コクワガタ (Dorcus rectus)

写真は我が家のベランダに飛来したコクワガタです。
日本全国に分布していて、採集では必ず出会うクワガタです。しかし、コクワガタが目的で採集に行く人は少なく、大概ノコギリクワガタやミヤマクワガタが採れないときに、「コクワしか採れなかった」と嘆かれてしまう可愛そうなクワガタです。生命力はとても強く、住宅街の片隅にある雑木林でも繁殖しているようです。
飼育は比較的簡単で、餌と加湿したマットがあれば長期の飼育が可能です。飼育環境も、夏は日陰で、冬は室内で飼育すれば問題はありません(もちろん冬眠します)。ブリードも簡単で、小ケースでもOKです。寿命も長く、上手に飼育してあげると、2−3年生きます。

軽く見られがちなコクワですが、入門種としては最適です。ちょっとした山林でも採集できるのがうれしいですよね!今住んでいる家に越してきて5年目ですが、コクワが飛来したのは、これが4頭目です。気をつけていればもっと発見できたかも??


飼育日記
2003年
7月31日

昨年から飼育しているコクワガタのオス(独身)が「お嫁さん」をもらいました。「カブクワキング」大泉学園店に虫ゼリーを買いに行ったところ、「コクワガタメス¥100」の札が目にとまり衝動買いしました。早速、同居させると、オスはメスが気に入ったらしく、盛んにモーションをかけています。2世誕生は近いかも?
2004年
5月19日

ある事情でコクワガタのペアを産卵セットへ移すことになりました。ところが、掘り出してみるとオスが死んでいました。このオスは、2年前の夏にベランダに飛来、長女が発見したクワガタです。残念ですね・・。しかし、昨夏来た「お嫁さん」は健在です。早速、産卵セットに入れました。以前に「コクワガタをブリードするの??」といわれたことがありますが、「まぁー、いいじゃないですか!!」
9月27日

コクワガタの産卵セットの割り出しをしました。結果は残念・・・。産卵している様子が確認できたのですが、幼虫はおろか、食痕も皆無でした。メスは死亡していました。3令幼虫が2−3頭出てくるかな・・・・という期待は全く外れてしまいました。そういえば、産卵セットに入れるとき、メスがやや弱っていた事を思い出しました。残念ですが、暫くの間、コクワガタの飼育は休止します。でも、またベランダに飛来したらいいな・・・!


2009年 飼育日記
9月5日

8月下旬、伊豆のキャンプ場でコクワガタのオス1頭、メス2頭を拾いました。いずれも、トイレの電灯に飛来して転がっていたのを発見。まさに”拾った”のでした。しかし、「今更コクワなんて・・・」と思い、小さな子供連れの家族に差し上げました。
ところが、帰る途中に休憩した伊豆スカイライン亀石峠・休憩所のトイレの前で、奥方が落ちているコクワガタ・メスを、またまた発見。ここまで「コクワ拾い」が続くとは何かの縁かもしれません。持ち帰り、飼育することになりました。
本日、産卵セットに入れてみました。コバシャHR−1に小さな産卵木とマットを入れただけのセットです。「産もうが産むまいが、好きにしなさい!」という感じです。
10月26日

コクワガタのブリードに成功したみたいです。産卵木の右側に新しい木屑が見えますね!これは親メスではなく、幼虫が産卵木を削ったものです。
実は、9月下旬にコクワガタの産卵痕らしきものを確認していましたが、なにぶんコクワガタは久しぶりなので、確信には至りませんでした。
さて、何頭の幼虫が採れるでしょうか?11月上旬には割り出す予定です。
11月7日

コクワガタの幼虫を割り出しました。セット開始から丁度2ヶ月です。
堅めの産卵木を慎重に割っていくと、大きさにバラつきはありますが、10頭程度の幼虫が採れました。初令〜2令幼虫です。
プリンカップに生オガ発酵マットを詰め、1頭1頭分けて温室(20度)で管理します。静岡県伊東市・伊豆スカイライン亀石峠産コクワガタ・WF1です。ちょっとカッコイイ産地ですね!?


