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手本をしめすこと


 脳に早い時期に銘記された事は強く刻まれ、後々まで残る。5感は味覚、視覚、触覚、聴覚、嗅覚とあるが、一番早く出来て来るのは触覚で、生後1〜2ヶ月でほぼ完成すると言われている。視覚は生後3ヶ月。嗅覚も早い。お母さんとそうでない人を匂いで嗅ぎ分けている。一番遅いのは聴覚で、2歳位と言われる。だから、言って聞かせる(聴覚)より、やって見せた(視覚)方が効果がある。

 視覚は聴覚より早くから脳に銘記され、強力に刻み込まれているから「百聞は一見にしかず」は当たっている。おかあさんが自分はテレビを見ながら子どもに「テレビを見るのは目が悪くなるから止めなさい」と言って止めさせようとしても、テレビを見ても良いんだと言うサインを目から受け取っている子どもには効き目がないという事だ。

 子どもにテレビを見せたくないのであれば先ずはお母さん、お父さんがその手本を見せなくては効き目がないと言える。要は、親は自分の毎日の行動を子どもに見せる事で教育をしているのだ。自分はぐうたらしてて、子どもにしっかりせよと言っても通じないということ。それは言っている事としている事が違っていると、説得力が無くて教育をする事が出来ないという事なのだ。

 小学校の低学年の授業では、講義すなわち先生が喋るのが長時間続くと子ども達は飽きるのが早い。だから時々図を書いたり、映像を見せたりして進める事はとても大切な事である。

 話はずれるかもしれないが、今の社会での大きな問題である子どもの教育と言う事で、ここのところを私達大人が解らなくてはいけないと思う。

 子ども達は、大人にもっと本心を聞かせてほしいと迫っているのだと思う。「大人」という親でなく、おおすみしずかである私の気持を聞かせて欲しいと言って迫っているのだ。“本音と建前に苦しむ時もあり、弱い時もあり、強い時もある生身の人間としての自分の親にふれたい”と苦しみながら(時には家庭内暴力だったり、ツッパリだったりして)訴えているのである。 

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