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幻のフォーカスエイド機“YASHICA FX-A”


“YASHICA FX-A Quartz”

 1982年のフォトキナで発表された、“YASHICA FX−Focus Aidモデル”の市販版。販売は判明しているだけで米国400台、ヨーロッパで1,000台で合計1,400台。以前ドイツのe-Bayに出てきたジャンクの個体には4カ国語の取説がついていましたし、ヤシカの機種毎の生産台数は最低でも3000から3500台だそうなので、実際はもう少し多いとは思いますが、歴代“YASHICA FX”系では極端に製造/販売台数が少ない事は間違い有りません。
 ちなみに、“YASHICA FX”系ではこの“FX-A”が最上位モデルになるそうです。

 ベースは“FX-D”で、試作機より細部で下位機種の“FX-70”に近い部分が多々あります(巻き上げレバーのカバーや、セルフタイマー周り)。制御系は“FX-103 PROGRAM”を先取りしている部分があり、ワインダーの接点は4pin。“FX-103 PROGRAM”や“CONTAX 159MM”と同一ですが、電池ボックスを兼ねたグリップのおかげで物理的に接続不可能です。というわけで、唯一使えるのは“139 Winder”(こいつは2種類あるので、厳密には唯一じゃなくて2機種ですが)だけです。(2008/02/03:追記 その後、e-bayで“専用”ワインダー付きの個体が出ていたのを確認。丁度、FX-Winderの頭を切り落としたような形状です。実は見つけた一週間前に落札されていて....。e-Bayは割とマメにチェックしてるんですが....e-Bayは出品チェックの自動メールが上手く機能しないんだよねー)
 この電池ボックス、試作機では単3電池2本だったようですが(その後、資料を再確認したら「単4電池2本」の記述が〜。思い違いだったようです)、“FX-A”は単4が2本。電圧はFX-3以降の共通ボディと同じですが、電気は食うようです。

 フォーカス・センサは“RICOH XR-F”と同じハネウエルのモノのようですが(底板開けたらハネウエルのICが入ってましたし)、ミラーの透過パターンが全く異なります。
“XR-F”では単純にミラーの中央がほぼ素通しになっていて、そこから別のミラーを介してフォーカス・センサに光を通していますが、“FX-A”では複雑なパターンのハーフミラー部を介してより広範囲の光を通すようになっています。
 フォーカス・インジケータは通常のFX系ではスプリット・イメージとマイクロ・プリズムがある部分にハーフミラーで投影されるようになっていて(スーパーインポーズ方式)、真ん中が合焦の緑、左右が赤でインナー/アウターのデフォーカスを示しています(ちなみに、この方式を開発したエンジニアの方、後にキヤノンに移籍しEOSのAFシステムを開発したそうです....)。
 これは“XR-F”とは異なり視線が移動しないので、良いかもしれませんが、対象物に重なるのでジャマかも知れません。
 もっとも、かなり年数が経っているためかフォーカス・センサの調子はイマイチのようで、コントラストの甘い場所ではアテになりませんね。
 あと、“XR-F”とは異なり被写界深度も判断しているようで、解放絞りと最小絞りでは挙動が異なります。

“RICOH XR-F”はスプリット・イメージとマイクロ・プリズムがあるため、フォーカス・センサが無くてもフォーカシングは可能ですが、“FX-A”は全面マットにフォーカス・インジケータの窓があるだけなので、慣れないと大変。京セラで調整出来るかどうかも怪しいですし。
 ただ、ピントの山は割と掴みやすいです。
 ちなみにファインダー内の露出情報は、LEDアレイ式で“FX-D”等と同じです。

“RICOH XR-F”同様に電源がオリジナルのLR44×2から変更になっているため(“XR-F”は4LR44なので6Vですが)、底板には電池室の蓋がありません。ただ、“FX-A”は“XR-F”とは異なり底板を外しても電池室の痕跡がありません。
 ベース・ダイキャストは“CONTAX 139 Quartz”から引き継いだものなので、同じ位置にセルフ・タイマー・スイッチがありますが、マウントと電池室兼用のグリップの間の谷間にあるので、これは、ちょっと使いづらいですね。
 インジケータは“FX-70”と同じです。ただ、ここまでするなら素直に“CONTAX”と同じLED内蔵型のスイッチにすれば良かったのでは、と思いますが....。

 また、フィルム室の裏蓋は“FX-103 PROGRAM”同様に外せるタイプで、“FX Databack”が使えますし(シンクロ用のLEDも付いています)、“FX-D SE”用のフィルム送給インジケータ付きのモノとも交換可能だったようです。

 今回入手した個体はかなり使い込まれていますが、フォーカスセンサ以外の機能には不具合はなさそうです。PayPalが使えないため支払いが面倒なので、いつもの代行業者にお願いしました。そのおかげでちょっと高くついてしまいましたが、モノが無いのでそのあたりは致し方がないところです。なお、巻き上げ部はプラスティックのカバー欠損だったのですが、ジャンクのFX-70を入手して、そこから流用しています。
 手にはいると現金なもので美品が欲しくなったりしますね(^^;。前回入札し損なったFX-Aがシャッタ故障(多分、京セラに持ち込めば一発で直る、例のアレ)と裏蓋の貼り革以外はすこぶる美品だったので、とっても悔しいです(笑)。
 ただ、出品していた業者はスロベニアだったのですが、モノが届いたのはオーストリアからでした。

 その後、e-Bayでは不動/完動を合わせて、合計10台のFX-Aが出品されてますが、そのうち6台を帰国させました。

(2009/06/16:追記)
 その後、京セラで門前払いを喰らい、新宿・戸山の極楽堂さんに相談したところ、京セラの外注をされている専門業者の小畑カメラサービスさんを紹介していただき、新たに入手した2台のシャッタ不良の新同品は無事復活の運びとなりました。
 電子シャッターのCONTAX/YASHICA FX系はシャッター・マグネットにウィークポイントがありますが、実は補修部品として改良型が出ているそうです(FX-Aは専用タイプなので、洗浄しかできないようです)。

 で、2台のうちの1台は富山県高岡市のミュゼふくおかカメラ館に寄贈しました(2009年7月17日)。

 主な緒言は以下の通り。

外寸(D×W×H):50mm×135mm×86mm 重量:470g
シャッタースピード:1/1000〜1(sec:Manual)〜11(sec:Auto),B、シンクロ:1/100(sec)
ファインダー:視野率 95%、倍率 0.86倍
フィルム感度設定:(手動)ISO 25〜1600
定価(当時):\--,---
国内発売:無し


 ML55mm f:1.2にCONTAX 139WINDER兇肇筌轡純正の角形フードを付けてみました。
 綺麗なジャンクから無事復活を遂げた、感動の完動品。多分世界で一番状態の良い個体です。

  韓国の会員制CONTAXユーザ・サイトに画像を盗まれた、元の“FX-A”のコンテンツは“ここ”にそのままあります。

at: 2005/01/23(Sun)
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