胃婁を作っても誤嚥性肺炎
m3comカンファレンス 抜粋 2010.10
2010.10.13までの投稿内容
◎・気切してもだめなら腸瘻です。
 ・発熱や肺炎症状が必ずしも誤嚥性肺炎の反復とは限らない
 ・カテ熱や慢性気管支炎、以前の誤嚥性肺炎が治癒していない可能性
 ・腫瘍熱や薬剤起因性などはないか
 ・痰が採取できれば起炎菌の同定とTBのcheck
 ・PEGの注入形態の工夫
 ・この際3〜5日間末梢輸液でPEGは投薬のみ
 ・GERDによる肺炎ならば、PPIなどの使用
 ・気切する前に、初診のつもりでもう一度診察
 ・気切はある意味延命治療へと繋がる
 ・頻回の吸引はPEG注入後は要注意、逆流で肺炎誘発
◎・誤嚥性肺炎の原因は経管栄養だけではない
 ・嚥下機能低下により唾液の誤嚥による口腔内細菌が原因で起こる
◎・なにをやっても結局いたちごっこ
 ・どれが良いとか、王道は無い
 ・機能が回復出来ないのだら。
  ・血圧高いからACE阻害薬を入れて咳を出させる
  ・半夏厚朴湯が良いらしいぞ
  ・シロスタゾール投与してみたら
  ・どれも皆普遍的な対策という訳ではなく、たまたまま失われた機能の補完の一助
 ・どうしてもと言うなら、気道・喉頭分離
 ・しかし、これはに声を失う事になる
 ・喉頭下で気管をリネアカッターで切除して頂いて気切部と口腔から食道に連なるラインを完全に分離
 ・効果は絶大
◎・原因は脳血管障害に起因するサブスタンスPの低下
 ・カプサイシンやACE-Iの投与
 ・感染原因菌は口腔常在菌が主体なので口腔洗浄や口腔ケア(ブラッシング)また発声運動が有効
 ・胃ろうや気切をしてもあまり意味がない
◎・耳鼻科の意見としては中枢性嚥下障害による誤嚥性肺炎は、気管切開や胃瘻で根絶できない
 ・まず神経内科管理で急性期を乗り越え→急性期リハビリ病棟で嚥下機能訓練を→輪状咽頭筋切断術(補助治療)
 ・それでもだめなら喉頭気管分離術・喉頭全摘出術・胃瘻のいずれかを選択
 ・喉頭気管分離術は喉頭自体は温存するので復元手術をすると発声は可能
 ・リハビリ科による嚥下機能訓練、耳鼻科による誤嚥防止手術、内科による誤嚥性肺炎治療等、別々に発展して来た
 ・うまく統合することが難しい
◎・嚥下訓練を行っていないのであれば行う
 ・脳幹梗塞後で嚥下障害でも場所によって嚥下機能障害のパターンが違う
 ・その違いによって訓練も異なる
 ・嚥下造影検査などで嚥下評価を行いその障害に応じた適切な嚥下訓練を行う
 ・唾液の誤嚥の具体例
  ・ワーレンベルグ症候群では食道入口部の開大不全によって食道への流入が障害では開大を助ける訓練
  ・橋梗塞などの麻痺で運動障害による咽頭残留(特に梨状窩など)の場合は残留量減少
 ・小脳脚の障害による失調性の嚥下障害もある
 ・喉頭内に垂れ込んだ唾液を排出する力を強める訓練
◎・当初は胃瘻で上手くいっていたのに、段々誤嚥を繰り返す
 ・絶食・補液でほぼ軽快するが、再度経管栄養を始めると再発
 ・経胃腸瘻(あるいは腸瘻)にするとしばらくは経過が良いが、また誤嚥性肺炎を繰り返す
 ・テステープで確認しても、明らかな口腔内への栄養剤の逆流は無
 ・絶食にすると軽快するので原因は栄養剤の注入により口腔、咽頭、喉頭部の分泌物が増多するためか?
 ・ACEやシンメトレル、あるいは腸管運動促進のためのプリンぺラン、ガスモチンなどが効果を期待される
 ・胃瘻を作るかどうかの判定に嚥下造影も大いに意味がある
 ・胃瘻栄養でも誤嚥性肺炎を繰り返す症例に嚥下造影はどのような意味があるのか?
 ・胃瘻だけなら施設でも受けてくれるところがあるが、気管切開事例となると施設対応はまず難しい
 ・腸瘻でも誤嚥が頻発するなら消化器からの栄養補給はかなり厳しい
 ・こう言った事例には家族が希望されればIVHもやむを得ない
 ・海外でのPEG症例の3年後死亡率は81.3%だそうです。
 ・日本では3年生存率37.6%、日本では明らかに生存率は高い
 ・しかし、胃瘻が必要な症例はそこまでターミナルという解釈は必要
◎・PEG後の誤嚥性肺炎では、胃瘻から十二指腸ロングチューブ
 ・胃瘻からガイドワイヤーを通して留置するだけ
◎・気管切開でも、唾液の誤嚥は避けられない。(気管内吸引はやりやすくなる)
 ・ 喉頭気管分離に「気管・食道吻合」を加えれば、食道発声が可能。
 ・喉頭気管分離(気管食道吻合あり)をお勧めします。


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