、しまいに胸ヤケ(今思えばつわり)。たまたま病院が休みの日の夜に、すごい腹痛に襲われ、本当に脂汗が出て全く動けなくなって、おまけに今まで経験した事の無いような究極の下痢状態。あと生理状の出血と混ざり、透明の液体が大量に出てました。気が遠くなりそのまま眠ってしまったんですが、朝起きたら痛みが去っていたので結局病院へ行ったのは診察予定日だったその三日後。(呑気・・・・・)

先生に先日のお腹の痛みと、出血と混ざった透明の液体の事を話すと、先生の表情が一変。確か二度目の妊娠判定をしたんだったと思います。(一回目の妊娠判定の時は、尿に血液が混ざりすぎて陽性反応が出なかったらしい)そこで初めて妊娠していると判明。しかし、子宮の中身は何度も診察で見ているのに空っぽ。という事は、子宮ではない場所に赤ちゃんがいるのでは・・・となった訳です。
「どうやら、子宮外妊娠みたいだね・・・」お医者様にそう告げられた時、頭の中が真っ白になりました。お医者様は今すぐ、赤ちゃんを私の体から取り出さないと、私の命も危ないから・・・と子宮外妊娠についての説明をしてくれました。赤ちゃんを取り出す・・・私の体から、取り出す・・・・。

子宮外妊娠だと診断される前、大量の抗生剤投与(たくさん出血していたので、感染症防止の為)を受けていた私は、その瞬間まめちゃんの生命を諦めていました
・・・が、でも違ったんです。あれだけ薬を飲んだのだからまめちゃんはもう生きていない・・・私は勝手にそう決め付けていて、だからまめちゃんを取り出す手術をするのだと・・・もしかしたらそう思いたかっただけなのかな。

「赤ちゃん、もう生きていないんですよね?」尋ねる私に、お医者様は困った顔で「・・・・うーん、生きていないんじゃなくて・・・なんて言うのかな。これ以上育てないんだよ。今あなたの赤ちゃんは、子宮の中じゃない所にいるからね。そこ(卵管)には赤ちゃんが育つ為のスペースが無いんだよ。」

しばし呆然とその言葉の意味を反芻しました。・・・・育てない。ということは、今この時点では育っている?今は生きているの???生きているのに私の体から切り離してしまうんですか?
泣き出してしまった私に慌てたように、お医者様が看護婦さんに向かって「ご主人に来てもらって。今すぐ」と言いました。旦那。ああ、そうだ。旦那になんて話そう。
妊娠していたんだよ。だけど、この赤ちゃんを産んであげる事はできないんだって・・・・・
ごめんね、旦那。ごめんね、まめちゃん・・・・・・・

その時まめちゃんはすでに8週(妊娠3ヶ月)に入っていて、普通にすくすく・・・何にも知らずに大きくなっていたんでしょうね。まめちゃんが今いる私の卵管は、今すぐ破裂してもおかしくない状態だったそうです。結局緊急手術となりました。(卵管が破裂すると、腹腔内に大量の出血を起こし、赤ちゃんはそのまま流産、出血のショックで母体も死んでしまう事があるとの事)会社から駆けつけてくれた旦那へ上手な説明もできないまま、手術室へ運ばれました。

手術は成功。診断通り、まめちゃんは私の右側の卵管にくっついていたそうです。私の卵管はすごく大きく腫れ上がっていて、旦那曰く(術後ドクターに見せてもらったらしい)「立派なたらこ」だったそうです。

手術の夜、気持ちが昂ぶり眠れないまま・・・廊下から、誰かの元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえる中、今まめちゃんはどこにいるのかな・・・・そればかり考えていました。まだ病院の中にいるの?怖くない?一人で泣いてない?早く、早く天国へ行くんだよ。いつか、ママもそこへ行くから。また、会えるからね・・・・・

そして、旦那が赤ちゃんを抱いている夢を見ました。赤ちゃんは向こう側を向いているので顔は見えません。
もうちょっとこっちを向いてくれたら顔が見えるのに・・・・・こっち向いてよ、ねえ?

