To Heart Side Story

6月の花嫁

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 本作品は基本的にOLMのアニメ版の「To Heart」を下敷きにしています。若干違うのは琴音のサイキック能力がアニメ版よりもゲームに近い形で強化されているのと、綾香がもっと浩之達に接近しています。まぁ、綾香に関しては葵や芹香のつながりからいずれ親密にはなるだろうし、あの性格なので、延長線上ではこうなるだろうという推測が入っています。もっとも“Remember my memories”で想定していた設定を根こそぎひっくり返されてしまったので、かなり修正に苦労しています。まぁ、ついでなので“To Heart 2”の設定も一部追加することにしました。


 本作品には雛山理緒と松原葵は登場しませんが、作品世界では理緒は“Remember my memories”に合わせて保育士、葵は体育教師として、なんと西園寺女学院に就職していていることにしています。

 上記のように一部“To Heart2”の設定も拝借していますが、シルファと由真以外は出てきません(イルファは珊瑚、瑠璃と共にボストンへ、ミルファは河野貴明宅でメイドロボをしていて、婚約者のこのみと毎日張り合っています)。

To Heart Side Story/6月の花嫁 『イントロダクション』

 浩之・あかり夫妻のもとに住み込みのメイドとして同居することになった、マルチ。素体を大人の姿に改修した彼女はまさに耳のセンサが無ければ人間とは区別できないほどの完成度となっていた。

 マルチは浩之とあかりの結婚の際に同じ職場の同僚で、オーナーの孫である来栖川綾香と姉の芹香からの送られた結婚祝いだった。すっかり大人の姿になったマルチ。だがその心は高校時代と少しも変わらぬピュアなものだった。

 彼女を人間として扱うあかりは、耳のセンサを外して自分の従姉妹として生活するなら同居しても良い、と条件を出した。

 事情を知るレミイの大学で事務員として働き始めたマルチは、学生たちにとっては美人のお姉さん的な存在になっていた。

 そして、そのマルチに真剣な恋心を抱く青年が現れた。

 人間の女性として扱われ、愛を告白され、とまどうマルチ。この物語はそんな彼女の切ない物語である。