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“YASHICA 107 Multi Program”


Kyocera AF Based MF System, Part I “YASHICA 107 Multi Program”

“200/210/230AF”と恐らく“CONTAX 137MD”のメカニズムに“CONTAX 159MM”のプログラムAE機能を融合して開発されたモデルと考えられています。DXコードに対応しているので、明らかに137系とは制御系が異なるのですが、部品はどうも修理用ストック以外に余剰在庫を抱えていた137系のものを流用したらしい、と言われます(正確には部品を社内で汎用化してコストダウンした、が正しいと思いますが)。なおアッセンブルは香港だそうです。
 巻き上げ機構は137MD/MAと同様に自動巻き上げ、手動巻き戻しで、一般的な手動巻き上げの一眼レフのように巻き戻しクランクを引き上げて裏蓋のロックを外す方式ではありません。また、単なる自動巻き上げというだけで、連写も出来ません。ワインダーという言う意味では非常に中途半端なスペックとも言えます。
 なお、巻き戻しのクランクレバーを普通の手動巻き戻し式カメラのように引っ張っても動きません。やりすぎて壊さないように(^^;。

 このシリーズの裏蓋開閉は京セラAFシステムと同じロック機構が付いた開閉ノブで、最近のワインダー内蔵のCONTAX一眼レフとも異なります。
 京セラAFシステムと同様の裏蓋メカニズムであるため、データバックも共通、DA-1〜DA-3が使用可能です。

 廉価版MFシステムなので、ファインダーもきわめてシンプル。プログラムモード時は露出インジケータがついていますが(適正露出で点灯。プログラムAE範囲から外れると点滅)、マニュアル・シャッター・モード時は“M”と表示されるだけで、合ってるかどうかもわかりません(別途露出計が要ります。日本で販売されなかったのはこのあたりに原因がありそう)。このため、ほとんどプログラムAE専用機と言っても語弊はないでしょう。
 なお、プログラムモードはYASHICA/CONTAXマウント初のプログラムAE機である“CONTAX 159MM”と同じHigh Speed Program(HP)/Low Speed Program(LP)/Normal Program(PROGRAM)の3モードです。どうせなら、この時期には既に珍しくなくなっていた159MMの1/4000秒(シンクロ1/250秒)のシャッターを載せて欲しかったと思います。

 また、この“107”は異名の兄弟機も多く、本サイトでも掲載している“TR7000”や、“REVUE AC7”以外にも、中国で販売された“FX-8 Multi Program”が同型機です。
 軍艦部のペンタ・プリズム・カバーの“YASHICA”ロゴが白なのに対して、モデル・ナンバーの“FX-8 Multi Program”の文字が金色なのでちょっと不釣り合いですけどね。

 主な緒言(同仕様のTR-7000の取説より)

外寸(D×W×H):52mm×149mm×93mm、重量:500g
シャッタースピード:1〜1/2000秒, B, X(1/90秒)
ファインダー:視野率92%、倍率×0.82
測光方式:SPD中央重点平均測光
フィルム感度:50-3200(DXコード自動)、100(DXコード無し)
プログラムモード:HP(High)/LP(Low)/PROGRAMの3モード
巻き上げモード:1枚巻き上げ固定
発売:1988年3月(海外専用)

 写真は“Carl Zeiss Sonnar 180 T* f:2.8”を装着した例です。このレンズ、オリンピア・ゾナーと呼ばれることもありますが、フロート機構を持つなど、オリジリナルのオリンピア・ゾナー(レンジファインダーContax用の180mm f:2.8と300mm f:4.0)とは設計も緒言も全く異なるので、それは誤りじゃないかと個人的には思っています。

 e-Bay(US)にて落札、入手。


at: 2002/12/28(Sat)[追記:2005/02/28(Sun)]
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