目が覚めてから泣き続けました。これが、私とまめちゃんの別れの夜でした。
まめちゃんと二度目のさよなら(まさかの流産)1999年8月
繋留流産とは・・・・
お腹の中で赤ちゃんが死んでしまう事です。出血や痛みなどの自覚症状が無い事が多く、しばらくしてから(次回の検診時などに)発見される事もあるそうです。

私の場合、子宮口がガッチリと閉じていた為ラミナリアという海草状のものを用い、子宮口を開き子宮の中の赤ちゃんや、胎盤などの残存物を取り除く手術を受けました。静脈注射で眠っている間の手術でした。

流産の症状(私の場合)
妊娠発覚から何かと出血しておりました。赤ちゃんの成長は(途中までは)順調だったみたいなんですが・・・。とにかく出血は子宮頸部にびらんがあり、そこからの出血だと診断されていました。出血の色も薄いピンクとか茶色とか。

ある日初めての真っ赤な出血があり(500円玉くらいの血液が下着につく程度の量)、慌てて病院へ。運の悪い事に担当の先生が出張中で、いつもと違う若い先生に診察してもらったんですが、今にして思えば・・・・本当に後悔。どうして、担当の先生がいないときに出血しちゃったんだろうって。「僕出張でいなくなるから、その間なんとか順調にもたせといてよ〜」って担当の先生が言ってた事を思い出します・・・。

結局その日は「赤ちゃんの心臓きちんと動いてるから問題ないですよ」と家に帰されました。診察の時見せてもらった赤ちゃんの超音波画像は、不思議な事に前回よりも心臓の動きが弱い・・・前回は体全体が心臓みたいで、カチ!カチ!って光っていたのに、その日に見た赤ちゃんの心臓は、私の目には微かに、弱々しく点灯しているようにしか見えませんでした。

でも先生が問題ないと言うのだし、私自身も赤ちゃんが成長して体が大きくなった分心臓の動きが小さく見えるのかな〜なんて気楽に考えてしまったわけです。とりあえず一週間後にまた診察・・・という事になりました。

その一週間、全く出血も無く順調に過ごしていました。ちょっとつわりが弱くなったかな・・・という感じはしていたんですが。病院へ行くと、いつもの担当の先生がいるはずなのに、なぜか私が呼ばれたのは一週間前に診てもらった別の先生。

あの時のなんとも言えないような嫌な予感は今でも忘れる事ができません。

診察の後、前回と比べて赤ちゃんが育っていないと告げられ、「前回から心臓の動きが弱いとは思っていた」と話す先生・・・。確かに胎児の一度動いた心臓が止まりかけている時は治療のしようがないという事は聞いていました。

でもどうして、あの時赤ちゃんが弱っているとわかった診察の時点で・・・たとえ無理だとしても投薬なり入院なり安静の指示なり・・・を出してくれなかったのかと。もし、適切な処置をとってくれていたら(それが例え気休めだとしても)それで結末が同じだったとしても、私はここまで自分とあの先生を責める事も無かっただろうになって考えてしまうのです。
右卵管を失い、普通の女性よりは妊娠しにくくなった私。しかし、術後の経過も良好で、子作り解禁(術後は感染を防ぐ為に、2〜3ヶ月避妊するように病院から指導されます)となってからすぐに妊娠する事ができました。とりあえず子宮の中に赤ちゃんのお部屋(胎のう)が確認され、子宮外妊娠ではなく正常な妊娠だと判明。旦那の喜び様は言葉に出来ないほどで、私はまだ見ぬ赤ちゃんに思わず嫉妬してしまう位でした。

日を追って、まめちゃんの姿、そしてまめちゃんの心臓が動いているのが確認!。心拍が確認されると、初期流産の可能性が減り、80%以上(ほぼ90%)がその後順調に育つそうで、私もお医者様から「良かったね、おめでとう」と言ってもらえました。

・・・が、その1週間後。まさかの心拍停止。流産宣告を受ける事になります。
「赤ちゃんが育っていないんですよね」というお医者様の声。育っていない・・・?意味が飲み込めませんでした。
「心臓が動いていないんですよ」嘘だ。だってこの間は動いていたよ。
「早く赤ちゃんを出してあげないと」どうして?まめちゃんは私のものだよ。どうして勝手にそんな事決めるの?

