国際福祉医療大大学院教授 佐々 淳氏
・non-HDL-C=TC−HDL-C(F式)
・LDL-C=TC−HDL-C−TG/5(フリードワールドの式:TG<400mg/dlの場合) |
・non-HDL-Cは動脈硬化性の高いリポ蛋白を総合的に評価でき、LDLより優れている
・non-HDL-Cの利点
@TGのように食事の影響を受けない
ATCとHDLは測定値の信頼性が高く、簡単に計算が出来る
B昔のデータも使える
・LDLの直接測定法の問題点でnon-HDL-Cが注目されている
・直接測定法の標準化が不十分
・市販されている試薬間で測定値に差がある(特に高TG血症の場合)
・LDL直接測定でTC測定が省略されるとF式が使えない→F式が使えないと日本の論文は海外で通用しない
・2010年7月日本動脈硬化学会は『LDLは直接測定ではなくF式から求めるべき』と提言
・F式は高TGの場合は使えない
・LDLを下げる治療を行う
・目標値に達してもTGが200mg/dl以上の場合はnon-HDL-Cを第2の目標値とする
・non-HDL-Cを下げる薬剤はまだエビデンスは確立されていない
・non-HDL-Cだけではどのリポ蛋白が増えているのか分からないという問題点
・新しいリスク別脂質管理目標値
新しいリスク別脂質目標値(日本動脈硬化学会)
※LDL以外の主要危険因子
加齢(男性>=45才、女性>=55才)、高血圧、糖尿病(耐糖能を含む)、喫煙、冠動脈疾患の
家族歴、低HDL血症(<40mg/dl) |
治療方針の原則 | カテゴリー | 目標値 |
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LDL-C以外の
主要危険因子 | LDL-C | non-HDL-C |
一次予防
まず生活習慣の改善を行った後
薬物治療の適応を考える | T低リスク | 0 | <160 | <190 |
二次予防
生活習慣の改善とともに薬物治療
を考える | U中リスク | 1〜2 | <140 | <170 |
V高リスク | 3以上 | <120 | <150 |
冠動脈疾患の既往 | <100 | <130 |
non-HDLはLDLが目標に達してもTGが高い場合の2次目標値に(ATPVを基にした案) |
TG値 | ターゲット | 治療 |
105〜193mg/dl | LDL | 生活習慣病改善 |
200〜499mg/dl |
@LDL
Anon-LDL | スタチン、エゼチミズ、EPA、ニコチン酸、フィブラートなど |
500mg/dl以上 | TG | フィブラート |
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