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1.準備

1−1 本体および必要ファイルのダウンロード

http://www.conmicro.cx/hercules/で正式に公開されています。
公開されているherculesにはいくつかのファイルがあり、使用する環境によって適切なファイルをダウンロードする必要があります。
herculesは、windows版とlinux版がありますが、このページでは
windows版を扱います。
まず、確認するのはherculesを動作させようとしているPCのCPUです。
インテルのペンティアム2,3,4の場合は
i686、AMDのDuron,Athron系の場合はi586です。
次に、スレッドについてですが、これは特に問題がなければfthreadsを選びましょう。

よって、ダウンロードするhercules本体のファイルは、
i686の場合、hercules2165-i686f.exe
i586の場合、hercules2165-i586f.exe
となります。

また、herculesの実行にはcygwinの実行環境も必要となりますのでダウンロードします。

ダウンロードしたhercules本体とcygwinの実行環境を同じディレクトリに解凍します。
ここでは、d:\hercules\V2165に解凍することにします。

(重要)このherculesのバージョンV2165を使用してVSE/ESA2.2をインストールしようとしていたのですが、SYSRESのRESTOREでエラーとなってしまい、何度やってもインストールできませんでした。
試しに、昔のバージョン(V2131,V2162)で同じインストールを行ったところ問題なくインストールできました。
ということで、現在の最新版であるV2165では、VSE/ESA2.2が正常にインストールできません
(管理人の確認したところでは)
ここでは、正常にインストールを行えることが確認できたバージョンであるV2162を使用します。
しかし、既に正式に公開はされていないようなので、同じようにやってみようと考えている方は、次のバージョンを待った方がいいかも知れません。(管理人のところには、i686のfthreads版ならあります。)
次のバージョンで正常にインストールができるという保証はありませんが....
で、V2162をd:\hercules\V2162に解凍し、使用することにします。

1−2 VSE/ESAシステム・テープの準備

さて、herculesの準備は整いました。
次にVSE/ESAをインストールする準備に入りましょう。
VSE/ESAをインストールするためには、当然ですが、
VSE/ESAのシステム・テープが必要となります。
windowsをインストールするのにwindowsのCD-ROMが必要なのと同じですね。
(windowsはOSプリインストールという形式が主流ですが、メインフレームにはそんなもんありません)

というわけで、手元にVSE/ESAのシステム・テープがなければ話になりません。
手元にシステム・テープがあることを前提に話を進めます。

システム・テープをherculesが読み込める形式に変換しなければなりません。
herculesは、
AWSフォーマットという形式でテープを読み書きします。
そこで、システム・テープをAWSファーマットに変換します。
変換する方法は、MVSやOS/390が使用できる環境があれば、herculesに付属のTAPECONVユーティリティが使用できます。
このあたりの詳細については、いずれ説明できればと思っています....

今回、VSE/ESA V2.2.1(日本語漢字)版を用意しました。
AWSフォーマットに変換したシステム・テープのファイル名は、VSE221KA.AWS です。
このシステム・テープを使用してVSE/ESAシステムのインストールを行っていきます。

1−3 VSE用のDASDイメージ・ファイルの作成

VSE/ESAシステムをインストールするDASD(DISK)が必要です。
herculesでは、DASDはイメージ・ファイルとしてPC内に作成します。
作成するには、herculesで用意されているユーティリティ
dasdinit.exeを使用します。
VSE/ESAシステムでは、2dasdボリューム(DOSRESとSYSWK1)を使用します。
そこで、この2つのボリュームをイメージ・ファイルとして作成します。
今回用意するのは、3380デバイス(単密度:885シリンダ)とします。

コマンド・プロンプトから、以下のコマンドを実行します。
カレント・ディレクトリは、d:\hercules\V2162であるものとします。

dasdinit -bz2 f:\vse\DOSRES 3380 DOSRES 885

ここでは、F:\VSE\DOSRESというファイルを作成しています。
なお、ここでは試しにbz2で圧縮するオプションを選択してみました。
デバイス・タイプが3380で、ボリューム名がDOSRES。
シリンダ数が、885シリンダと指定しています。

Creating 3380 volume DOSRES: 885 cyls, 15 trks/cyl, 47616 bytes/track
885 cylinders successfully written to file f:\vse\DOSRES
DASD initialization successfully completed.

上記のメッセージが出力されれば正常にDASDイメージ・ファイルが作成されています。

次に、DOSRESと同様にSYSWK1のイメージ・ファイルも作成します。

dasdinit -bz2 f:\vse\SYSWK1 3380 SYSWK1 885

Creating 3380 volume SYSWK1: 885 cyls, 15 trks/cyl, 47616 bytes/track
885 cylinders successfully written to file f:\vse\SYSWK1
DASD initialization successfully completed.

これでOK。

1−4 コンフィグレーション・ファイルの作成

herculesの実行に必要なコンフィグレーション・ファイルを作成します。
詳細は、マニュアルを参照してください。
ここで使用するコンフィギュレーション・ファイルは、これです。

以上で、herculesを実行する準備が整いました。
あとは、herculesを立ち上げて、VSE/ESAをインストールします。