キリスト教か仏教か 歴史の証言
監修 中村元 山喜房佛書林発行
神のところで、仏教とキリスト教の本の感想を述べてきているが、
かの書は哲学であり、宗教の対話である。
この本は、イギリスがスリランカを植民地支配をしている時代の背景であり、
キリスト教を広めるためにいかに仏教徒を差別していたという史実の背景もあり、
そのことにおいて牧師と僧侶の一つの論争である。
いかに、キリスト教が愛を説く宗教であるかは私自身も知っているが、
しかし、宣教ということで政府とともに植民地における布教を重視するするあまり、
異教徒である仏教徒を差別することは、非常に高慢に見える。
しかしながら、この論争において仏教の面目躍如になり、スリランカにおける
仏教復興に大いに振るった。
この論争の感想はゴジュツボツボツと書くつもりだが、この本の訳をなされた韓国の金氏の
後書きに述べられている、韓国においてのキリスト教の高慢な態度などを見ると、
対話すべきエキュメニカルの姿勢はどこに行ったのか。
根本なことは、お互いの無知であり、不理解における論争もあるだろうが、
実は、キリストの愛、ブッタの慈悲をないがしろにしているのではなかろうか。
この書において、仏教とキリスト教の本の感想とはまた違った目でこの書も解読したいと思う。
99/12/17
最近、どこかの新興宗教団体の法師が、イエスと釈迦と同じステージに立ったと
述べていた。○ームもまたおなじように。○福なんとかも。
これらは、この本に捕らえた論争以下の次元で、語られているのであって、
この本のように、おたがいの論争においての対立点からさつすれば、
あのような言葉を発することは出来ないだろう。
仏教とキリスト教は近くて遠いものなり。ゆえに軽軽しく宣言は出来ないのが当たり前で、
それを信じうるものたちもやはりもっと深き見つめることが必要かも。
99/12/18