2010年 飼育日記
2月9日

昨年ブリードしたコクワガタの幼虫のうち1頭が蛹室を作りそうな気配です。幼虫たちは250ccのプリンカップで温室飼育していました。マット交換は1回だけでした。使用マットは生オガ発酵マットです。大きく育つと評判のマットです。
ただ、産卵セットを割り出したのが11月上旬でしたので、随分と早いような気がします。温室管理の影響で、自然下よりも積算温度が高いのは事実ですが、出来れば大型個体羽化へ向けもう少し熟成して欲しかったですね。でも、それも贅沢な悩みかも??とにかくオス・メス半々でお願いします!
2月24日

静岡県伊東市・伊豆スカイライン亀石峠産コクワガタの幼虫のマットを交換しました。
幼虫はプリンカップ250ccにて温室管理で飼育しています。うちの1頭は前回の報告後、蛹化しました(写真右下)。残り9頭の幼虫は蛹室を作っている気配がありませんので、思い切ってマットを交換しました。多分これが、最後のマット交換になると思われます。
体重は測定しませんでしたが、皆元気でした。オスには今回交換したマットを食べ尽くした後、4月頃に蛹化してくれると嬉しいですね!
ところで、マットの乾燥が目立ちました。温室飼育だからですが、思ったよりもプリンカップの通気性が良いのかもしれません。私は針で5箇所程度、穴を開けていましたが、必要無いかもしれませんね・・・。

3月15日

静岡県伊東市・伊豆スカイライン亀石峠産コクワガタのメスが羽化しました。写真はプリンカップから蛹室ごと取り出して撮影した写真です。もちろん、そっと元に戻しました。
昨夏の伊豆でのキャンプで採集したメスが産んだ卵が無事成虫になりました。何だか責任を果たした気持ちになりました。理想的には子孫を、採集した場所に放虫出来れば良いのですが、ドライブインのトイレ前で拾ったため、生息場所は特定できません。ちなみに、他の9頭は未だ幼虫で、蛹室さえ作っていません。

3月24日

昨年ブリードした種親のメスが冬眠から目覚めました。(本当は掘り起こしたのですが・・・)
昨夏、静岡県・伊豆スカイライン亀石峠のトイレの前で奥方が発見した個体です。掘り出してみると疲れた様子もなく、とても元気です。さすがコクワガタですね!オオクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタなどのドルクス属のクワガタは、産卵後にも越冬することが可能で、3年以上生きることも普通なのです。特にコクワガタは小さな雑木林でも繁殖できる逞しさがあります。
持ち腹の幼虫は順調に育ち、先日、娘が羽化しました。頑張れば孫の姿も見れるかも??

6月27日

静岡県伊東市・伊豆スカイライン亀石峠産コクワガタのオスが蛹になりました。我が家では当HP「DeepBlue」にも記載の無い2002年以前以来のコクワガタオスの誕生に近づきました。
幼虫を飼育しているプリンカップ(250cc)の底に、コクワガタ・オスが蛹室を作りました。大アゴが確認できました(写真)。3月に報告した早期羽化したメス1頭を除く9頭が、ほぼ同時に蛹化した模様です。多くの個体がプリンカップの表面に蛹室を作り、蛹の一部分が見えているようです。
今更コクワ・・といわれるかもしれませんが、正直、凄く楽しみです。採集個体だからでしょうか?
7月10日

静岡県伊東市・伊豆スカイライン亀石峠産コクワガタのオスがこの1週間で続々羽化しました。
最初のメスの羽化(3月15日報告)から遅れること4ヶ月、オスもやっと羽化しました。特別に見るべき個体たちではありませんが、サイズの割りに気が強く、可愛いクワガタたちです。多くのメスも同時期に羽化しました。コクワはオスメスの羽化時期が近い傾向があるのかもしれません。もしかしたら、それが小さなフィールドでも逞しく生息している理由のひとつなのかも・・?などと妄想しておりますが真偽の程は全く不明です。


2011年 飼育日記
5月20日

昨年羽化したコクワガタたちの親メスが現在も元気に餌を食べています。
このメスは2009年、伊豆でのオートキャンプの帰り道の伊豆スカイライン亀石峠・休憩所のトイレの前で、奥方が拾ったワイルド個体です。同年に持ち腹で10頭程の幼虫を出産し、翌年羽化した子供たちは各方面へと貰われて行きました。
正直、今年はお目にかかれないだろうと諦めていたクワガタでした。フセツを失ってはいるものの冬眠から目覚め、元気な姿を見せてくれるとは、小さな命の強靭さに胸打たれました。

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