「露天風呂あり、グルメあり」木曽&高山ツーリング
    

ツーリングデータ

年月日

1986年6月20日(金)〜6月22日(日)2泊3日

目的地

長野県 上高地・木曽〜岐阜県 高山方面

参加者

岡田(XL125)宮脇(XLR250)大内(XL200)

 ※()内は、現在の我々による「チャチャ」入れである


「たまにはメジャーな観光地にでも行ってみるかぁ!」

6/20(金)晴れ

 工大祭(大学祭)休みを利用しての今回のツーリング、誰が参加するかは今ひとつ定かじゃないんだけど、21日の夜、木曽御岳・日和田キャンプ場に集合ということになっている。「上高地あたりにでもいってみるか〜」ってな感じで、俺は一日早く出発だ!

 7時過ぎ、起床。昨夜の雨もあがり、青空が広がっている。寝ぼけたまま7時半には出発だ。R41をひたすら北上するものの車が多く、ご機嫌斜め。美濃加茂を越えるあたりでやっと気持ちのよいツーリングペースで流れ始める。

 高山までR41をひたすら走り続けるつもりが、退屈に耐えきれず久々野から美女峠方面に突然の進路変更だ。途中、「美女峠旧道入り口」という看板を発見し、おいしい道であることを祈りながら走ってみることにする。

 最初は景色のよいダートだったが、途中の二股を登り側に入った頃から道幅がどんどん細くなり、気持ちも心細くなっていく。「これは失敗したかなぁ?」と思いながら、だったら引き返せばよいものを、行き止まりになるのを見届けるまではあきらめきれないいつもの習性で、ズルズルと走り続けてしまう。道はいつしか廃道寸前、下り急勾配の獣道、Uターンしても登れそうにはない道になってしまった。「頼むから、どこかに通じていてくれぇ〜!」もう泣きそう…。

 くま笹で消え入りそうな獣道は、突然、道幅のしっかりした林道にぶち当たって終わった。「いやぁ〜、助かったぁ!」久々に冷や汗をかいてしまったぞ。

駄吉林道にて昼めし前の記念撮影

 次に目指すは、牧野道路〜駄吉林道の有名どころの林道だ!途中道に迷いながらも、まずは牧野道路を攻める。尾根づたいのダートで展望がいい。残念ながら木曽御岳、乗鞍岳は雲の中に入っているが、白山の展望はバッチリだ。駄吉林道にはいると、更に道幅も広がり、楽しく攻めることができる。途中、いい気分で昼めしにする。

 R158に出て、上高地を目指す。きつい上り坂に荷物満載のXLは苦しそうな走りだ。ダートでは我慢できずについアクセルをあけてしまうが、舗装道路では愛車をいたわるため、トロトロと走ってみたりする。あんまりいたわっていることにはならないかなぁ?

 釜トンネルを思ったより早く通り抜け、上高地に到着。穂高連峰は、てっぺんに雲がかかっているもののまずまずの眺めだ。もっと視界の端から端まで山々が連なっているのかと思っていたら、屏風のようにぽんっ!と山々が立っているのがなんか面白かった。

 実はメジャーな観光地に関する予備知識は乏しくて、有名なところに行ってはみるもののどこを見るのか分からないことがよくある。例えば、以前に行った天橋立みたいに…。今回も、山を見たものの、「この一杯いる観光客はどこを見に来たのかな〜」と困っていたら、うれしそうな顔をしながら近づいてくる山登りのヤツがいる。なんと、昨夏、北海道・然別湖で知り合った富沢君じゃないか!うれしかったー!!駐車場にあった俺のXLを見て探し回っていたんだそうだ。「あんなボロボロのXL、他にはいないからね〜。河童橋の方とか探しまくったよ」「ボロくて悪かったなぁ〜(笑)で、河童橋ってなに?」と聞いて、また笑われてしまった。ふ〜ん、上高地といえば、河童橋なんだ〜。知らんかったぁ。

上高地にて(真ん中が富沢君)

 上高地を出発。さぁ、今日はどこでテントを張ろうか?R158を松本方面に走っている途中で見つけた徳本峠入り口の看板を入っていくと、感じのよい河原が広がっている。久々のたった一人の野宿は心細く、晩めしも今ひとつおいしくない。夜、薪を集めてたき火。炎を見つめながら、一人酒を飲んで、酔っぱらって、一日を終えた。


「(だれもこないキャンプ場で)今日も一人で野宿か〜」

6/21(土)くもり 雨も少し降った

 7時ちょっと前に目覚める。久々の一人野宿は興奮とおばけの予感でなかなか寝付けなったし、寝付いてからも何度も目を覚ましてしまった。う〜ん、ねむい!

 川の冷たい水で顔を洗いさわやかになったところで、出発!

