クワガタのカラダ

クワガタは大きくなりません!?!?!?

クワガタの成虫は羽化後大きくなる事はありません。この事は当たり前のようですが、意外と知られていません。飼育未経験の友人の中には、成虫も餌を食べて大きくなると信じている方が大勢いました。
大きなクワガタに育って欲しいときは、幼虫を大きく育てるしかありません。大きな幼虫に育てる為に餌や飼育方法を工夫します。そして、大きく育つ血統や、大きな卵を産むメスが重要になってくるのです。

同様に、フセツ、触覚などが欠損してしまった部位が再生される事もありません。基本的に、哺乳類のような治癒力はありません。体の一部が消失または変形した場合、永久にそのままです。

最近クワガタの大きさだけではなく、カッコよさが話題になっていますよね。クワガタの「ナイスバディ」って何でしょう?前胸背板の幅?頭幅?大顎の太さ?

クワガタの美形とは?


最近、オオクワガタがサイズだけでなく、形で評価されるようになってきました。しかし、これは個人の好みが大きく、サイズとは異なり絶対的なものではありません。しかし、最近、「Blueさんの基準でいいから、「良いクワガタの基準」を教えてください!」というお手紙をいただきました。クワガタは写真の撮り方によって別物に写りますので、とても難しいのですが、私が国産オオクワガタを選ぶときの基準を簡単にご紹介したいと思います。


@頭幅(青いライン)と胸幅(赤いライン)が広く、その二つが近いほうが好ましい。胸幅が大きい個体は割りと多いのですが、頭部が発達した個体は少ないように感じます。頭部が大きいほうがカッコイイですよね!腹部(水色のライン)は頭部、胸部の割りに小ぶりがいいと思います。

A大アゴの付け根の部分(黄緑色)が太いこと。最近は0.1ミリ単位で表されていますが、測り方によってだいぶ変わりますよ!数字より見た目が重要だと思います。

B大アゴの外側のライン(ピンク)がなだらかな曲線を描く。直線的な大アゴが好きな方も多いと聞きますが、私は丸めが好きです!大アゴの形状は特に遺伝しやすいですので、オス親選びは重要です。

C内歯の外側のライン(黄色)が美しく、エッジがシャープであること。実はこれが結構大切。右の写真でもわかりますが、付け根は平らでそこから、内歯の先端までのラインがシャープな個体がいいですね!
                                          モデルは岐阜産・75mmでした。


羽ばたくグランディス (2002.10.19)







     上は上翅をフカフカ










ミニ・グランディス50mm。あまりの可愛さに、食卓の上で遊んでいると突然上翅をフカフカと動かし始めました。「これは飛ぶ前兆では・・・」と・・あわててカメラをもってきました。「ブーン」という羽音とともにグランは上空に・・・とはいかず、その場でホバークラフトのように回転するだけでした。やはり飛行は苦手なのでしょう。このグランは足場が安定しない(滑りやすい)ところでは活発に動かず、飛行して移動しようとするみたいです。上翅を広げた姿がカッコイイですね!機会があれば今度は正面からも撮影したいと思います。


クワガタのアップ


皆さん、クワガタをアップでご覧になった事がありますか?
脚・・・ゴッツイですね。子供の頃は爪が2本だと思っていたのに、実はその間にさらに2本の細い爪があったんですね!知りませんでした。これがガッチリと木にしがみつける秘密なのでしょう。そして、脚のサイドのギザギザがスゴイ!まるで、鎧をまとっているみたいです。
眼・・・には、ガードが付いています。木に潜る時のガード?それとも戦いの時のでしょうか?これまたカッコイイですね。

グランディスオオと国産オオクワガタ


左の個体はラオス・シェンクアン産のグランディスオオクワガタ78.5mm、右は山梨県産の国産オオクワガタ74mmです。この2頭は遺伝的には近縁な種類だそうですが、内歯の付き方がかなり違いますね。国産は大型になるといわゆる大歯と呼ばれる内歯が前を向くようになりますが、グランディスはたとえ80mmを超えても中歯と呼ばれる内歯が真横を向くタイプです。前胸背板のサイドラインの突起の位置も国産は後寄りですがグランディスは前寄りです。頭部の前部にみられる突起もグランディスはやや内側の寄っています。
この2頭、大きさに差があるため、国産が貧弱に見えます。出来れば同じサイズの国産がいるといいのですが・・。

アンテ・マレー産とインド産


最近、人気に翳りが見えているアンタエウスオオクワガタですが、まだまだ、マレー産はこれからという感じです。左の個体がマレー産アンテ73mm、右がインド産アンテ74mmです。
両者を比べると、内歯が前方に位置して前を向いているのがインド産、内歯が太く、大きいのがマレー産です。前胸背板の形状も異なっていて、マレー産は最大幅を示す突起が前方に位置しているのに対し、インド産はやや下のほうに位置しています。これだけの違いがあるのに、学術的には亜種として区別されてはいないようです。
個人的には、国産離れしたマレー産のフォルムが気に入っています。

グランディス・ラオス産とインド産


ラオス・シェンクアン産とインド・ナガランド州コヒマ産を並べてみました。左がラオス産78.5mm、右がインド産79mmです。よく言われる前胸背板のサイドのラインの差(グランディスの飼育日記参照)以外はフォルムに決定的な差異はありません。最も顕著な違いは光沢です。ラオス産の頭部、胸部は艶消し気味ですが、インド産はピカピカに光っています。これはメスも同じで、インド産のほうが光沢が強いようです。
よく、インド産は「頭部の発達がいい」といわれますが、ラオス産でも美形個体なら十分対抗できますよ!!

インド・グランディスとマレーアンタエウス


最近、影が薄いアンタエウスオオクワガタですが、こうしてグランディスオオクワガタと比べると、太さが際立ちますね!特にこの個体(マレー産・78mm・左)は美形(自画自賛)で大アゴが太く、頭幅もあり自慢の個体です。二つ上の段でインド産と比較している個体が種親ですが、親を遥かに凌ぐ個体であることは間違いありません。
一方のグランディス(79.5mm・右)ですが、重量感ではアンテに負けるものの、こちらも頭部が発達していて、バランスの良い個体です。特に大アゴを開いて威嚇するポーズは他のクワガタとは一味違ったカッコ良さですよ!

国産オオクワガタと中国ホーペ
2006.7.31

同じサイズ(75mm)の国産オオとホーペを比較してみました。
体幅はホーペの勝ちです。特に頭幅の差は大きいようです。大アゴにも違いが見られます。太さは圧倒的にホーペの勝ちです。この国産オオは国産の中では太い部類なのですが、ホーペの前では細く見えてしまいます。さらに大アゴの外周部が曲線を描くホーペに比べ、国産オオは直線的な部分が残っています。内歯が外歯に重なっているのもホーペの特徴です。
眼上突起にも違いがあります。鋭く立ち上がるホーペに比べ、国産は富士山のように緩やかに立ち上がっています。
前胸背板のサイドラインの突起の位置も微妙に違います。ホーペは中央より前寄りですが国産オオは真ん中からやや後ろ寄りです。
腹部の形状が逆三角形のホーペに対し、国産はずんぐりとしています。ホーペはお尻が尖って見えます。
こうしてみると、ホーペの圧勝ですね。そんな理由から一時期、ホーペ・ブームが起こったのです。しかし、国産にも良いところがあるのですよ!えっ!?何かって?「雰囲気」でしょうか?「太くない」のも国産オオクワガタの特徴なのですから・・・。

モデル・・・岐阜県養老町産オオクワガタ・F血統 / H8年型福建省北峰産ホーペ・平沼極太B血統

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