ニジイロクワガタ(Phalacrognathus muelleri )

ニジイロクワガタは世界で一番美しいといわれるクワガタです。産地はオーストラリア北東部とニューギニア島です。最大体長はオスで70mm近く、パプアキンイロクワガに比べてると、かなり大型です。注意しなくてはならないのは、小型のオスがメスに酷似していること。上翅の点刻の有無で区別します(メスには点刻がある)。寿命は1−1.5年といわれています。
色彩、形も日本のクワガタとはかけ離れ、一瞬「カナブン」と間違えてしまうほどです。まるで、タマムシみたいですね!


その色彩も個体差が大きく、赤みが強い個体、緑が強い個体、中には黒っぽい個体もいます。
最初、日本に入ってきたときはとても高価なクワガタでしたが、飼育が比較的安易で、ブリードで簡単に増えることがわかると、値段も落ち着いてきました。現在では安価な部類に入ると思います。しかし、オーストラリア政府が保護昆虫に指定していて地元での採集が不可能なことからワイルド品の入荷は難しいかもしれません。

腹部もご覧のとおりニジイロです!

2004年 飼育日記
7月13日
友人Aさんが長期(二ヶ月)の出張に出かけることになり、その間ニジイロクワガタのトリオ(♂♀♀)を預かることになりました。二ヶ月という短い間ですが、ここに記録したいと思います。
預かった個体は中ケースの産卵セットでした。預かってから十日、オスが全く姿を現わさないので心配になり、バラしてみました。どうやら産卵はしていないみたいです。3頭は、とても元気でした。どうやら休眠状態だったようです。
そこで、新たなセットを作り、3頭を投入しました。
8月11日
ニジイロクワガタの産卵セットを久々に覗くと、ケースの底に幼虫1頭と卵1個を発見しました。ちょっと早いけど、もう孵化したのか・・・!?早速、ケースをひっくり返してみることにしました。
しかし幼虫の姿が見えません。失敗でしょうか?ところが、よく捜してみると、卵がマットのあちらこちらに落ちているではないですか!慎重に卵を回収すると24個ありました。そして、私の見た幼虫は幻ではなく、「早く孵化した1頭の幼虫」だったのでした。
ニジイロはマットへの産卵が多いようですね!材には3個しか卵はありませんでした。今日の収穫は卵24個、幼虫1頭でした。Aさんの帰国が楽しみです!!
9月3日
前回の割り出し後の材とマットを保管していたところマットの中から卵1個、幼虫3頭を発見しました。くまなく調べた自信があっても、廃材、マットはしばらく保管するべきだと、改めて確認しました。
最近は面倒くさくて、捨てることが多かったですから。
反省・反省・・・。
9月25日
さらば!ニジイロクワガタ・・・!米国へ出張していた友人Aさんが9月中旬に帰国しました。2ヶ月の長期出張期間中、お預かりしていたニジイロとも、別れの時がきたようです。Aさんは、「幼虫をどうぞ」と暖かい言葉をかけてくれましたが、今の私には最近元気のないホーペが気にかかり、それどころではありません(ごめんなさい)。そこで、「今は遠慮しておくけど近い将来、欲しくなったらちょうだい!」と虫のいい話でまとめてしまいました。Aさんごめんなさい!!自分勝手で・・・。というわけで、ニジイロとはお別れです。でも、すぐに欲しくなるかも!?????だって、羽化させてナンボでしょ!?近い将来、、、、続く・・・かも・・・・・??期待してね?・・・うーーーーん・・迷ってます・・・また・・・はまりそうで・・・。

12月8日
諦め切れませんでした・・・。「やはり、一度は自分で、羽化させてみたい!」
そこで、虫のいい話ではありますが、友人Aさんに「ニジイロクワガタの幼虫・ペアをちょうだい!」とおねだりしてみました。自分勝手なお願いに、快く了解してくれたAさんに感謝・感謝です!
「お帰りなさい!ニジイロ幼虫・・・こんなに大きくなって・・。」
観察しやすいようにガラス瓶でのマット飼育でいきたいと思います。

