米国式研修の弱点
Cadetto summer 2010,76ページ
・どの医師も研修場所に関わらず米国式研修はある程度の水準に育つ
・1人で重症患者を診る能力は日本のほうが優れている
・米国では患者が重症になると多くの専門医が関わり、研修医が主体的な意志決定が出来ない
・急性期の臨床判断能力が出来にくい
・米国の4年制メディカルスクールでは3、4年生で各科をローテートするので責任範囲が狭く、研修医の監視下で行動するのでとっさの判断力が求められない
・卒業時の知識は豊富だが臨床能力は日本の研修1年目程度
・米国では内科研修医は気管挿管を行わないことが多い(挿管は訴訟リスク回避のため、麻酔医、集中治療医、挿管技師が行う)
 ・研修中に麻酔科を回らなければ挿管の研修機会はない
 ・挿管が出来ない研修医がいる
 ・気道閉塞、呼吸異常を見逃しがちになる
静脈ライン確保も医師以外の職種が行うので出来ない者が多い
米国式内科研修は3年間で専門知識を得ることを目的とする
・米国では集中治療医にない限り、1人で急変患者を診ることはない(そういう訓練を必要としない)
・日本では離島、山間部等の地理的条件を考えるとどの科でも1人で重症患者を診る機会がある
・米国式研修を賞賛するのはいいが日本の医療環境を見て研修制度も考慮すべき


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