ギラファノコギリクワガタ (Prosopocoilus giraffa)

ギラファノコギリクワガタは世界最大のクワガタです。最大個体は118ミリに達します。東南アジアに広く分布していて、最近ではホームセンターなどでも手に入る、ポピュラーなノコギリクワガタです。
鹿の角のように伸びた大アゴが特徴です。体色は基本的に黒色です。体長に比べ、大アゴが長く、子供たちにも人気が高いクワガタです。
近年、産地により細かく亜種別けされるようになりました。最も有名で数多く流通しているのはフローレス島産のギラファ(ケイスケ・ギラファ)かもしれません。現在、ギラファノコギリクワガタの中で最大になる亜種です。一時は高価な種類でしたが、流通量も増え、価格が下がってきました。ネグロス島産のダイスケ・ギラファは現在、最も人気が高く、手に入れるのが困難な種類です。大アゴの形状と上翅に光沢があるのが特徴です。
飼育は比較的容易です。日本の暑さにも耐えてくれる方ですが、飼育ケースは出来る限り涼しい場所に置いてあげましょう。冬季は加温が必要(16度以上)だと思います。ノコギリクワガタの中では最も長寿で、1年以上生きる事が多いようです。
幼虫飼育は、菌糸ビン、マット飼育ともOKです。幼虫は丈夫で、飼育も容易とされています。飼育温度は18度ー25度が適温であると推察されます。

Prosopocoilus giraffa giraffa インド、ネパール、ブータン、ミャンマー、タイ、マレーなど
Prosopocoilus giraffa daisukei フィリピン(ネグロス島、シブヤン島)
Prosopocoilus giraffa keisukei フローレス島、ロンボック島、タナジャンペア島など
Prosopocoilus giraffa makitai フィリピン(ミンドロ島、ルソン島)
Prosopocoilus giraffa nilgiriensis インド・ニルギリ
Prosopocoilus giraffa nishikawai フィリピン・タフナ島
Prosopocoilus giraffa nishiyamai スラウェシ島など
Prosopocoilus giraffa timorensis チモール島、ウェター島
Prosopocoilus giraffa borobudur ジャワ島、バリ島、スマトラ島


飼育日記
2002年
9月19日

DeepBlue推薦のお店「クワカブランド」で購入しました。なーんと1500円!ジャワ島産のギラファです。体長は85mmと小ぶりですが、姿かたちは立派なギラファです。子供の頃捕まえてきたノコギリクワガタとは色も形も違いますが、長い大アゴを振り回して威嚇する動きは「ノコ」そのものです。
ノコギリクワガタの本格的な飼育は初めてですが、暗中模索でがんばってみたいと思います。
11月10日

ギラファノコギリクワガタのペアリングを開始しました。オスを飼育していた小ケースにメスを投入しました。お互い関心を示さなかったので、オスをメスの上に乗せると・・・・ちょっと険悪な雰囲気になりました。しかし、成熟したペアの場合、すぐにはメス殺しは起きないだろうと判断!?3−4日一緒に飼育してみようと思います。
11月14日

ギラファノコギリクワガタのメスを産卵セットに移しました。セット内容は温室スペースの関係で、小ケースにアンテ用マット、コナラの産卵木1本です。マットは底のほうだけ固く圧縮しました。約19度での飼育になります。産卵してくれるでしょうか?初めてのノコギリですので心配です。

12月1日

ギラファノコギリクワガタのメスが他界しました。11月28日にケースの隅で脱走行動をとっていたのでミニケースに戻し単独飼育していました。かなり弱っていたので、産卵疲れだと思い、高タンパクゼリーを与え、養生していた矢先でした。きっと子孫を残してくれていることでしょう。

12月24日

ギラファノコギリクワガタの産卵セットの材割りをしました。結果は「Oh My God!!」産卵木を削った様子がなかった事とケースの底に卵が見えませんでしたので、「もしかしたら!?」と心配していたことが現実になりました。。産卵木にカビが生えていたのも不吉でした。問題はメスが死んでしまった事です。産卵してないのに何故メスは弱り、死んだのでしょうか?今年4月に生まれたブリード個体ですし、オスは今でもとても元気です。メスの寿命は短いのでしょうか?産卵痕すら残っていませんでした。

失敗した原因を想像すると@寿命Aセットが気に入らなかったBブリード温度が20度では低かったC季節が合わなかったD交尾に失敗していたE個体の問題
ということになりますが、特定はできません。
2003年
5月8日

メスに先立たれて久しいギラファのオスでしたが、ついに彼にも「お迎え」がきました。3月頃から、フセツが無くなり始め、最近では歩行も不自由な感じでした。そして、本日、ケースの中で立ったまま往生していました。羽化後1年と少々でした。
昨年、ギラファのブリードに失敗してから、再チャレンジも考えたのですが、今は国産オオクワやグランディスに気持ちが入っていますので、延期することに決めました。片手間でブリードして、また失敗したら可哀想ですから・・・。残念ですが、これでギラファの飼育は一時休止とさせていただきます。