 まずは穂高町に向かうことにした。行くつもりは全然なかったんだけど、朝めしを食いながら地図を見ていて、ふと目にとまり「行ってみよっかな〜」。思いつきで行き先がコロコロと変わる行き当たりばったりのツーリング、これがまたいいんだよね〜。

 曇天にもかかわらず常念岳(と思われる山)がきれいに見える穂高の町は、駅も落ち着いた構え、街角の道祖神ものどかで、雰囲気の良い町だ。郵便局で絵はがきを買って、思いつくまま友だちへのハガキを書く。

 「アスファルトの上ばかりを走っているわけにも行かんわなぁ〜」のんびりと過ごしたそのあとは、オフロード魂がムクムクと頭をもたげてきて、前々から走ってみたかった鉢盛山林道へ行ってみることにする。昨日会った富沢君の話では、「塩尻側からならいけると思う」ということだった。天気の方は今にも泣き出しそうだったので、ちょっと迷ったものの前進あるのみだ!

鉢盛山林道の峠でゲートを越えているXL

 固くしまった走りやすい路面の林道をどんどん登り続けていくと、峠にはごっつい木のゲートが通せんぼをしていた。「う〜ん、せっかくここまで来たのに…」とあきらめきれず、どっかに突破口がないものかとウロウロと歩き回った末に、山側を勢いをつけて強引に登ってゲートを突破!もしこの先、道が崩れ落ちていたりして通行不可だと、再びこのゲートを越えなければいけないが、越えてしまった方からは勾配がきつく再び登ることは難しそうだ。「こりゃあ、やばいかもしれない…」

 しばらく下っていくと工事箇所にぶち当たったが、特に怒られることもなく通してもらえてラッキー!さらに下ると、ダム工事の最中でダンプがブンブンと走る中の林道走行だ。工事現場の人もいっぱいいて、いつ止められて注意されるかとドキドキしながら走り続け全長33kmの林道を走りきった。いつもとは違った意味でのプレッシャーを感じながらの走行だったよ。

 ついに雨が降り始めた。途中のバス停で昼めし。こんな天気なのでダートの月夜沢峠を通るか?、舗装の野麦峠をにするか?迷ったが「男の子はやっぱりダートだ!(なんじゃそれ?)」ということで、雨の中、月夜沢を越える。

 集合場所のキャンプ場に着いたものの誰もいない。「名古屋は朝から雨みたいだから、だぁれもこないのかな〜?」と今日も一人野宿を覚悟して、ブラジルをたてる。

 17時ちょっと前、バイクの音が聞こえる!誰か来たんだ!!「お〜、岡田と宮脇君じゃないかー!」。やっぱり名古屋は朝から雨で、下宿でゴロゴロしていた宮脇君を岡田がたたき起こしてやってきと言う。突然にぎやかになってうれしいぞ。

今夜はにぎやかな晩めしだよ

 夜、風呂に入りたくなって濁河温泉に向かう。途中は当然!林道ナイトランだ。一時間以上露天風呂に入って、夜空を見上げながらのんびりとして今日は終わった。


「高山といえば、朝市だ!」

6/22(日)はれ

 あ〜、よく寝た。シュラフから這い出たのは7時過ぎ。のんびりと眠って気分も良いし、天気も良い。今日は朝市で有名な高山に向かうのだ。

 9時前には出発。乗鞍や木曽御岳が美しく見える最高の朝だね。快調にR361をとばす。朝日村の集落に入ったところで、お巡りさんが路肩からでてきて「こっちに入れー」と指示を出してきた。「うわぁ〜、ねずみ取りにやられてしまったー!」ともうガックリ。…と思ったら交通安全運動の一環ということで、地元の小学生たちが冷たいお茶をくれただけだった。もう心臓が飛び出すぐらいビビってしまったよ、勘弁してよね〜。

 高山にはいると本陣前にバイクをおいて、朝市をのんびりと回る。赤蕪漬けやほう葉ミソをおみやげ用に買う。昼めしはほう葉みそ定食。ほう葉のこばしい香りといい、つけ合わせの山菜といい「うまい!」の一言。昨夜の秘湯の旅に続き、今日はグルメの旅、いつもの砂まみれ、泥まみれ、目をつり上げて走るツーリングとは大違いだ。たまにはいいね、こんなのも。


【今回のハイライト】

【その1】
露天風呂にはいるのは初めてだという宮脇君、「いやぁ〜、気持ちいいですねぇ〜」…ザバアァァと平泳ぎで一かき。「ふぁ、ふぁなにおゆがぁ〜(鼻にお湯が入ったぁ)」……(やっぱりアイツ、変なヤツ…)と他人の振りをした岡田と俺だった
【その2】
目が悪いのでメガネをかけたまま露天風呂に入った俺。近くにいたオヤジがニヤニヤしながら「兄ちゃん、何でメガネしとるの〜?」(この露天風呂は混浴だったのだ)「僕は目が悪いからで、そんな変なつもりはないっスよぉ〜」と答えたものの、何度も「なんでぇ?」聞いてくる。それが、うっとおしくてメガネをはずした途端、若い姉ちゃんが風呂に入ってきてしまった。くっそぉ〜、このオヤジがいらんことさえ言わなかったらぁ…


あまりの気持ちよさに長湯をしてしまったよ
(気持ちのよい野天風呂、しかもタダ!)


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