non-HDL-Cが女性、メタボ患者のリスク評価の指標に
Medical ASAHI 2010年10月
国際福祉医療大大学院教授 佐々 淳氏
・non-HDL-C=TC−HDL-C(F式
・LDL-C=TC−HDL-C−TG/5(フリードワールドの式:TG<400mg/dlの場合)
non-HDL-Cは動脈硬化性の高いリポ蛋白を総合的に評価でき、LDLより優れている
・non-HDL-Cの利点
 @TGのように食事の影響を受けない
 ATCとHDLは測定値の信頼性が高く、簡単に計算が出来る
 B昔のデータも使える
・LDLの直接測定法の問題点でnon-HDL-Cが注目されている
 ・直接測定法の標準化が不十分
 ・市販されている試薬間で測定値に差がある(特に高TG血症の場合)
・LDL直接測定でTC測定が省略されるとF式が使えない→F式が使えないと日本の論文は海外で通用しない
・2010年7月日本動脈硬化学会は『LDLは直接測定ではなくF式から求めるべき』と提言
F式は高TGの場合は使えない
・LDLを下げる治療を行う
・目標値に達してもTGが200mg/dl以上の場合はnon-HDL-Cを第2の目標値とする
・non-HDL-Cを下げる薬剤はまだエビデンスは確立されていない
・non-HDL-Cだけではどのリポ蛋白が増えているのか分からないという問題点
・新しいリスク別脂質管理目標値
新しいリスク別脂質目標値(日本動脈硬化学会)
※LDL以外の主要危険因子
加齢(男性>=45才、女性>=55才)、高血圧、糖尿病(耐糖能を含む)、喫煙、冠動脈疾患の
家族歴、低HDL血症(<40mg/dl)
治療方針の原則
カテゴリー
目標値

LDL-C以外の
主要危険因子
LDL-Cnon-HDL-C
一次予防
まず生活習慣の改善を行った後
薬物治療の適応を考える
T低リスク<160<190
二次予防
生活習慣の改善とともに薬物治療
を考える
U中リスク1〜2<140<170
V高リスク3以上<120<150
冠動脈疾患の既往<100<130

non-HDLはLDLが目標に達してもTGが高い場合の2次目標値に(ATPVを基にした案)
TG値ターゲット治療
105〜193mg/dlLDL生活習慣病改善
200〜499mg/dl @LDL
Anon-LDL
スタチン、エゼチミズ、EPA、ニコチン酸、フィブラートなど
500mg/dl以上TGフィブラート


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