2005年 飼育日記
2月13日
ニジイロクワガタの幼虫・ペアの飼育マットを交換しました。
オス、メスとも、2ヶ月前に比べ、明らかに大きく育っています。このビンが最後の交換になりそうです。
しかし、心配がひとつ!オスの頭部の両側にオレンジ色の斑点があるのです(写真)。これは、2ヶ月前にもあったのですが、一時的なものだと思っていました。ところが、まだ消えていません。幼虫自体はとても元気ですので、無事羽化することを祈るしかありませんね!
3月8日
春の到来とともに、ニジイロクワガタの幼虫が蛹室を作りはじめました。前回のビン交換で心配していたオスの頭部の両側の斑点は全く問題ないみたいです。HP読者の方から、「うちの幼虫にもありますよ!」という励ましのメールをいただきました。どうもありがとうございました!
5月6日
ニジイロクワガタのメスが羽化しました。ガラス瓶越しの撮影ですが、まぎれもなくニジイロクワガタです。一方のオスですが、蛹化した様子は観察できません。最近はビンの表面にも姿を見せてくれません。どうしたのでしょうか?ちょっと心配です。
6月3日
羽化したニジイロクワガタのメスを掘り出しました。我が家で最初に羽化したニジイロです。写真撮影の為に地面に置くと、生意気にも前脚を持ち上げ、威嚇の姿勢をとってきました。色虫とはいえ、やはり、クワガタなんですね!
ところで、オスは未だ幼虫のままです。安否は確認できましたが、蛹室を作っている様子はありません。
9月6日

ニジイロクワガタのオスも羽化しました。出張中に床下収納庫の中で羽化しましたので、詳細な羽化日はわかりません。出発前は前蛹でしたので、多分8月下旬頃の羽化だと思われます。体長も57mmとマット飼育にしてはまずまずのサイズです。色も赤味が強く、綺麗だと思います。。
残念なのは、少々羽バカなことです。たった1ペアでしたので、完品で羽化させたかったですね・・・。今後のブリードに関しては未定です。

2012年 飼育日記
6月17日

クワカブランドでニジイロクワガタのペアを購入しました。近年、国産オオクワガタに集中するため、外国産クワガタは撤退気味でした。しかし、「クワカブランド」の木下店長がハマっていることもあり、私的にも”本格的な飼育”をしたことがありませんでしたので、グラッと揺れて発作的に購入してしまいました。
ニジイロはレッドの入り具合により価値が決められた時代もありましたが、最近ではブラック系、ブルー系の出現など、様々なカラーリングが楽しめる時代になりました。今回購入したのはスーパーレッド系の個体です。赤味が強く、確かに美しい個体です。
オスが3月、メスが2月の羽化ですので、そろそろブリード可能ですね!!
6月24日

23日、ニジイロクワガタのペアを同居させました。購入時からオスが1カップ、メスが2カップのゼリーをたいらげましたので、ペアリングの開始は問題無しと判断しました。儀式は地味に、飼育ケースの仕切り板を外しただけでした。
翌日には写真の通り、オスはメスを抱え込んで離そうとしません。そろそろ産卵セットの準備ですね!
6月28日

ニジイロクワガタのメスを産卵セットに投入しました。オスがメスの産卵を邪魔する可能性がありますので、メスのみの投入です。交尾は十分行われていると判断しました。
セット内容は、中ケースに夏菌皮むき材1本(極太で柔らかい)を生オガ発酵マットで埋め込みました。メスが材に潜り産卵、または材を削り、マットとの境界に産卵することを想定してのセットです。”おまじない”としてパプキン幼虫の糞をふりかけておきました。
メスはオスの”束縛”から開放され、物凄い勢いでマットに潜っていきました。大漁を期待します。
7月16日

産卵セットの底面にニジイロクワガタの卵を発見しました(写真左)。他にも数個目視できます。ブリードは順調です!
産卵木も順調に削っています(写真右)。産卵木の中にも産卵してくれていると豊漁が期待できます。餌の食いも良く、活発なメスみたいです!
8月12日

ニジイロクワガタの産卵ケースの底面に幼虫を確認しました(写真)。これで無精卵疑惑もなくなり、ブリードは「成功」といえそうです。あとは何頭の幼虫が採れるかですね!近日中に、割り出しを行いたいと思っています。
ちなみにメスは数日前に産卵セットから取り出しました。幼虫が捕食される危険性があるからです。
8月28日