飼育日記
2006年
12月16日

久々にギラファノコギリクワガタの飼育開始です。今回、手に入れたのはフローレス産の幼虫5頭です。実は忘年会のビンゴゲームで当たった景品です。
菌糸入りのプリンカップで保管されていた幼虫5頭を800ccの菌糸ビンへ移しました。5頭とも元気な2令幼虫でした。
フローレス・ギラファの大型オス幼虫は大食いで、とても大きくなるそうです。噂では50グラムを超え、3リットル以上の飼育ビンが必要になるとか?スゴイですね!でも私の場合、「いらぬ心配」かもしれません・・・。目標は5頭を無事羽化させることです。もちろんサイズは10センチに近づけば幸せです。

2007年
3月26日

ギラファノコギリクワガタの飼育マットを交換しました。
時折プラビン越しに見せる頭部の大きさに驚き、オス用に3リットル以上の容器を検討した結果、小ケースを選択しました。今までは菌糸ビンで飼育してきましたが、予算の都合上、マット飼育に切り替えます。1頭のオスに3リットル以上の菌糸の使用は、私の場合、財布に厳しいのです。使用するマットはクワカブランドの生オガ発酵マットです。
1本目、出てきた幼虫は意外にも普通サイズです。体重を量ると22グラムです。「なーんだ大した事ないじゃないか!」とガッカリです。この程度なら小ケースは必要ありません。しかし、次の幼虫を掘り出した瞬間、私は大きな誤りに気付きました。「デカイ・・!!」カブトムシ並みの頭の大きさです。体重は37グラムでした。これなら小ケースが必要かもしれません。残りの3頭は「38グラム」「34グラム」「17グラム」でした。
ということは、最初に掘り出した「22グラム」はメスなのでしょうか?「17グラム」と比較すると頭幅が一緒です。メス幼虫の大きさは国産オオクワガタの「オス幼虫並み」みたいです。凄いですね!オス3頭、メス2頭だとしたらバランスも良く、今後が楽しみです。
5月17日

ギラファの幼虫・多分、メスが蛹化していました。昨年・忘年会のビンゴゲームでゲットした幼虫です。予想より早い蛹化に驚きました。オスの状態は、未だわかりませんが、蛹化は未だの様子です。羽化時期のズレが心配です。
メスは800ccのプラボトル、オスは小ケースにマットを詰め、管理していました。オスもこの夏に羽化するのかな?初めての幼虫飼育ですので、わからない事ばかりです。

7月8日

ギラファノコギリクワガタのオスが踊化しました。飼育ケース(小ケース)の底に蛹室を作り、お尻をクネクネと振っています。ギラファは大アゴが長いので、蛹の形が面白そうですね!機会があったら掘り出して見てみようと思います。
ところで、メスは羽化してようです。蛹のお尻が見えなくなりました。羽化ずれを抑えるために、掘り出しはしない予定です。
写真・飼育ケースのキズは幼虫が齧った跡です。
7月22日

ギラファノコギリクワガタの蛹を掘り出しました。理由は興味本位!観察が目的です!!
「いやー!面白い形ですね!」大アゴがお尻の近くまで伸びています。前脚、中脚は大アゴの間から出ています。「長い大アゴ」に改めてビックリしました。
素朴な疑問ですが、一体どうやって羽化するのでしょうか?ドルクス系はうつ伏せになり、大アゴを曲げたまま羽化を始めます。翅が伸びきってから頭部を持ち上げます。
この形状ですと難しそうですね。頭部を先に起こさないと、踏ん張りにくそうです。それとも、大アゴの間から出ている脚でバランスを保つのでしょうか?さてさて、どうやって羽化するのか・・?羽化が観察できたらラッキーです。
8月12日

人工蛹室で飼育していたギラファノコギリクワガタのオスが羽化しました。デ・デ・・・・デカイ・・。
残念ながら、羽化の瞬間は観察できませんでしたが、予想以上の大きさにびっくりです。もちろん未だ、ノギスを当てることはできません。ざっくりと測定してみると、10センチオーバーは確実です。目標達成ですね。手に持って測定するのが楽しみになりました。
残るギラファ・オスは2頭です。1頭は羽化した様子です。最後の1頭は何故かまだ幼虫です。こちらも楽しみです。

8月27日

羽化したフローレスギラファですが、残念ながら測定不能です。我が家のノギスは100ミリまでしか測れません。そこで、クワカブランドで測定していただくことになりました。
羽化した2頭を木下店長に測定していただくと、104mmと102mm程だそうです。フローレスギラファとしては決して大きくはありませんが、初めての幼虫飼育ですし、目標は10センチでしたので、大満足です。
さて、残る1頭は無事羽化するでしょうか?
9月18日

