「帰り道は気にせず北上だ!」紅葉の南東北林道ツーリング
    

ツーリングデータ

年月日

1987年10月23日(金)〜24日(土)一泊二日

目的地

栃木・山王林道〜田代山スーパー林道〜山形・朝日スーパー林道

 ※()内は、現在の我々による「チャチャ」入れである

今回のルート


「林道を走りつないで、山形県境まで到達」

10/23(金)晴れ

 前日の飲み会も深酒しないように十分気をつけた今回のツーリング、本当は11月に行くつもりだったが、運良く休みが取れたので早めに行ってしまうことにしたのだ。

 出発は6時半。鶴ヶ島から関越自動車道に入るが、秋の行楽シーズンのためか渋滞して大変だ。それでも頑張って沼田までノンストップで走ったら、風切り音で耳がおかしくなってしまったぞ。高速料金が2,300円。沼田から中禅寺湖方面に抜けるために走った金精道路が600円。社会人になってとりあえずお金はあるが、う〜ん、なんかむなしいお金の使い方だ…。

 戦場ヶ原から山王林道にはいる。紅葉シーズンのためか車が多いぞ。最初のうちはパッキングした荷物が背中にしっくりと当たらずどーも気になってしまった。ブラインドコーナの多い林道だが、関東周辺の林道状況に慣れてきたせいかあんまりビビらなくなってきた。「へっ、ブラインドコーナが怖くて、林道が攻められるかってんだ!!」紅葉は確かにきれいだ。でも、今は景色よりも走りに専念したい。

 山王林道から紅葉の山々を望む

 田代山スーパー林道に入る。3年前に走ったときにはもっとビシバシとハイスピードに攻めたような記憶があるが、今回はなかなかスピードにのれない。でも、峠に近づくにつれ、コーナもあまり深くなくなってきてスピードがのってきた。峠で一服した後、下りも快適に攻める。距離もたっぷりとあり、まったくおいしい林道だ。

 舗装道路に出た後に、今度は駒止峠越えに入る。峠までは舗装路が続いて退屈だったが、下りは会津独特の雰囲気のあるダートだ。「どんな雰囲気?」と聞かれてもうまく説明できないんだけどね…。峠越えの道から県道に出るが、この道がりっぱな2車線だったかと思うと細いダートになったりで変な道だった。

 次に向かった大辺峠は登りは固くしまったダートで気持ちよく攻めていたのに、峠から先はピカピカの舗装になっていた。「なんだよー!気持ちよく走っていたのに」と道に文句を言ってみたりする。

 山都町を経由して五枚沢林道に入る。もう陽は暮れようとしていたけどランタンなどの灯りを持ってきたので、かまわず林道を走り続ける。

気合い十分の林道走行

 結局、峠まで走ってしまった。峠はちょっとした広場になっていたので、ヘッドライトとランタンの光を頼りに、暗闇の中でテントを張る。一息ついたところで時計を見ると、18時。「えー、まだこんなに早い時間かよ。日が暮れるのが早すぎるよー」

 峠からは、喜多方の町だろうか?街の灯が見えてなかなか良い。今夜はこの贅沢な眺めと共に久しぶりの野宿だ。


「朝日スーパーは、距離・景色とも、これまたおいしいんだ」

10/24(土)曇りのち雨

 テンシャン(愛用のダウンシュラフ)の暖かな心地に、寮で寝ているのと勘違いして、しっかり朝寝坊してしまった。7時半起床。空はどんより曇っている。「寝坊して遅れたついでだ!」とのんびり朝飯を作ったり、友だちにハガキを書いてみたりする。

 天気を考えて、今日の予定は朝日スーパー林道と黒鴨林道を走ったところで新潟回りで帰ることにする。

 出発は9時半。ソロツーリングなのに、なんという遅さだ。峠から下る路面は赤土がしっとりと濡れていて、スリップに気をつけて走る。赤土はいきなり滑るからね。それにしても紅葉の美しいことといったら、すごいよ。今まで走った秋の信州より、数段美しく思えるぞ。

 小国の街で給油と食料を調達する。ガソリンスタンドの中で、見事な立ちゴケを披露して、メチャメチャ恥ずかしい思いをしてしまった。カレーパンを左のポケットに、チョコレートパンを右のポケットに入れ、気合いを入れて朝日スーパー林道に突入だ。

 林道の入り口はわかりやすく、迷うことなく林道に入った。道幅は狭いながらも、走りよい道だなぁ。途中、ダム工事の関係か、ゴーストタウン化した集落があった。山の中で一人野宿をしてもあまり怖さを感じないが、このゴーストタウン化した集落というのは昼間でも言いようのない怖さを感じてしまう。なんか「出そう」なんですよ。

朝日スーパの開通記念碑

 林道途中の金壷トンネルは、手で掘ったんじゃないかと思うほどで、せまいせまいトンネルでした。トンネルの天井に頭をぶつけてしまうような気がして、低い姿勢でトンネルをくぐり抜ける。トンネルを抜けると林道の様子が随分と変わって道幅が広くなる。紅葉の原生林、天気の割には山々もよく見えて、良い雰囲気だ。やぁ〜、来て良かったぁ。

 県境の峠で、大阪ナンバーのXLR、地元のXRと出会い、下りは一緒に走ることになる。路面も良いし、前に一台いてブラインドも怖くないし、今日はリアブレーキがうまく使えてコーナのつっこみも気分良く決まるし、楽しい下りだ。

 今回の最後の林道、黒鴨林道に入る。朝日鉱泉への登りに入った頃から雨がぱらつき始める。峠まで登ったところで、ついにカッパを着る。「雨の林道もまた味があるさ」とか言ってみるが、やはり気分は晴れないなぁ。あたりは薄暗くなってきた。

 雨の林道を走りきり、白鷹町に下りた頃にはもう暗くなってしまった。まだ17時なのに…。さぁ、雨の中、八王子まで480kmぐらい。帰り道のことは気にせず北上し続けたとはいえ、こりゃあ気合いを入れないと走りきれない距離だ!

 ひたすら走る。走った、走った、雨の夜「あーつらい」と思いながらほとんどぶっ続けで一般道を走り、寮到着は朝方3時半。もー、俺は寝るぞー!。


【印象に残った一枚】

夜は街の灯を一望でき、朝寝坊するほど快適な野宿ができた五枚沢林道の峠。あまりの好印象にこの一週間後、また走りに来ちゃうのでした。


五枚沢林道の峠で野宿


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「ソロツーリング」

 

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