ダニとの闘い

ダニはクワガタを飼育するうえで決して避けられないものです。特にワイルド個体には沢山のダニが付着しています。ダニはクワガタに悪影響を与えない・・・といわれますが必ずしもそうではないようです。我が家の国産オオクワガタのメスが大量のダニに寄生されました。大きいダニなら、歯ブラシで落とすのですが、このコショウのようなダニは簡単には落ちてくれません。眼部まで寄生されたクワガタを救いたいとダニとの闘いが始まりました。

闘病記
2002年
8月21日

産卵を終え、隠居生活をしていた佐賀産オオクワガタのメス2頭の餌交換をしようとすると・・・!!そこにはコショウのようなダニに体を覆われて弱っている姿が・・・・。経験上、このコショウのようなダニにとり付かれると死期が近いのです。弱ったから付くのか、付着されて死亡するのかは分りません。しかし、放って置くと必ず死んでしまいますので、今回初めてのクワガタ治療を行いたいと思います。

今回使用するのは熱帯魚飼育ではポピュラーな麦飯石です。これは活性炭のような吸着力があり、ミネラルも補給する事が出来る魔法のパウダーです。
先ず、小ケースに乾燥気味のマットを1センチほど敷き、麦飯石を付属のいスプーンで2杯加えかき混ぜます。転倒防止用の木片は電子レンジで加熱殺菌しました。餌も入れます。このケースにダニの付着したメスを2頭入れ様子を見ます。

麦飯石・ミネラルを多く含み、有害な物質を吸着・脱臭してくれます。一部の地方でしか採石できず、結構高価!写真はパウダー状ですが、石ころ大の麦飯石は飲料用や入浴用にも使われます。
8月27日
麦飯石の効果でしょうか!?以前のような、最悪の状態は脱したようです。2頭とも、21日に観察された、眼部をダニが覆った状態が改善されました。心なしか元気になったようです。しかし、上翅や頭部のふち、腹部などには、まだ沢山のダニが付着しています。再びマットを交換して麦飯石を投入しました。

6日目にしてはかなり良い結果だと思います。しかし麦飯石の効果については疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。。マットも交換しましたし、いつもよりマットの湿度も落としました。しかし、私の経験からいうと、麦飯石の効果はあったと思われます。
9月8日
麦飯石投入後2週間以上経過しましたが、症状の改善がみられたものの、「完治」には至っていません。そんな時、スーパーで見かけたのが「ダニ退散」という製品です。早速、2頭のうち1頭をで実験してみました。この薬?は天然成分から作られているそうですが、ニオイが強いので、屋外での使用を薦めています。確かに、正露丸のようなニオイがしますね。さらに注意書に「弱っている虫には使用しないように」と書かれていました。ちょっと心配ですが、「ミタニ」の製品なので信用して使うことにします。使用方法はマットに規定量散布するだけです。写真の黒い粒がそうです。

しかし、本当にニオイが強い!飼育部屋に入ると正露丸のニオイがします。
9月11日
左がそのまま麦飯石で、右は「ダニ退散」を散布したクワガタの頭部のアップです。「ダニ退散」の効果が3日目にして表れました。左は顔部のあちこちにまだダニが付着していますが、右は眼部の一部を除きダニがいなくなりました。
しかし、麦飯石も順調に効果を見せていて、上翅に付着したダニは、ほぼ消滅しました。
こちらのメスにも「ダニ退散」を使用することを決めました。

10月1日
9月23日・最初に「ダニ退散」を散布したメスからダニがほぼ消えました。もう肉眼では確認できません。(写真)このメスを通常の飼育にもどしました。(麦飯石の粉末を少々散布しただけ)
11日から「ダニ退散」を使用しているメスからも殆どダニが消えました。しかし念のためもうすこし薬浴です。

10月1日・後から「ダニ退散」を使用したメスも普通のマットにもどしました。両方のメスとも再発はしていません。

「ダニ退散」はこうしてレポートするととても良い薬のようですが大きな弱点があります。
@ニオイがスゴイ!
A散布するとクワガタが餌を食べなくなった。

特に、Aは問題で、長期の使用はクワガタを弱らせてしまいます。この実験では普通のマットに戻した後、餌を食べるようになりましたが保証の限りではありません。弱っている個体に10日から2週間の絶食はいかがなものでしょうか?1ヶ月くらいなら水分だけでOK・という意見もありますが・・?