ギラファノコギリクワガタ、まだ蛹化する気配の無い、オス幼虫のマットを交換しました。交換時は神経を使いました。何時、蛹室を作ってもおかしくない時期です。既に、他の2頭は羽化しています。ところが、この幼虫はシェルターのような部屋を作り、のんびり構えています。このまま様子見かマット交換かを迷いましたが、思い切って交換を選択しました。
幼虫の体重は48グラム。カブトムシ並みの大きさです。私が経験したクワガタ幼虫の中で、アンテを超えて最大です。
前回と同様、クワカブランドの生オガ発酵マットを小ケースに詰め、幼虫を移動させました。羽化が楽しみになりました!何しろ48グラムですから・・・。無事羽化したら、11センチ超え、行きますか???まぁー余り期待しないようにしましょう!!

10月11日

残ったギラファの幼虫が蛹室を作り始めた模様です。
この幼虫は、前回のマット交換時、48グラムという体重を記録した大型幼虫です。兄弟たちは既に羽化しており、10センチオーバーの大型成虫になりました。末弟のこの個体にも、期待がかかりますね。ただし、何らかの障害があって、蛹化が遅れた場合、無事羽化出来ない場合もあります。今後を見守りたいと思います。
10月27日
ギラファノコギリクワガタの幼虫が、前蛹期を迎えました。本日、飼育中の小ケースを観察すると、シワクチャの幼虫を観察出来ました。
写真は、飼育ケースの底から撮影したものです。無事、前蛹になってくれて、ホッとしました。
次の関門は蛹化ですね!楽しみです。
11月9日

最近、寒くなってきましたね!ギラファの飼育ケースも温室へ投入しました。管理温度は20度です。
ところで、ギラファの幼虫がが蛹化しました。ケース表面に面している部分が少なく、全身までは確認できませんが、確認できる限りは無事のようです。
ちょっと心配なのは、何だか蛹が小さく見える事です。前の幼虫よりは期待しているのですが、幼虫時の体重が重いからといって、より大きな成虫に羽化する保障はありません。しかし可能性は高くなります。私の思い過ごしだと良いのですが・・。

12月31日

正月を控え、飼育部屋を掃除していたところ、ギラファノコギリクワガタが羽化している事に気付きました。
ケースに接した蛹室の窓からは「お尻」しか見えないのですが、まだ羽化後1日と経っていない様子です。どうやら、心配していた羽化不全は避けられた模様です。上翅はしっかりと閉じ、後翅も確実に格納されている模様です。とりあえず、良かった!!
写真撮影のために蛹室をライトで照らすと、中でポッ・・と赤い輝きが浮かび上がりました。美しかったですよ・・。それでは、良いお年をお迎えください。

2008年
1月6日

年末に羽化したギラファノコギリクワガタのオスを掘り出しました。幼虫時、最大体重48グラムを記録した個体です。
驚いたのは蛹室の大きさでした。蛹室の窓と反対側から掘っていったのですが、いきなり陥没、中から大アゴが出てきました。蛹室の窓は写真(右下)の右側にありました。随分と大き蛹室ですね!定規で測定すると約14センチもありました。私が使用している1400ccの菌糸ビンは直径が13センチ弱ですので、このクラスのギラファには役不足のようです。「小ケース」で飼育したのは正解でした。
さらに出てきたギラファの大きさも私にとっては未知の領域に感じました。「大きい!!」と思わず家族に見せて回りました。家族も「えっ大きい!!」と感嘆しましたが、実際はどうなのでしょうか?冷静に見ると、夏に羽化した2頭よりは少し大きくみえるのですが・・。
個体はまだ「赤み」もあり、無理は禁物です。さらに我が家のノギスは10センチまでしか計測できません。正確な計測は後日、「クワカブランド」の木下店長にお願いする事になりそうです。
ギラファって確か短い方の大アゴで測定するんでしたよね!定規で目測したところ、11センチにはやや足りないかも・・・。

1月16日

やりました!フローレスギラファ11センチオーバー達成!!
先日羽化した大型ギラファのサイズを測定したいのですが、残念な事に、我が家のノギスは10センチまでしか計測できません。そこで、朝霞市にある「クワカブランド」の木下店長に測定をお願いしました。
慎重に測定をしてくれる店長・・・・・・そしてその口から「112mm」という数字が発せられました。
やりました!期待の11センチ超えです!飼育ギネスは「118mm」だそうですので、メインではない飼育種でこの数字に満足です。
思えば、元は忘年会の景品でした。夏に幼虫の体重は48グラムまで伸び、羽化までは1年以上かかりました。8月に羽化した2頭が100mm台前半だったことを思うとこの1センチの差で羽化までの時間が1.6倍も伸びた事になります。120mmオーバーは夢のまた夢なのでしょうか?
この個体、クワカブランドに置いてきました。グッバイ・ギラファ!

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