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1986年1月24日(金)〜26日(日)二泊三日 |
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長野県下伊那郡上村しらびそ峠 |
「予想外の雪道走行に、ビビりまくり」
1/24(金)曇りのち雪のち晴れ
朝5時40分、目覚ましが鳴る。「あれー、6時にしたつもりだけどなぁ〜」と布団の中でウダウダする。「さっびぃーなー」いっ、いかん!気合いが全然はいらん!!
7時ちょっと過ぎに出発。猿投グリーンロードで足助方面に向かう。グリーンロードは路面が光っていて、凍っていないか時々足を出して確かめながら走る。
足助あたりから雪が降り始めた。「思ったより大変なツーリングになりそうだな」と、気合いの入っていない俺は思わず帰りたくなってしまう。R153伊勢神トンネルを抜けると、路面にはシャーベット状になった雪が積もっている。「もうノーマルタイヤで走るのは無理だ」と思い、早々とリアにチェーンを装着。(でも、フロントは、ノーマルのまま)こんなに早くチェーンをつけなければいけないなんて、全くの予想外で、ノロノロ30km/h弱で走る。「あー、コワイ〜。俺は生きて帰れるんかぁ〜」とビビりながらの走りだ。
平谷村でR418に入る。積雪が荒れているし、下り坂がキツイので、絶対コケると思ったが、何とか走りきることが出来た。なんといっても、今にも止まりそうな走りだったもんね。R418がR151と交じり合う所から県道に入る。この県道をしばらく進むと雪が無くなってしまった。「おかしいなぁー」と思いながら走るが、路面は乾いている。途中、美しい滝があった。
結局、峠までほとんど雪はなかった。上村の集落までは皆無。峠への林道も除雪されていて、あっけなくしらびそ峠(1,833m)を征服したのであった。14時ちょっと過ぎ、気温は-5℃。
峠から山荘への道に入る。除雪していないので、フカフカの粉雪の上を二輪二脚で進む。「これは、手強い!」とうとう前に進めなくなる。あきらめてUターンしようとするが、タイヤが雪にしっかりと埋まって動かない。しばらくの間、焦りながらも押したり引いたりしたが、どーにもならないので、荷物を下ろし、バイクを押し倒してUターンする。
峠で野宿することにして、さっき雪の上に残してきた荷物を取りに行く。粉雪の上り坂にすぐ息が切れてしまう。17時には、-10℃。南アルプスの山々も美しい。
18時過ぎ、晩飯も食ってしまったし、やることもない。後は寝るのみ。
1/25(土)曇りのち晴れ
夜中に何度か目を覚ました。寒さはほとんど感じなかった。冷え込みの方は、雲が出てしまったので、-11〜-12℃程度だった。ちょっとガッカリする。
7時頃、シュラフから這い出す。朝飯を食った後は、峠のあたりをウロウロ歩き回ったり、ひなたぼっこをしながら本を読んだり、ラジオをボーッと聞いたり、チョコレートを食ったり・・・。
誰も来ない峠だから、誰と話すこともなく時間が過ぎていく。
昼飯の後、写真撮影のため、バイクをあっちへやったり、こっちへやったり・・・。寒いけど、のどかな気持ちだ。ココアを飲みながらの読書。ふっと顔を上げれば、美しい山々。幸せを感じるなぁ〜。
夕方、赤紫に染まる山々を前に、地面に座り込んで、一人酒を飲む。雄大な気分!
1/26(日)晴れ
寒さで何度か目を覚ます。テントの外に出てみると、-15℃、快晴。日の出前の山が黒々と雄々しい。テントの中は、バリバリに凍っている。シュラフも息のあたる辺りが、凍っていた。
8時20分頃からエンジンをかけ始めるが、寒さのためか、ウンともスンともいわない。「これは、困った」と、必死でキックをしたり、押しがけしたり・・・。ジッポでキャブをあぶってみたりもした。やっとの事でエンジンが目を覚ましたのが、9時15分頃。約1時間の奮闘であった。
林道を下りきり、しばらく走ったところでチェーンを外す。一昨日走った道は、雪や凍ったところもなく順調だ。売木村への登りで、再びチェーンを装着。平谷峠の下りは道も広く、雪も固くしまっていて走りやすい。う〜ん、楽しい!コーナーもRが大きいと怖くない。地面にしっかりと押しつけた左足のかかとからゴツゴツと振動が頭まで響いてくる。楽しくて堪らない!
平谷村のスキー場横を走り抜ける際、大学生らしいスキー客が「スゲーッ!バイクが走ってきたぁー!」と叫んでいる。「ここでコケたら、メチャメチャ恥ずかしいぜっ!!」と走りにも気合いが入る。チェーンをガラガラいわせた荷物満載・フル装備のバイクが走り抜ける。
R153は、ほとんど雪なしで順調に走り、14時頃、無事帰宅したのであった。「あー、また固くしまった雪の道が走りたい!!」
日の出前の山の峰々。キーンと冷たい空気。物音ひとつしない世界。好きだなぁ〜、こーいうのって。 |
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