幼虫に付いたダニ
2003年
3月22日

マレー産アンタエウスオオクワガタ♂の3令幼虫の菌糸ビンを交換したところ、妙に幼虫の体が赤みがかっていることに気が付きました。眼を凝らしてみてみると、赤みがかっていたのはダニでした。ゲゲッ!どうしましょう!?カナブンの幼虫にダニが付着したとき歯ブラシなどで、取り除く方法は報告されていますが、クワガタの幼虫については、対処方法は聞いたことがありません。アルコールを吹き付けることも考えましたが、幼虫が死んでしまったら、下も子もありません。悩んだ末、そのまま新しい菌糸ビンに移すことになりました。「間違った対処方法で命を失うより、ダニに栄養を奪われて小型になろうとも、羽化した方がマシ」と考えたからです。しかし、問題はどうして、この幼虫にダニが付いたのかという事です。そして、果たしてこの幼虫は無事羽化できるのでしょうか?
6月13日

ダニに取り付かれたマレー産アンテの幼虫が羽化しました。
ダニの付いた幼虫は新しい菌糸ビンで何事も無かったように蛹化、羽化しました。しかし、予想を超えた小ささ(66mm)です。幼虫は見た目は、まずまずの大きさで、測定こそしていませんが、最後のビン交換で体重は30グラム近くあったはずです。私の予想では70mmには達したはずでした。やはり、ダニに体液を吸われて縮んでしまったのでしょう!とても悔しい気持ちでいっぱいです。憎きはダニ!ですね。蛹の時にまで、ダニが付着していたかどうかは不明ですが、もしそうだとしたら、蛹は全く抵抗できなかったはずです。次回、このような事がありましたら、多少の危険は覚悟でダニに復讐したいと思います。
ちなみに、羽化した成虫にはダニは付着していませんでした。
6月20日
今度は国産オオクワガタのメスの幼虫がダニに襲われました!
暴れだした幼虫の入った菌糸ビンのフタをとると菌床の表面が大量のダニに覆われているではありませんか!慌てて幼虫を掘り出すと、こちらにもダニがびっしり付着しています。腹部はもちろん、頭部にも・・。こんなにすごい量のダニは見た事もありません。・・・この瞬間・プッツリと切れた私は2階へかけ上がりました。添加発酵マットと麦飯石を混ぜボトルへ詰めました。このマットに幼虫を投入し、さらに備長炭ボールを投入しました。憎きはダニ!危険は覚悟で「ダニ退散」も投入しましょうか!?
その後
上記の幼虫は結局、蛹化不全で死亡しました。ビン交換後はダニが落ち、写真のような凄惨な状態からは開放されたように見えました。しかし、成虫になることなく、前蛹のまま力尽きていました。原因はやはり、ダニでしょうか?


越冬明けの幼虫にダニが付着!!
2008年
3月8日

東京はだいぶ暖かくなってきました。我が家の飼育部屋も室温が18度まで上昇しました。飼育容器を観察すると佐渡島産オオクワガタのオスがマットの上に出ていました。
「おや?暖かいので出てきたな・・エサを換えよう」とフタを開けてビックリ!なんと大量のダニがクワガタの体に付着しています(写真)。早速マットを全量交換しました。この時クワガタの体が異様に軽い事に気がつきました。ダニに体液を吸われてしまったからでしょうか?もしかしたら助からないかもしれません。
新しいマットには気休めに麦飯石の粉末を投入しました。念のためメスを検査しましたが異常はありませんでした。
体力が落ちていそうですので、今回は「ダニ退散」の使用は控えようと思います。いずれにせよ餌を十分食べてからです。もちろん、温室管理へ移行です。

3月16日

冬眠期間中、ダニに取り付かれていた佐渡島・相川産オオクワガタ・オスの飼育ケースに「ダニ退散」を散布しました。
生体は約1週間前のダニ付着発見時から比べ、やや弱ったような印象です。餌は食べた形跡がありますが、決して快方に向かっているとは言えません。
そこで、荒療治ですが、市販の「ダニ退散」を散布しました。この薬?(写真の黒い粒)は正露丸のような臭いがします。以前使用したときは生体が餌を食べなくなりました。しかし、ダニに対する効果はあるようで、実際に成果をあげました。弱っている生体には危険ですが、私の経験上このまま放っておいても光明はありません。思い切って投入しました。さてさて・・・良い結果になるといいのですが・・・。
3月27日

「ダニ退散」を散布した佐渡島・相川産オオクワガタのレポートです。
散布後7日が経過し、クワガタの表面に付着しているダニは激減しました(写真)。そして、クワガタは元気を取り戻した様子です。私の手にしがみつく脚力が力強く感じるのは嬉しいですね。「ダニ退散」は我が家の場合、効果絶大なようです!
しかし、まだ安心はできません。まだ、コナダニが付着しています。念のため、マットを全量、餌も交換し、「ダニ退散」も再散布しました。後日、生体の様子を見ながら次の処置を行いたいと思います。

4月3日

「ダニ退散」の効果は絶大でした。本日生体(佐渡島・相川産オオクワガタ)を確認すると、コナダニの付着は肉眼では確認出来ないくらい減少していました(写真)。
しかし、個体の状態は先週に比べるとやや元気が無い感じです。ダニ退治は成功しましたが、クワガタにも影響があったかもしれません。餌は食べてはおりますが、温室管理の割にやや少ないように感じます。
ここで、治療を打ち切り、マット、餌を全交換しました。今後の復活が楽しみです。

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