我が家の温度管理  2003.10.2
飼育部屋は夏季、エアコンで温度管理しています。しかし、冬季はエアコンを動してはおりません。国産オオクワガタなどを冬眠させるためです。幼虫や耐寒能力のない成虫は飼育部屋内の温室に入れています。また、明確な冬眠傾向を示さない種類は温室の上にケースを置くなどの対策をしています。
国産オオクワガタやホーペの場合、夏季はもうちょっと高い温度が好ましいのですが、「飼育部屋」という同じ空間で他の種類や幼虫も飼育していますので、こちらに合わせているのが現状です。

種類 / 季節  夏季 冬季 春秋
国産
オオクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 飼育部屋で管理
8度ー12度

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・23度 飼育部屋で管理
8度ー12度

温室併用
20度ー25度
中国ホーペ 成虫 飼育部屋で管理・24度 飼育部屋で管理
8度ー12度

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・23度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度
グランディス
オオクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 温室の上で管理
10度ー14度

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・23度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度
台湾
オオクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 飼育部屋で管理
8度ー12度

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・23度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度
アンタエウス
オオクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 温室の上で管理
10度ー14度

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理
エアコンの風が当たる所に置く
20−22度位?
温室で管理・20度
温室併用
18度ー24度
ダイオウ
ヒラタクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 飼育部屋で管理
8度以上

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・24度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度
スマトラ
ヒラタクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 飼育部屋で管理
8度以上

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・24度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度
アルキデス
ヒラタクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 飼育部屋で管理
8度以上

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・23度 温室で管理・20度
25度を超えた場合は
エアコンで調節
パプアキンイロ
クワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 温室で管理・20度
25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・24度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度
タランドゥス
オオツヤクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 温室で管理・20度
25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・23度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度
クルビデンス
オオクワガタ
成虫 飼育部屋で管理・24度 温室の上で管理
10度ー14度

25度を超えた場合は
エアコンで調節
幼虫 飼育部屋で管理・24度 温室で管理・20度
温室併用
20度ー25度





外国産クワガタの適正飼育温度考察  2006.8.31


「外国産クワガタは何度で飼育しらた良いのですか?」という質問をよく耳にします。クワガタは中国からインド北部、東南アジア、オセアニアなど、広域で採集されます。その多くは亜熱帯、熱帯地域に属します。私も以前、現地の気温を調べるのが良いと思い、Webを巡回しました。しかし、多くの観光関連のHPに掲載されているのは都市部の気温です。実際にクワガタが採集されるのは、街から遠く離れた山間部で、標高の高い場所です。そこで発見したのが、「マレーアンテ」で有名なマレーシアの「キャメロンハイランド」です。ここは観光地として有名で、近辺でクワガタが採集できるらしいのです

キャメロンハイランド 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温℃ 21.4 22.3 23.0 23.3 23.1 22.8 22.3 22.0 21.9 21.8 21.6 21.0
最低気温 14.5 14.6 15.2 15.8 16.1 15.7 15.2 15.3

15.2

15.3 15.3 14.9

いかがでしょうか?年間を通してみても最低気温14.5度最高気温23.3度でしかありません。もちろんこれは1ヶ月の平均ですので、最低気温は10度程度まで落ち込む日もあるでしょうし、最高気温が27度まで上がる日もあるかもしれません(推測です)。しかし、、このデータから察するに、マレーアンテを飼育する場合、冬はヒーターで14度以上に加温し、夏はエアコンで23度まで冷却してあげるのが最も生体に優しい飼育温度という事になります。10度以下、28度以上は危険であると推測できます。それでは、ヒマラヤ系アンテはどうでしょうか?さらに高標高で採集される事から飼育温度を、より低温へシフトさせた方がよさそうです。
インドネシアなどで、採集されるオオヒラタクワガタはどうでしょうか?
下の表はインドネシア・スマトラ島の北部のメダンという町の年間平均気温です。もちろん、クワガタは街で採集されるわけではありませんので、修正が必要になります。一般的に標高が100メートル高くなるごとに0.6度気温が下がると云われます。つまり、1000メートルの山では6度も気温が下がるのです

スマトラ島・メダン 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温℃ 31.6 32.0 32.7 32.9 33.4 33.3 32.9 33.3 31.9 31.7 31.0 30.9
平均最低気温℃ 22.2 22.6 23.2 23.5 23.3 23.6 23.5 22.8 22.2 22.6 23.0 22.5

実際にクワガタが生息しているのは標高800−2000メートルの高原だそうです。仮に1000メートルで計算した場合、最高気温は27度程度最低気温は16度程度という事になります。東京の夏と比較してください。遥かに涼しいですね。スマトラヒラタの生息環境はこのあたりではないでしょうか?さらに高標高に生息していると思われるアルキデスオオヒラタはさらに5度程度、低温へシフトして考えたほうが良さそうです。
このように、熱帯産、亜熱帯産のクワガタたちは、人間にとっても「一年中快適」といえる環境で生活しているのです。日本へ連れて来られた彼らはさぞ、大変な思いだと思います。

東京 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温℃ 9.8 10.0 12.9 18.4 22.7 25.2 29.0 30.8 26.8 21.6 16.7 12.3
最低気温 2.1 2.4 5.1 10.5 15.1 18.9 22.5 24.2 20.7 15.0 9.5 4.6

参考に東京の気温表を掲載しました。日本の夏は暑いですね!熱帯や亜熱帯の高原よりも暑いのです。さらに冬は寒いのです。これから外国産のクワガタを飼育なさる方の参考になれば幸いです。
*尚、この記述は私の推測です。実際に現地へ行って調査したわけではありません。ご容赦ください。


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