ニジイロクワガタの産卵セットの割り出しを敢行しました。幼虫はケース底面に見えていましたので、余裕の割り出しとなりました。
先ず産卵木を取り出そうとしましたが、崩れてしまって上手く取り出せません。今までのなかで一番柔らかい材かもしれません。そんな崩れた材とマットの間から数頭の幼虫が出てきました。まあ良いスタートです。材の取り出しを諦め、ケースを逆さまにして中身を新聞紙の上に出すと、ケース底面にいた数頭がこぼれ落ちてきました。あれ?卵もある・・。幼虫の令も様々です。ニジイロはだらだらと産み続けるタイプなのかな?ざっと捜索しただけで幼虫は20頭を超えました。久々の大漁旗ですね!
とりあえず、幼虫はプリンカップにマットを入れ収納しました。マットはもちろん生オガ発酵マットです。このままマット飼育でいこうかと思っています。

9月9日

先月末、割り出したニジイロクワガタの産卵セットの再捜索を行いました。実は前回、プリンカップが底をついてしまい、途中で捜索を打ち切っておりました。
今回は出来る限り緻密に捜索するつもりです。ケースを逆さまにし、産卵木を細かく割り、小さな幼虫も見逃さないように慎重に割り出しました。結果10頭近い幼虫を採取しました。前回と合わせて合計27頭です。よく産んでくれたものです。
それにしても、幼虫の大きさがまちまちです。管理が難しそうです。

10月
ニジイロクワガタ幼虫のマットを交換しました。多くの幼虫は3令幼虫でしたが前回に続き、プリンカップでの管理を続行します。

12月1日

ニジイロクワガタ幼虫のマットを交換しました。これで2回目のマット交換となります。使用したマットは「クワカブランド」で購入した「生オガ発酵マット」です。品質と生産がまずまず安定しているので信用しているマットです。
問題は私の管理です。飼育をサボるあまり、今回も250ccのプリンカップへ移行させました。「パプキンじゃないんだよ!」と怒られそうです。でも、私的には「色虫」は大きさよりも「色合い」という哲学?です。今回、飼育容器が小さいこともあり、早めの交換を行いました。温度管理は温室(20度)です。


2013年 飼育日記
1月28日

ニジイロクワガタの幼虫たちが蛹室を作り始めました。
写真はプリンカップの上部に蛹室を作った幼虫です。失礼かとは思いましたが、撮影のため、蓋を開けさせてもらい撮影しました。
250ccのプリンカップで、しかもマット飼育ですので小さな成虫しか羽化しないと思いますが・・・それでも羽化は楽しみなモノですよね!
2月6日

ニジイロクワガタの幼虫のうち1頭が蛹化しました。産地はクイーンズランド、スーパーレッド系の個体です。小型個体のため、オス、メスの判別もできませんが、250ccという小さなスペースで無事蛹化できたことが朗報です。多くの個体が蛹室を作っておりますので、3月には羽化の報告が出来そうです。
3月10日

温室(20度管理)で飼育しているニジイロクワガタのメスが羽化しました(写真)。250ccのプリンカップでよく無事に羽化したものです。
ところで、ニジイロの小型オスは大アゴが短く、メスと間違われることがあるそうです。これから羽化するであろう、我が家のオスたちも小型に違いありません。では、雌雄判別する方法は・・?
上翅で判別可能です。上翅に点刻の筋があるのがメスです。オスには点刻はありません。左の写真で点刻がよくわかりますね!
4月7日

ニジイロクワガタのオスが羽化しました。
予想通り小型のオスです。一見メスと見間違いそうですが、上翅をごらんください。点刻がありませんよね!間違いなくオスです。
しかし、困ったことにオスメスのバランスが悪そうです。メスは殆どの個体(12頭程)が羽化しました。しかし、蛹の形から判断するに、オスは5頭のみのようです。まあー仕方ありません。
それにしても、この血統、スーパーレッド血統と名乗るだけあって綺麗な発色ですね。(レフ板を入れて撮影しました)
5月12日

長歯のオスも羽化しました。プリンカップでのマット飼育で最後まで引っ張りましたので意外な結果です。もちろん大型個体ではありませんが、大アゴが立派に上向きに湾曲しています。上の写真の個体と比べると一目瞭然ですよね!!



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