混乱して思い切り泣く事もできないまま、お腹の中で死んでしまった赤ちゃんを外に出す為の手術の説明を受け、家に帰る途中、本当にこのまま消えてしまいたい。お腹にまめちゃんを抱っこしたまま一緒に死んでしまいたい。それ以外考える事ができませんでした。今でもはっきりと覚えています。その日は雨でした。悲しい悲しい雨の日でした。

優しい旦那と、何の罪もないまめちゃんを、どうして傷つけないといけないのかな・・・・
神様はどうして、二度もまめちゃんを私から奪ってしまうのかな?

手術の日。手術中の事は麻酔が効いていたので何も覚えていません。ただ、隣の処置室からずっと女性の泣き声が聞こえていた事。手術が終わった後「まめちゃんを見せて」と看護婦さんに頼んだら「小さすぎて何も分からないですよ」と優しい声で言われた事。それが全てです。

まめちゃんへ。
二度もあなたを守れなかったママを責めていますか?怒っていますか?
もしママを許してくれるなら、いつかママにあなたを抱っこさせて下さい。今度は絶対あなたを無事に産むからね。約束するからね。ママを信じてね。

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保険について・・・・・
サイトを通して、質問されることの多かった「保険」についてのお話です。

私は、外妊も流産も同じ病院(大規模な総合病院)で手術や処置を受けました。
個人病院とは違って、室料もそれほど高額ではない病院ですが、ケースがケースだっただけに(赤ちゃんを失った)、他の方(特に妊娠されている方)とは相部屋にならない様に、病院側のほうでも気を配ってくださいました。

なので、本来ならば4人部屋の予定だったのですが、個人部屋で休むことができました。外妊の時は「病院側の都合なので」とおっしゃっていただき、室料は4人部屋と同額を請求されました(個人部屋だともっと患者側の負担が大きい)。(流産の時は、個人の空き部屋がなく特別室となったため、保険適応外となり自費となりました)

外妊の時の入院費は、手術代や室料など全て合わせて、10日入院で10万円前後でした。これは、他の外妊経験の方から聞いたところ安い方の範囲に入るようです(病院によって、かなりバラつきがあります)。流産の時は、入院期間は1日だけでしたが特別室使用料があったので、6万円前後でした。

保険に入っていた為(主人の会社の団体保険と、個人の保険)、保険金がおりました。(診断書が必要)
両会社とも
●(1日5,000円×10日間)+保険特有の手当て 200,000円 = 250,000円
(正直、かなりの金額が出ることに驚きました)

流産の時は、片方の保険からは外妊と同じ金額と日数分、もう片方の方からは日数分のみが出ました。
(この差にも正直驚きました)

サイトを通して知り合った方からのお話・・・・
その方は、私と同じ繋留流産(胎児が何らかの理由で胎内で死亡してしまう。症状が出ないケースも多く、健診のときに医師によって発見される事が多い)だったのだそうですが、彼女の入っていた保険会社では、繋留流産は保険に適応されない、との返事だったそうです。保険によって、ずいぶん見解に違いがあるんだ・・・と驚いたと同時に、悲しくなってしまいました。

なんだか、お母さんサイドの気持ちは全く無視されているような気がして。お金が欲しいわけではないけれど、別の知人の方は繋留流産だと説明しても「堕胎と何が違うのか、堕胎の場合は保険金は適応されない」という返事だったらしい。これは頭にくるよね・・・・
結局、その方がその後、保険会社とどのような話し合いをしたのかは残念ながら分からないのですが、これには保険会社の方にももっと考えて欲しいと真剣に思いました。

別の知人は、全く保険に入っていなかった為、とても困った思いをされたそうです。(特に個人部屋だったため、私のケースよりも遥かに高額だったそうです)

普段、健康な時はあまり深く考えることの少ない保険(そもそも、私自身、保険証書を見ても、自分の保険がどのような種類のものなのか、全く分かっていませんでした)ですが、正直、外妊の後は保険に入っていてよかったと思いました。仕事を持っていらっしゃる方ならなおさらだと思います(仕事を休んでいる間のお給料分の補填の問題もあるので)。

特に流産については、各保険会社によって扱い方がかなり違ってくるそうなので、確認されることをおすすめします。

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