スタートレック・オフィシャルFCに関して

 すでにご存知の方も多数いらっしゃると思いますが、過日、日本の「スタートレック・オフィシャル・ファンクラブ」の運営母体だったジャパンミックスが倒産しました。
 元々、このホームページを運営しているスターベース神戸のスタッフは、OFCの運営に対しては非常に危惧していたのですが、恐れていたことが現実になってしまった感があります。

 なお、今後スターベース神戸は、新体制のOFCからの協力要請もあり関西で開催されるイヴェント等は積極的に支援してゆく予定です。

 本ページは、今回の事件に関連する2つの文書を掲載します。

 


 以下は、日本のST関連書籍出版、映像出版の第一任者である、岸川靖(きしかわおさむ)氏が発表した物の転載です。ご本人から記名掲載の許可を頂いていますので、ここに原文のまま掲載します。
日本STオフィシャル・ファンクラブはどうなるのか?!
岸川 靖

 98年春に発足したスタートレック・オフィシャル・ファンクラブ(以下、OFCと略)の経営体制が98年12月1日をもって、全面的に新体制になった。

 詳しい新体制の内容については、12月25日売りの「モデルグラフィックス」を参照していただくとして、まずはこれまでの経緯を報告しよう。

 OFCは米国では数万人の会員を持つ団体で、本国ではクリエイションというイベント会社が経営している営利団体である。それとは別に日本で名乗りを挙げたのが数々のST本を発行しているジャパンミックスだった。同社はSFヴィジュアル誌「ヘッド・プラス」(現在、休刊)を創刊することもあり、その一環として、OFCの日本での運営権利をパラマウントの親会社であるヴァイアコム社に申請した。ヴァイアコム社は日本に於ける版権業務を担当している(株)サンワールド社の管理の基、日本OFCを認可する事になった。こうして、日本のOFCはジャパンミックスが運営する事になったのである。ところが、ジャパンミックス内に置かれた事務局(実際は編集部で代行していた)の会員への応対の不備、会員証、会報の発行が遅れ等、会員からは不満の声が高まりつつあるという事態になってしまった。さらに、ジャパンミックスの「ヘッド・プラス」の休刊に伴い、ヴァイアコム社が日本OFCの運営を危ぶむという事態を招いてしまったのだ。 ヴァイアコム社は、日本OFCの危機的状況に対し、次のような策をとることにした。それは、ジャパンミックスの持つOFC運営権を他の会社に移譲させるというも のであった。さらにヴァイアコム社は日本における同社の版権管理業務を委託している(株)サンワールドに対し、OFCへの直接参加を希望した。

(株)サンワールドは提携会社である(株)ステックに日本OFCの運営・管理を委託、直接の業務を行うことになったのである。

 以上が、大まかな経緯である。ところで問題なのはOFCに対して、明確な運営ヴィジョンを持っていなかったジャパンミックスの「ヘッド・プラス」編集部の責任であろう。新OFCを運営するステックでは新体制のOFCでは、会長や名誉会長職は置かない方針でいくという。この処置は正しいと言えるだろう。しかし、事務的な意味での事務総長とかは責任の所在を明確にするため必要だと考える。

 新体制となったOFCの今後に期待したい。

●追記●更に続報が入ったので追記する。本日(12月11日)ジャパンミックスが倒産した。ただし、OFCの経営その他は、すでに(株)ステックに移動しており、運営には支障がないということだ。また、旧ファンクラブ事務局の人間、及び関係者の全ては、新体制のOFCには関わっておらず、ファンは安心してもらいたい。

 ファンの一人として、このような不祥事が二度と起こらぬ事を切に願う。

(取材・文責 岸川 靖)

 以下は、今年の春に惜しまれつつも休刊になったファンゴリア日本版'98年4月号に掲載された"STARFLEET-B"のコーナーの原稿の抜粋です。著者はこのサイトのWebマスターである、沖 正雅、私です。
 実は、この抜粋にあるように、元々の設立当初から行く末が非常に危惧されていました。この原稿自体は'97年の年末に書いています。

"STAFLEET−B" from FANGOLIA Japanese Edition Apl.'98

 ところで、風の噂で日本でもオフィシャル・ファンクラブが出来たという話を聞いた。いったいどういう活動をするのか興味はあるんだが、ファンクラブという形態の組織を運営したことが無い人材が音頭を取っているらしいので不安が付きまとうのも事実。
 実は日本にオフィシャル・ファンクラブを作るという話は3年ほど前からあったのだ。
 でも、結局その当時は実現しなかった。当時のオファーでは代表者や運営母体のパラマウント・サイドからの要求のハードルが高すぎたのもあるんだが(会社経営者等の資産家や医師等のハイソサエティ・パースンが前提で、企業に在籍する者でも上場企業の役員レベルが最低ラインという、とんでもないものだった。もちろん決算報告義務もあり、赤字が続くとお取り潰し)失敗すると日本のマス・メディアからスター・トレックが相手にされなくなる可能性はおろか、米国本国サイドからの日本におけるスター・トレックのメディア展開が閉ざされてしまうリスクがあったからなのだ。
 パイオニアLDCさんやCICビクター・ビデオさんからST関連の映像ソフトもバンバン出ているが、赤字じゃないにしろ、内情は決して楽観できる収支じゃないしね。はっきり言って、人気声優が出ている「だけ」みたいなOVAの方がよっぽど儲かる。ST自体はもう、製作サイドのスタッフの情熱だけで支えられているような状況なので、不利な材料は増やしたくないもん。アメリカ本国サイドとの版権交渉に関してもごく一部の人が体張って頑張っているんだ。それに、好きな作品だけに、下手なことをして怨まれしまっては元も子もないもんね。でも、今回の件はこのあたりをクリアしての設立だと思うので、コケないように頑張って欲しい。日本のトレッキーズはアニメ・ファンよりも過激なのが割合として多いしね。じつはボクもその手の被害は被ったことあるんだが、まあ、それは関係ない話なのでそのへんにうっちゃっておこう。

文責 沖 正雅

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