クワガタの交尾 2002.11.15

マレー産アンタエウスオオクワガタのハンドペアリングを紹介します。ショップで購入した新成虫で♂は8月羽化、♀は6月羽化ということです。オスは羽化後3ヶ月前後だと思います。ちょっと時期尚早かもしれません・・・。


温室(18度管理)で別々の飼育ケースで飼育していた♂と♀のハンドペアリング開始です。♀が餌に頭を突っ込んでいるのをいいことに、そのまま♂のいる小ケースに移しました。♂は気になるらしく、盛んに♀の様子を窺っています。幸い興奮した様子もなく、♀を攻撃する気配はありません。

左の写真は触角とアゴヒゲで♀のカラダ(上翅)を調べているところです。この行為で同種かどうかを判別するようで、念入りに行われます。成熟した♀は一種のフェロモンのようなものを背中から出しています。
異種の♀の場合は追い払われるそうです。

♂は同種と確認すると♀の体と「V」の字になり交尾器をだします。後ろ足で♀の上翅をさすり、交尾を促します。♀が交尾器を開くと交尾が始まります。

交尾が始まりました。♂は左の後ろ足で上手にコントロールしてバランスをとっています。♀もお尻を持ち上げ、協力しているようです。
♂はともかく、♀はまだ♂の顔も見ていないのに・・・不思議??ですね。
2−3分で交尾は終了しました。ご苦労様でした!

♂と♀の初対面??です。餌皿に頭を入れたまま♂のいる小ケースに移された♀はこのとき初めて♂と対面しました。交尾後も♂が♀を攻撃する気配は無く、メイトガードをするそぶりです。どうやら、一緒の飼育しても大丈夫みたいです。・・・・が・・・やはりまだ若い成虫ですのでしばらく別居させることにしました。しばらくは栄養摂取に専念させます。

今回のペアアリングは成功しましたが、必ず成功するとは限りません。特にヒラタクワガタ系はなかなか人前では交尾してくれません。その気性の激しさから♀を鋏み殺そうとする事もあります。
クワガタのペアリングで大切なのは成熟度で、オス、メスどちらかが未成熟だと交尾は成立しません。オスが未成熟の場合、近寄るメスを敵と捉えてしまいます。反対にメスが未成熟の場合、交尾に応じてくれないメスに腹を立て攻撃します。
ですから、お店で成虫を購入するときは必ず羽化日を聞いてください。成熟しているかどうかは種類、体の大きさ、雌雄によっても異なりますし個体差もあります。はっきり何ヶ月とはいえませんが、最低でも羽化後3−5ヶ月は必要だと思います。
餌をよく食べているかどうかも重要です。クワガタは羽化後しばらくは後食しません。長いときは(夏にもかかわらず)3ヶ月近く餌を食べなかった個体もいました。餌をよく食べ出してから最低1ヶ月程待ったほうが賢明です。冬眠明けも同様だと思います。
ペアリングするときは必ず観察して、もし殺気を感じたときはすぐ離してください。そして数日位後に再チャレンジすると成功することもあります。


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