アルキデスヒラタクワガタ (Dorcus alcides)

インドネシア・スマトラ島出身のヒラタクワガタです。スマトラ島といえばスマトラオオヒラタクワガタが有名ですが、アルキデスも、とても人気のあるクワガタです。特徴は太く、ごっついカラダと凶暴な性格です。特に前胸背板の発達は他を圧倒します。大アゴの力の強さはナンバーワンとの声もあります。クワガタ界のボブ・サップといったところでしょうか!
このクワガタの面白いところは長歯型と短歯型が存在する事です。長歯型は体もややスリムで、大アゴが長く、中央からはえる内歯がほとんどありません。短歯型は太く短い大アゴをもち、内歯も発達しています(写真は中間の中短歯型)。ブリードでは短歯型の出現率が高いようで、その理由は今のところ不明です。
飼育は東南アジア産のクワガタの中では比較的神経質な面があり、特に夏季は高温に注意したほうがよいでしょう。気温が30度を超えると弱る個体が多く、スマトラ島でも標高の高い地域に生息していると想像されます。幼虫も高温には弱いそうですので、夏季はエアコンが必要かも?
最大個体は9センチを超えるそうです。


飼育日記
2004年
11月11日

アルキデスヒラタクワガタのペアを購入しました。スマトラ島・ベンクール産のWF-1個体です。前回飼育していたものよりも、より大アゴが短い短歯型です。
この個体は、今年羽化した新成虫です。メスは後食していますが、オスはまだ食べていません。ブリードは来春までお預けですね!温室が満杯の私には好都合です。
12月16日

アルキデスのオスが後食を開始しました。アルキデスは低温下でも活発に活動するクワガタです。私も室温で管理していたのですが、暖冬も手伝ってか、問題なく後食を始めました。
ところで、完全に目覚めたアルキデスは恐ろしいほど凶暴ですね!餌を取り替えようとする私に向かって常に威嚇の姿勢をとります。そして、その威嚇の持続時間がスゴイ!ケースの向きを変えるたびに、常に私に向かいます。普通は長く持続しないのですが・・・。挟まれたらと思うと恐ろしいですね!機会があったら、スマトラと闘わせてみたい気がします。
2005年
3月21日

昨年購入したアルキデスのペアリングを開始しました。オス、メスともに、よく餌を食べるようになっていましたが、温室が満杯で、ブリードするスペースがありませんでした。しかし、近日、東京も暖かくなり、飼育部屋の温度が20度を超える日もあります。そろそろ、温室外でも大丈夫かも?というわけで、早速「愛の小部屋」で同居させました。
意外なことに、メスを入れても、オスが攻撃しません。アルキデスはメス殺しが多いと聞いていたのですが、スムースに同居が始まりました。まだ、ちょっと寒いからでしょうか?しかし、安心はできません。定期的な観察は必要です。
3月25日

「愛の小部屋」で同居させていたアルキデスヒラタクワガタのメスを産卵セットへ投入しました。心配された「メス殺し」は起こりませんでした。しかし、毎夜、観察していましたが、オスの気性の激しさはかなりのものです。今回メスが無事だったのは、余程オス好みの美人だったからでしょうか?交尾は確認していませんが、多分、交尾済みと思われます。
今回のセットは、小ケース、夏菌皮むき材1本、マットはペーストマットとフォーテックさんのFマットを使用しました。小さいケースなのはスペースの問題です。今後、スジブトヒラタも控えていますので・・・。本来は中ケース以上でブリードするほうが確実です。
6月12日

アルキデスの産卵セットを割り出しました。セットが3月下旬でしたので、随分と遅い割り出しです。しかし、なんとなく「まだ早い」という直感がありました。
結果は材から初令幼虫9頭、卵6個、マットからは卵が3個出てきました。小ケースでの簡易セットだったにもかかわらず、上々の成果です。
幼虫たちは、「クワマット」入りのプリンカップに入れ、しばらく保管します。

飼育数の関係で手放すことになりました。温室が満杯です。機会がありましたら、短歯型の極太アルキデスを羽化させてみたいですね。


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