「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲 〜第41回定期でのアンコール〜

1999年6月5日

 5月30日の第41回定期演奏会で、アンコールにマスカーニ作曲・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲を演奏しました。

 この歌劇、実は1幕ものです。つまり、途中で1度も幕が下りません。
 普通、「間奏曲」は幕間に演奏されるものですが、この「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲は一体いつ演奏されるのでしょうか。

 答は「歌劇の途中」です。教会前の広場が舞台で、ミサが始まってみんなが教会に入って誰もいなくなる、という場面で流れます。

 この歌劇、タイトルの意味は「田舎の騎士道」というもので、シチリア島の田舎町が舞台。
 兵隊に行っている間に他人と結婚してしまった昔の恋人への未練から、元カノの今の亭主と痴話喧嘩して決闘を申し込み、あっけなく殺されてしまうという、下世話で血なまぐさいお話(この「決闘」が「騎士道」ということなのでしょう)。この間奏曲は、昔の恋人を含む村人たちが教会に入って復活祭のミサが始まり、誰もいなくなったところで演奏されます(舞台上は幕は開いたままだが誰もいない)。この後展開される血なまぐさい事件に対する、聖母マリアへの祈りでしょうか。

 ところで、この間奏曲には、本当はオルガンが入ります。オケ版では、木管とホルンで代用されますが。要するに、教会の中でミサが行われている、という曲なのです。
 先日、天才ホルン奏者といわれている故デニス・ブレイン(1957年に36歳で交通事故死。プーランクの「ホルンのためのエレジー」はブレイン追悼のために作曲された)の本を読んでいたら、カラヤン指揮のフィルハーモニア管弦楽団の演奏で、このデニス・ブレインがオルガンを弾いていた、ということが書いてありました。デニス・ブレインは、オルガンの正規の教育も受けていたとのことです。ブレインとカラヤンは、同じ車好きで、仲が良かったそうですが、カラヤンにもそんな茶目っ気があったのですね。ちなみに、我が家のCDを調べてみたら、カラヤンはカラヤンでしたがオケはベルリン・フィルでした。残念。


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